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2008年07月07日
ブッシュ・小泉朋友関係の嘘
私はへそ曲がりに違いない。人が騒げば騒ぐほどほかの事をしたくなる。
サミット一色の報道を読む気にならない。サミットと関係ない記事を無理して探そうとする。
そう思って7月7日の各紙を眺めていると、やはり面白い記事はあるものだ。
毎日新聞のワシントン発、坂東堅治という記者の手になる評論は示唆に富む。
坂東記者は、サミットを前に行われる恒例の米国大統領と在米日本人記者との記者会見に出席して感激し、ブッシュ大統領の生の声を聞いて興奮して、その思いを次のように書いている。
・・・「やはりホワイトハウスでは大統領が最高権力者なのだ・・・(大統領の両脇に座ったハドリー補佐官(国家安全保障担当)やペリーノ報道官ら)側近は、ほとんど口をはさまず見守っていた。もう少し、周囲がアドバイスしたり、進行役を努めるかと思っていたが、あくまで大統領が中心だ・・・
大統領は徐々にリラックスしたようすだったが、周囲には緊張感がただよっていた・・・」
坂東記者が驚くまでもない。これが米国政治の現実なのだ。
あの、不人気のブッシュ大統領でさえ、すべてを決める決定権を持っている。気に入らない側近はいつでも更迭できる。誰もブッシュ大統領に逆らえない。
だからこそ、あの歴史的誤りであったイラク攻撃を、誰も止める事が出来なかったのだ。
そんな事は、実はどうでもよい事だ。
私が坂東記者の記事で注目したのは次のくだりである。
・・・(日本人記者会見において日米関係に話が及んだ時)いつもの事ながら「最も親しい友人の一人」である小泉純一郎元首相に話が及んだ。
だが、「日本は中国との良好な関係を持つべきだ」と明言したことに、個人的関係とは別の本音もにじみ出た・・・大統領自身は当時直接の言及を避けていたが、(小泉元首相の対中国敵視政策に)やはり懸念を持っていたわけだ。
ブッシュー小泉の緊密な関係から、ブッシュ時代の日米関係は歴史的にも最良だったという印象を持つ人は少なくない。だが、米国は東アジアで中国を含めたマルチ外交に軸足を移してきたようだ・・
この坂東記者の記述は巧みに小泉批判を避けている。
しかし、彼が言いたい事は、ずばり、ブッシュ・小泉朋友関係は作り上げられた嘘の関係ではなかったか、という問いかけである。
ブッシュ大統領の発言が見事に物語っている。ブッシュ・小泉関係はつくりあげられた虚像だったのだ。
そして、ブッシュ大統領の方が一枚上である。小泉元首相を盛んに持ち上げ、ブッシュ・小泉関係の緊密さをことさらに強調してみせる。しかしそれは周到に計算された言動なのである。
あの愚鈍と思われるブッシュ大統領が、小泉元首相を持ち上げて、小泉元首相を米国の代理人にしようとする狡猾な戦略を、その内に秘めていたのだ。
その一方で、あれほど親しさを強調していた小泉元首相が、総理を辞めたとたん、米国やブッシュ大統領を避けているように見える。本当の友情関係などなかった事を白状している。
日米同盟は不滅だ、と叫び続ける日本の政治家や外務官僚は、そういえば言うほど、底の浅さを暴露することになるのだ。