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http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080823/stt0808230307001-n1.htm
野田氏出馬断念 政策競わずに民主主義か
2008.8.23 03:07
このニュースのトピックス:国会
民主党は、代表選を通じて政策論争を深める絶好の機会を封印しようとしているようだ。
9月の民主党代表選への立候補を目指していた野田佳彦広報委員長が出馬を断念したことは残念としかいいようがない。枝野幸男元政調会長も不出馬の意向だ。小沢一郎代表の無投票3選が固まってきた。
政治決戦となる総選挙をほぼ1年以内に控えている。民主党代表は首相候補でもある。
代表選で日本をこうするという政策論争を国民の前に示し、立候補者が競い合うことは党活性化にとどまらず、日本の民主主義の信頼性を高める。そうした好機を自ら葬ろうというのは情けない。
野田氏は、代表選を堂々と実施して、民主党が一つにまとまる姿をみせることが重要と訴えてきた。元代表の岡田克也、前代表の前原誠司の両副代表に出馬を促してきたが、両氏とも不出馬を表明した。結局、野田氏は自らの支持グループで出馬の意向を示したが、反対が続出し、出馬に必要な国会議員20人の推薦人を固められなかったようだ。
奇妙なのは、野田氏の推薦人に名を連ねると人事や選挙戦で不利益を被るのではないかとみなされたことだ。権力闘争は否定しないが、民主党自らが言い出した開かれた自由闊達(かったつ)な政党を否定していると言わざるを得ない。
こうした風潮は、小沢執行部が昨年の参院選や今年4月の衆院山口補選などに勝利したことで、政権奪取には小沢氏の手腕に期待するしかないとの認識が広がっているためのようだ。
だが、国民が注視しているのは小沢氏が政権を取って、日本をどうするのかだ。出馬表明はまだだが、小沢氏は説明責任をもっと果たさなくてはならない。
小沢氏の党運営は多くの問題を抱えている。農業の所得補償や子育て支援などの財源について、小沢氏が述べる行革努力で捻出(ねんしゅつ)できるのか。小沢氏の国連至上主義により、日本は国連が決めなければ、何もできない国になりかねない。国会でも対決一辺倒の姿勢を取るより、与野党で知恵を出し合うべきではないか。
こうした数々の疑問が党内外から寄せられている。多くは民主党政権が誕生した場合、突きつけられる問題だ。これらを代表選で論じ合うことこそ、民主党への信頼を高めたのである