★阿修羅♪ > 昼休み11 > 235.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%82%E8%AD%B0%E9%99%A2%E4%B8%8D%E8%A6%81%E8%AB%96
参議院不要論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: ナビゲーション, 検索
参議院不要論(さんぎいんふようろん)とは日本の国会において参議院は不要であるため廃止をし、一院制にしようという主張。
目次 [非表示]
1 内容
1.1 日本独特の理由
1.2 一般的な両院制批判
2 一院制にするためには
3 憲法施行時における暫定的一院制の想定
4 代表的な論者・団体
5 関連項目
6 文献
[編集] 内容
不要論は大きく分けて日本独特の理由と、国際的に言われる両院制批判の2種類に分けられる。
[編集] 日本独特の理由
日本で参議院の不要論が出る背景には、まず第一に参議院の政党化による衆議院のカーボンコピー化が挙げられる。参議院の衆議院化によって、元来参議院に期待されていた良識の府としての機能が、十分に果たされなくなったということである。
そもそも、上院は世界各国の例を見ても、間接選挙や任命制を用いるなど有徳有識の者を集めることを目的とされ、その議員は下院議員より敬われる傾向がある。また、国民の代表となる下院よりも権限が弱く、その有識者による議員立法や、下院をチェックし法案の修正案を提示することなどに特化して、存在意義を示している場合が多い。また、下院のような政党対政党の対決をよしとせず、政党化しないで中立な視点から有識者による審議を目指す傾向がある。
日本においても、明治憲法下では上院の貴族院は、国家功労者などによる貴族と、有識者や功労者の勅撰議員からなっており、戦後に公選の参議院にせざるを得なくなった際にも、被選挙権が30歳以上と定められ、全国区制を採用するなど、できるだけ有識で党派に属さない議員が増えるような努力がされた。緑風会はそのような思想の下でできた無所属議員たちによる緩やかな院内会派であった。
しかし、参議院は次第に政党化し、衆議院と同じような党派対決の場へと変貌した。全国区制は逆に最も党派対決の要素が強い比例代表制へと変えられた。このような中で、衆議院と変わらない参議院に存在意義を見いだせないというのが、参議院不要論の核心である。
これに対しては、参議院が不要なのではなく、参議院の衆議院化こそが問題なのであり、参議院改革によって本来のチェック機能を取り戻せるという考え方もある(参議院改革論)。また、この参議院の衆議院化は比例代表制の弊害であり、かつての全国区を復活させ(単なる知名度による人気投票に過ぎないとの批判はあるが)、政党の意を受けずに当選した議員によって参議院を構成することが、衆議院に対するカウンターパートとしての参議院の価値に繋がるとの意見は根強い。
より本質的、あるいは歴史的には、参議院は貴族院を継承したものであって、明治憲法改正の手続き上あるいは政治上の必要から残されたものにすぎない。さらに現在の都道府県地方区の定数配分自体が各都道府県の人口を適切に反映できないことも問題になっている。
[編集] 一般的な両院制批判
上記の参議院不要論は、日本の参議院独特の理由によるものであったが、両院制を採用している諸国でも以下のような批判が同様のものとしてある。
一つは、日本はアメリカやロシアなどのような連邦国家では無いということである。上記のような良識の府としての役割を期待しない場合でも、アメリカなどのような連邦国家では、連邦を構成している州・国の利害の調整の場として、単なる人口比率に関わらず各州・国が代表を送り出せる場としての上院(日本でいう参議院)が必要になってくる。さらに北欧を中心として、国連加盟国の過半数は一院制を採用しているという事実がある。最後に、参議院の存在は時間と金の無駄ではないかという、コストの問題である。ただし、参議院不要論者でも衆議院の選挙制度を変えた上(具体的には比例代表制中心の選挙制度)でなければ無くすべきでないと考える者もいる。
アーレンド・レイプハルトは、両院制を推奨する前提として、
人口が多い
連邦制である(アメリカ、ドイツなど)
多民族国家である(カナダのケベック州やベルギーのフランデレン地域・ワロン地域等)
のうち2つ以上に当てはまる場合、と述べている。そして「日本は人口が多い」という条件しか当てはまらないため日本に参議院は不要であると結論付けている。
このほか伝統的な不要論で「第二院は第一院と同じ意思決定をするのなら無駄である。また、異なる意思決定をするなら有害である」との主張もある。
しかし事実だけを見るなら、先進国として挙げられる国家の大半は両院制である。イギリス、フランスなど、いずれの国もこれらの批判に耐え、上院の権限を弱め、独自性を増すなどして、上院は不要ではないことを国民にアピールし、反対論を抑えつづけている。参議院についても同様で、決算審査制度の拡充を行ったほか、上記のような選挙制度の変更や、憲法改正による参議院の権限の削減などが訴えられたりしている。
なお、参議院不要論は衆議院議員及び衆議院多数党である自民党から主張される事が多い。そのことから、参議院不要論は単に「審議・採決の手間と時間を減らし、政府与党の議案を通しやすくしたいだけではないか」との批判も強い。
[編集] 一院制にするためには
日本国憲法で第42条から第44条、第46条から第51条、第53条、第54条の第2項・第3項、第55条から第64条、第67条において、参議院や両院制に関する文言が存在するため、一院制にするためには憲法改正をする必要がある。
[編集] 憲法施行時における暫定的一院制の想定
日本国憲法第101条では憲法施行の際、参議院が未成立の時は衆議院単独で国会とすることを規定している。そのため、1947年5月3日に参議院が成立していなかった場合、衆議院の一院のみで立法府とし、暫定的に一院制を想定していた。現実には1947年4月20日に参議院選挙が行われ、憲法施行時に参議院が成立していたため、暫定的一院制は行われなかった。
日本国憲法施行時に憲法に規定されている機構が存在しなかった例としては最高裁判所の例がある(憲法施行から3ヶ月後の1947年8月4日に発足)。
[編集] 代表的な論者・団体
赤尾敏(大日本愛国党)
大前研一
西部邁
上田たけし
[編集] 関連項目
国会
議会
参議院
参議院改革論
一院制
両院制
[編集] 文献
前田英昭「参議院を考える」「政治学論集」1997年9月
"http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%82%E8%AD%B0%E9%99%A2%E4%B8%8D%E8%A6%81%E8%AB%96" より作成
カテゴリ: 参議院