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http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080719ddm005010021000c.html
結党10年の民主:政権への展望/5止 再編VS政権交代
◇自民と切り崩し合戦
日本経団連、日本商工会議所と並んで経済3団体の一つに数えられる経済同友会(桜井正光代表幹事)が、このほど民主党との政治懇談会をスタートさせた。経済界が次期衆院選後の政権交代を視野に、民主党を強く意識し始めたとの見方が永田町に広まっている。しかも自民党との政治懇談会も同時スタートさせるという用意周到さだ。
民主党の窓口役は前原誠司副代表。前原氏周辺は「政権交代後を見据えて経済界とパイプを作っておくのは当然」と話すが、自民党の窓口役が、前原氏との親交を深める中川秀直元幹事長であることが憶測を呼んでいる。
中川、前原両氏は、たばこ税引き上げを目指す超党派議連を発足させるなど、共通点が多い。懇談会に参加した自民若手は「中川氏は政界再編論者。同友会も再編を見込んでいる」と指摘する。現に中川、前原氏がそれぞれの党の参加者を人選した。
ただ、民主党内では懇談会が「政界再編」の道具とされることへの警戒感も強い。
今月8日、東京都内で行われた経済同友会と民主党との政治懇談会の初会合で、民主党の岡田克也副代表は、「日本には新たな国家目標は必要ない」と語った。同友会側の「国家目標が必要」との発言をにべもなく否定した形だ。前原氏があいさつした直後だった。
岡田氏の心境を周辺が解説する。「同友会の狙いは自民党側と通じた『民主切り崩し』。前原さんは党に正式に申し入れもないのに引き受けた。そのために会合に出席していらだちをぶつけたのではないか」
党内の大勢は「今の時期、党が割れているとみられるのはマイナスでしかない。選挙前の再編はあり得ない」(幹部)と前原氏の動きに冷ややかだ。
民主党の強気は政権交代への各界の期待に支えられていると言ってもよい。
党税制調査会長の藤井裕久最高顧問は6月28日、大阪市内で開かれた近畿税理士政治連盟の会合に招かれた。「政権を取ったらオーナー課税廃止法案をぜひ通してほしい」
税政連側の強い期待を藤井氏は感じた。税理士会が各小選挙区1議員を対象に作る後援会組織にも最近、07年参院選での初当選組をターゲットに、自民から民主への乗り換え現象が起きているという。
こうした現状への危機感から、自民党側は中川氏だけでなく幹部が民主党を巻き込んだ再編を一様にもくろんでいる。伊吹文明幹事長も今月12日、千葉市での講演で「次の衆院選で自公が勝てば、民主党は動揺する。その時に再編を仕掛けて参院を分断しなければ、今の政治状況は変わらない」と語った。
強気の民主党にしても、「本音を言うとお互い過半数を取れないこともあり得る」(安住淳国対委員長代理)、「次期衆院選後、政界が液状化した時、政策本位での再編は否定できない」(中堅)との声もある。
「自民党は必死だ。金でも何でも使ってくるだろう。こっちはすぐゆるむ。心配だ」。小沢一郎代表は16日夜、菅直人代表代行、鳩山由紀夫幹事長らとの会食の席で油断を戒めた。自民支持基盤を狙って切り崩すのが小沢氏の選挙手法。「再編に期待」の自民と「まずは選挙」の民主の攻防は続く。=おわり
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この企画は上野央絵、田中成之、野口武則、小山由宇、渡辺創が担当しました。
毎日新聞 2008年7月19日 東京朝刊