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http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/89766_all.html
補選自民大敗 それでも突き進むのか(4月28日)
福田康夫政権に対する有権者の不満は予想を上回るものだった。
衆院山口2区補欠選挙で民主党候補が自民党候補を大差で破った。
主要な争点となった後期高齢者医療制度と道路財源問題で、首相ははっきりとノーを突きつけられたといっていいだろう。
保守王国・山口で総力戦に敗れた事実は重い。これを一選挙区だけの民意と考えてはなるまい。
医療も道路も見直すべきは見直す。その謙虚さと柔軟さが求められていると肝に銘じるべきだ。
自民、民主の一騎打ちとなった今回補選は、首相が初めて迎える国政選挙だった。
自民党は地域の活性化を公約の前面に打ち出し、人々の関心が高い国政上の課題を争点から外すことに躍起となった。
一方の民主党は「道路、年金、医療」を三点セットに、政府・与党の失政批判を繰り広げた。
各報道機関による事前の世論調査では「年金、医療」や「道路財源」が争点として上位を占めていた。当日の投票率も高かった。
結果的に有権者は与党の争点隠しには乗らず、福田政権への審判の機会と位置づけたといえよう。
与党にとって最大の逆風は後期高齢者医療制度だったに違いない。
新制度の導入に当たり政府の説明は不十分すぎた。批判の高まりを直視せずに対応は後手に回り、選挙戦を通じても有権者の不信感を解消できなかった。
道路財源問題をめぐっては、暫定税率の復活を望まないという意見は各種世論調査で六割近い。にもかかわらず、政府・与党は衆院の三分の二勢力を使い三十日に再議決する意向を再三表明してきた。
国民を説得できないままやみくもに再議決に突き進もうとする強引さも、今回の手痛い敗北に結びついたのではないか。
内閣支持率が20%台にまで落ち込む中で、首相は重要な反転攻勢の好機を逃した。
このうえ直近の民意を正面から受け止めず、立ち止まることさえいとうのであれば、支持率低下には歯止めがかからないだろう。
ここは正面突破を断念し、野党との修正協議に力を注ぐべきだ。
民主党にも自制を求めたい。
国民は医療、年金の現状と将来に深刻な不安を訴えている。政治の優先課題は道路問題だけではない。補選でそのことがはっきりした。
野党の次の仕事は国会の場で政府の対応をただしていくことだ。問責決議案の提出を急ぐことで、その責任を放棄してはならない。