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植草氏コラム、特定財源から一般財源への転換は「道路族から財務族への所得移転」の意味しか持たない。
http://www.asyura2.com/08/lunchbreak11/msg/192.html
投稿者 小沢内閣待望論 日時 2008 年 5 月 21 日 19:29:46: 4sIKljvd9SgGs
 

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/
暫定税率の廃止は「国家権力から国民への所得移転」をもたらすが、特定財源から一般財源への転換は「道路族から財務族への所得移転」の意味しか持たない。一般財源化を過大評価している議員はこの意味で「財務族」議員と判断してよいだろう。


「後期高齢者医療制度」は、私が当初より反対し続けた「障害者自立支援法」と同様に「弱者切り捨て」の象徴的施策である。こうした「弱者切り捨て」の方針を強力に推進したのが小泉政権であり、財務省である。医療保険制度は医療を必要とする人と医療を必要としない人が同時に加入していなければ成り立たない。


多くの高齢者は長期間、医療を受けずに保険料を払いつづけてきた人である。高齢になり医療を必要とする段階に至って、過去に払った保険料を回収できるのだ。高齢になった時点で、従来の保険制度から切り離されたのでは、詐欺に遭ったと考えても当然だ。高齢者のみを切り離す後期高齢者医療制度の構造そのものに根本的な矛盾がある。


後期高齢者医療にかかる費用の1割を高齢者が負担することになると、高齢者の負担金額は今後急増する。民主党の長妻明議員が繰り返し訴えているように、2015年までの高齢者の保険料負担増加率は非高齢者の負担増加率の約2倍と見込まれている。もとより保険料負担能力の低い後期高齢者の負担金額の激増が、後期高齢者に対する医療費削減圧力を強めることは間違いない。「姥捨て山制度」と呼ばれる合理的な根拠が存在する。「後期高齢者」の呼称も制度提案者の「想像力の欠如」を鮮明に示しているが、根本的矛盾をかかえる「後期高齢者医療制度」は野党提出の法案に基づいて廃止することが適正だ。


5月18日のNHK「日曜討論」で、自民党の伊吹文明幹事長は消費税増税を含む税制抜本改革の論議が必要だと強調した。これに対して民主党の鳩山由紀夫幹事長は、将来的に消費税増税は避けて通れない課題だが、国民に負担増加を求める前に、天下り利権などの官僚利権を排除することが先決だと述べた。


鳩山幹事長の指摘は最重要の論点である。年齢別人口構成の急激な高齢化が進展するなかで、年金、医療、介護の社会保障制度の重大な設計ミスの矛盾がますます顕在化する。国民負担の増加を含めて抜本的な制度再構築が必要だ。しかし、その際に最も重要なことは国民に負担増加を求める前に、官僚利権を根絶することだ。小泉政権以降示され続けている財務省の政策路線は、障害者、高齢者、非正規雇用者、母子世帯などの社会的、経済的弱者を冷酷に切り捨てる一方で、官僚利権を温存するものである。


社会保障制度は「国民の国民による国民のための制度」である。制度を維持するために必要であるなら、賢明な国民は負担に積極的に応じるはずだ。多くの国民が納得できないのは、官僚利権を温存する一方で、真に制度を必要とする人々を冷酷に切り捨てる政策対応なのである。民主党はこの点を丁寧に国民に説明するべきである。次期総選挙では共産党を含む野党が選挙協力を拡大して、政権交代実現に向けて総力を結集する必要がある。政権交代実現により日本の未来が開ける。野党各勢力は大きな目標に向けて力を終結すべきだ。

 

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