★阿修羅♪ > 昼休み10 > 558.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
http://www.senkyo.janjan.jp/senkyo_news/0804/0804235494/1.php
【山口・周防大島発】続・保守地盤の崩壊〜農業と公共工事〜
田中龍作2008/04/23規制緩和、郵政改革、三位一体の改革により疲弊する地方。ここへきて年金問題、後期高齢者医療制度が追い打ちをかけ、保守地盤は崩壊しつつある。その現場、周防大島に筆者は再び渡った。 故佐藤栄作首相が本土との間に橋をかけ道路を通した山口県周防大島。自民党の金城湯池を地で行く地域だったが、保守地盤は崩壊しつつある。その現場を再び訪ね有権者の声を聞いた。
「山のてっぺんまでミカン畑じゃった」と農民(周防大島で筆者撮影) 島の東端の旧東和町は、島の他地区と同じく半農半漁だ。実りの秋ともなると特産の「山口ミカン(温州)」が山中を黄金色に染めていた。ところが小泉政権による規制緩和が東和町のみかん農家を直撃した。
大店法の緩和前は小売店が競り合っていたので、みかんの市場価格は(高値で)維持されていた。ところが緩和後は資金力のあるスーパーが買い占めるようになり安く買い叩かれるようになった。
農民は山を指差しながら「てっぺん(頂上)までミカン畑じゃった」と無念そうに話した。ミカンを運び出す大規模農道は無用の長物となった。「農道は今じゃ、タヌキと猪だけが通る道になってしもうた」と農民は自嘲気味に語るのだった。
農道は農水省の補助金事業だ。だが「道路政策の定見のなさ」ということで、有権者の目には現在問題になっている国交省所管の道路財源問題と同じに写る。
小泉改革の本丸といわれた郵政改革も住民には大きな痛手だった。民営化以前には日常業務として当たり前に行っていた集荷がなくなった。郵便物は当然遅れる。郵便配達員に貯金の出し入れを頼むこともできなくなった。外務員がいなくなったので簡易保険の契約、解約も不自由になった。
前出の農民は「小泉改革のおかげでガタガタよ。二の舞は踏んじゃならん。今度だけは民主党に入れる」と奥歯を噛む。農民は自民党の町議会議員だった。
農道はタヌキと猪の道と化した公共工事持ってこられない自民
自民党の力の源泉とも言えた公共工事は、地方交付税の減額の結果激減した。地方交付税の減額は小泉政権の目玉政策だった「三位一体改革」の一環だ。
周防大島では小泉政権登場前まで、1社が年額5億〜6億円の公共工事を受注できていた。ところが今では1千万円程度の公共工事に20社が入札するという。
島内の建設会社は、2004年の市町村合併後7社が廃業届けを出した。今年度内にさらに6社が潰れるものと見られている。
「自民党を応援しても金(公共工事)を持ってきてくれんからのう」とは建設業者の弁だ。
民主党の平岡秀夫候補は22日、菅直人代表代行らと共に周防大島に入り、JA久賀支所で個人演説会を開いた。
この会場では16日に自民党の山本繁太郎候補が麻生元幹事長を応援弁士にした演説会を行った。前回と同じ地元の選挙通に、会場を訪れた顔ぶれをチェックしてもらった。「建設業界の人間はいない。動員ではなく個人の立場で来ている」という。それでも、山本候補の個人演説会とほぼ同じ数の聴衆が詰めかけた。
菅代表代行は、国土交通省による道路財源の無駄使いを批判する一方で、周防大島の農業再生を訴えた。「後期高齢者医療制度を廃止に戻したい」と訴えると大きな拍手が沸いた。
農業の不振や公共工事の減少による「不況」は、日本全国どこの地方も抱えている問題だ。過疎地は郵政改革でさらに痛んだ。保守地盤の崩壊は、周防大島だけのことでなく全国規模で起きているのではないだろうか。
菅代表代行と平岡候補(JA久賀支所で)
◇ ◇ ◇
【山口・周防大島発】衆院山口2区補選 「大往生の島」保守地盤の崩壊(2008/04/17)
[特集]衆院補選山口2区を追う
衆院補選山口2区 選挙情報