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<発信箱>民主党の「格差」問題=与良正男
2008年7月17日 毎日新聞
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20080717-01-0301.html
「あの団体には何票」とか「後援会は何人で」とか、組織票を積み上げる選挙のプロたちの
票読みが通用しなくなったのは1989年夏の参院選からだったと思う。当時の土井たか子
委員長率いる旧社会党が圧勝、参院は与野党逆転し、今の衆参ねじれの原点となった
選挙だ。
「選挙事務所で話を聞いても世の中の風向きは分からない」。選挙戦の最中、そう考えて
スーパーの前で、組織のしがらみがないであろう何十人ものお母さんたちに話を聞き、
旧社会党の大勝を確信したのを思い出す。以来、選挙の帰すうを決するのは女性では
ないかと考え続けている。
10周年の民主党。実は結党以来、いや、96年の旧民主党結成から、ずっと抱えている
問題がある。それは女性に人気がないということだ。
例えば今月の毎日新聞世論調査でも民主党支持と答えた人は男性31%に対し、女性は
20%。自民党の支持率は男性23%、女性21%だから、男の支持率だけならとっくに
政権交代しているのではないかと思えるほどだ。
自民党は、刺客だ、チルドレンだと失礼な扱いとはいえ、まがりなりにも女性議員が多少
目立ってきている。ところが、民主党は女性議員を重用していない印象がある。無論、
理由はそれだけではなかろう。最近はこの深刻な「格差問題」に党の関係者が触れること
さえ少なくなっている気がするがどうか。
今回の調査を見ると、女性がその分、自民党を支持しているわけではなく、「支持政党なし
=無党派」に流れているのが分かる。次の衆院選もきっと女性が決するのだ。