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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080717-00000979-san-soci
年金機構「処分者の移行一切認めず」自民が方針
7月17日21時23分配信 産経新聞
社会保険庁の年金部門を引き継ぐ「日本年金機構」の基本計画について、自民党は17日、懲戒処分歴のある社保庁職員は、処分の重さにかかわらず、有期雇用も含めて一切機構に採用しない方針を固めた。自民党は来週にも党内のワーキンググループ(WG)で独自案を取りまとめ、基本計画に盛り込むよう政府側に求める方針だ。
厚生労働省は17日の厚労関係合同会議で戒告処分者は有期雇用を認めるとの修正案を提示し、基本計画の了承を取り付ける考えだったが、「採用基準が甘すぎる」との批判が大勢を占め、了承は見送られた。
自民党が懲戒処分歴のある社保庁職員の機構への移行を一切認めない方針を固めたことについて、舛添要一厚労相は17日、記者団に対し、「最終案を受け取った上で、よく相談して議論したい。政府と与党に考え方の乖離(かいり)があれば埋めていく」と述べるにとどめた。
同日の自民党合同会議では、厚労省が基本計画の修正案として、給与をもらいながら組合活動に専念する「ヤミ専従」に関与した職員は、黙認した管理職も含め、有期雇用でも一切採用しないことも提示。全体の1割以下の1000人にとどまっている外部採用の正規職員数を拡大するほか、年金記録問題の対応に必要な人員数を早期に検討することも打ち出した。
一方、懲戒処分歴のある職員の採用については、当初案で有期雇用での採用の道を残していたが、修正案では懲戒処分のうち停職、減給処分を受けた職員を有期雇用でも機構に採用しないことを新たに盛り込み、懲戒処分のうち最も軽い戒告処分を受けた職員に限り有期雇用を認めるとした。
だが、出席者からは「懲戒処分を受けた職員の間に採用で差をつけるのはおかしい」「国民の理解が得られない」などの異論が相次ぎ、修正案の了承は見送られ、WGにおいて自民党としての独自案を早急に取りまとめることになった。
ただ、戒告も含め懲戒処分歴のある職員全員の採用を認めないとした場合、対象となる900人近い職員をリストラするか、政府内で配置転換しなければならない。本人の意思に反して退職させる「分限免職」は訴訟で政府側が負ける可能性もあり、厚労省はなるべく機構に不採用となる職員数を抑えたい考え。自民党WGでも移行できない職員の処遇を検討する方針だ。