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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2008060802000113.html
【私説・論説室から】
野党になったらどうする
2008年6月8日
与党・自民党は永遠に不滅です−と思い込んでいるようだ。自民党の有力議員が中心になって衆参両院を一緒にして「国民議会」という一院制創設のための議員連盟を発足させた。
昨年夏の参院選で、野党が過半数を占めたため、自民・公明は衆院で三分の二も占めているにもかかわらず、法案たなざらしや国会同意人事案の否決などで、国会運営が行き詰まっている。これでは「ものすごい早さで動く国際政治、経済について行けない」「国家国民の損失」という。
確かに議院内閣制のもとで一院制にすれば、首相は多数与党に支えられることになるから、国会は政府・与党の思いのままだ。しかしながら国会の間違い、行き過ぎをけん制する機能は著しく低下し、少数意見は無視される。わずか六十数年前、国会が機能しなくなり、国を誤った苦い経験がある。今の二院制は時に時代の風潮に流されやすいわれわれには、間違いをより少なくできる仕組みだ。
それに一院制提案には与党ぼけもみえる。もし自民党が野党になったらどうする。政治は時の政権の意のままに動き、自民党の政策・主張はほとんど無視される。もっとも、それ以前に唯一の求心力である権力を失えば、崩れ出す可能性の方が大きいか。
どうも自民党は逆転国会にあたふたして、天下国家が見えなくなったようだ。ご都合主義の標本のような話である。 (小林一博)