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2008/06/19
「CHANGE! 官僚国家日本」 ・・・「脱藩官僚の会」を旗揚げ!
このたび、我々は「官僚の手の内を知り尽くしている人間だからこそ、国民のため、できることがある!」と決意し、官僚主導から政治主導、真に国民主導の政治・行政を実現するため、「官僚国家日本を変える元官僚の会」(「脱藩官僚の会」)を立ち上げることとした。
そもそも、政治家が、その本来の役割、機能を果たしていれば、何も我々がこんな会を立ち上げる必要はないのだ。しかし、いくら「官僚主導」から「政治主導」への転換と政治家が叫んではみても、 実際は、その政治家の多くが「官僚の手のひらで踊っているにすぎない」というのが、残念ながら、実情なのだ。そして、天下りをはじめとする既得権益や補助金・許認可権限等の利権を頑なに守ろうとする霞が関の壁に阻まれ、国民が期待するような成果を出せてはいない。また、その官僚、特定の官庁と結託し、私腹を肥やす政治家(族議員)も後を断たない。
そこで、「脱藩官僚」が「官僚主導」を変える! 官僚の手の内を熟知した「元官僚」が、そのノウハウ(知識・経験等)を国民本位に活用すれば、政治・行政を真に国民の手に「だっかん」(「奪還」・「脱官」)することに貢献できるのではないか、そう考えた。この会の目的はそれに尽きる。
会の性格は、「党派性のない政策集団」だ。将来は霞が関に対峙しうる恒久的なシンクタンクにも育成していきたい。また、霞が関を自発的に退職する官僚(この5年間だけで約300人)の受け皿にもなりうると考えているし、別の見方をすれば、政治任用の人材バンクとしても将来は機能していくだろう。ただ、特定の政治集団・路線や政界再編とは一線を画し、党派性は払拭していきたい。
その点、私、江田憲司が唯一の現職の政治家で発起人ということで誤解を受けそうだが、まずこの会の「言い出しっぺ」ということと、江田は480人の衆議院議員で唯一の純粋無所属で、これまでの首班指名でも「福田康夫(安倍晋三)」とも、「小沢一郎」とも書かずに、積極的白票を投じたということでご容赦いただきたい。今後、私のような政治家や候補が他にいれば、その入会をあえて排除するものではないが、党派性なしとの会の方針は、これを貫く。
活動の基本は、霞が関・官僚による行革の「骨抜き」等に、「政策提言」や「緊急アピール」で対抗していくことだ。霞が関や、その術中にはまる政治家たちが画策する国民不在の政策に対し、タイムリーに「緊急アピール」で警鐘を鳴らし、「元官僚」としての強みが発揮できる分野(公務員制度改革、分権改革、規制改革、消費者庁等)で「政策提言」をしていく。もちろん、霞ヶ関自体の改革、すなわち「公僕たる官僚」「国民本位の霞が関」への脱皮を図り、将来的には道州制導入・分権改革に伴う「霞ヶ関解体」も視野に入れたい。
したがって、この会の生命線は、「脱藩」性を厳しく審査する、その一点にかかっている。「脱藩」とは、天下りは論外として、物心両面において一切「母屋(出身官庁)の世話になっていない」ことだ。要は、霞が関に遠慮会釈なく言いたいことが言え、行動できることが肝要で、我々は、会員の数より「脱藩の志」・「思い」「問題意識」の共有の方を重視していくつもりだ。 もちろん、役所から天下りのあっせんをうけているような人にはそれを期待しても無理だし、与党から選挙に出ている元官僚は、陰に陽に暗黙の支援も受けているだろう。こういう人(「過去官僚」)はオミットしたい。
会の設立にあたっては、その「思い」を共有する意味もあって、「官僚諸兄へ・・・率先して自らの身を切れ!」と題して、第1弾の緊急アピールを出した。地に落ちた霞が関への国民の信頼を回復するには、「天下りの全面禁止」や「税金の無駄遣いの一掃」で自らの身を切るべし、と現役官僚に強く迫っている。ひとえに、現役官僚諸兄の覚醒、特に若手官僚の決起を促すという意味を込めたつもりだ。
ただ、霞ヶ関の体たらくについは、「我々にもその責任の一端があるのではないか日々自戒」している。いずれにせよ、その償いという意味ではないが、これまで税金で得させていただいたノウハウを、今後、官僚主導を打破し、国民本位の政治・行政を実現していく中で、国民に還元していくことでご評価いただくしかない。
今後のスケジュールだが、臨時国会召集時期をにらみ、遅くとも秋口には設立総会を開きたいと考えている。今後、会員を私のHPを含め、公募で募集していくことを考えているが、当然、困難も予想される。この会に入るのには相当な覚悟が要るからだ。霞ヶ関に自ら「ペルソナ・ノングラータ(好ましからざる人物)」、「ブラックリスト」を提示するようなもので、現に、発起人の声がけの中で、趣旨には賛成で当初は前向きだったが、自分の会社に迷惑をかけられない、として断ってきた人もいる。会が公になった以上、今後、霞ヶ関からは、陰に陽にプレッシャーもかけられてくるだろう。
したがって、この会が成功するか否かは、そして、官僚主導の政治・行政を本当に打破していけるかどうかは、我々の努力はもちろん、ひとえに国民やメディアの皆さんのバックアップ次第ということもある。最後に、皆さんの、この会に対するご理解、心強いご支援を心からお願い申し上げます。
(参考1) 発起人名簿
発起人代表 江田憲司 衆議院議員・元通産省
(橋本政権時、首相秘書官として、中央省庁再編・分権・行財政改革等に取り組む。著書に「誰のせいで改革を失うのか」「首相官邸」他)
発起人 寺脇 研 京都造形芸術大学教授・元文部省
(映画評論家。ゆとり教育の旗振り役。退職勧奨されたが大臣の慰留により降格人事を受入。著書に「官僚批判」他)
同 高橋洋一 東洋大学教授・元財務省
(小泉・安倍政権時に、内閣参事官として、郵政民営化、政府系金融機関の改革、特別会計の埋蔵金問題等に取り組む。著書に「さらば財務省」他)
同 上山信一 慶応大学教授・元運輸省
(大阪府特別顧問として橋下改革を推進。これまで数々の自治体改革に取り組む。著書に「行政の経営改革」「行政評価の時代」他)
同 福井秀夫 政策研究大学院大学教授・元建設省
(官邸の規制改革委メンバーとして規制改革に取り組む。著書に「官の詭弁学」他)
同 木下敏之 元佐賀市長・元農林水産省
(当時、県庁所在地では全国最年少市長。長崎新幹線に反対し落選。在職時は、談合防止、初の口利き報告制度の創設等に取り組む。)
同 岸 博幸 慶応大学教授・元経済産業省
(森政権時にIT戦略、小泉政権時に、竹中平蔵大臣秘書官として郵政民営化等の改革に取り組む)
同 石川和男 新日本パブリック・アフェアーズ(株)上級執行役員・元経済産業省
(産業金融・技術の専門家。著書に「リテールファイナンスビジネスの研究」他)
(参考2) 最近5年間(H14〜H18)の自己都合によるキャリア官僚の退職
〔総数〕 292人 ← 167人 ← 80人
〔府省別〕 経産 43人 ← 8人 ← 4人
総務 43人 ← 23人 ← 7人
国交 39人 ← 18人 ← 4人
財務 28人 ← 13人 ← 12人
文科 20人 ← 9人 ← 7人
(H4〜H8) (S57〜S61)
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