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http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20080817ddm005070016000c.html
民主党代表選 党内闘争は恐れず克服を
民主党代表選の告示日まで、1カ月を切った。小沢一郎代表の3選が有力視されているが、対立候補も含め、正式な出馬表明はなされていない。民主党の存在を世に誇示する絶好の機会を見逃してはならない。
昨年の参院選での与野党逆転を受け、今回の代表選は次期総選挙での首相候補の選出を意味している。マスコミ各社の世論調査では、民主党政権誕生の可能性は低くない。
代表選は次期総選挙での自民党との政権争いの前哨戦と位置付けられよう。代表選には党内の権力闘争という一面もある。だが、それだけではない。
民主党は自民、社会両党出身者をはじめ、さまざまの政治潮流の集合体だ。それだけに、政策には幅がある。同時に、衆参両院で多数派が異なる「ねじれ国会」となり、民主党の政策は対案以上の意義を持つようになった。政策担当能力のバロメーターでもある。
民主党の代表選の一大特長は党員・サポーターも代表選に参加できる点だ。今年度の党員・サポーターは前年度に比べ6万8000人も増え、27万人弱に達している。ところが、党員らが参加できた代表選は過去1度に過ぎない。任期途中の退陣や無投票だったからだ。代表選実施を求める声は地方には根強い。
小沢氏は自民党幹事長当時から、「陰の権力者」に徹する傾向が強く「表の権力」との二重権力への批判をよく招いた。しかし、最近は「小沢首相として大胆なことをやる」と、周辺に語っている。正式な出馬表明はまだだが、小沢代表の立候補は動かない。
対抗すべき1番手は岡田克也元代表だろう。「政権交代」という題の著書も出版し、小沢氏とは一定の距離を保っている。だが、「現時点では強い意欲を持ち合わせていない」と、極めて消極的だ。「代表選を通してマニフェストの進化」と力説していた前原誠司前代表は「今回はコーディネーターに徹する」と事実上の不出馬宣言をしている。
「国民が参加できる代表選ができなければ政治改革を語る資格はない」と言い切る野田佳彦広報委員長は、立候補を明確にしていない。枝野幸男元政調会長も意欲は見せるが、明言は避けている。
党内結束力にひびが入ることを恐れているようだ。だが、代表選の実施で権力闘争としての側面が仮に強まったとしても、無投票よりは効果的だ。自民党は総裁選で、死闘を繰り返してきた。政権維持が党内結束を促す接着剤役を果たしたことも確かだが、総裁選はエネルギー源にもなってきた。
民主党代表選が無投票で政策論争も未消化に終わったら、肝心の政権担当能力にも疑問符が付きかねない。後遺症を恐れず党内権力闘争を進め、克服すべきだ。それが政権獲得への王道だ。
毎日新聞 2008年8月17日 東京朝刊