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http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2008041202003042.html
特例法撤回が必要だ 一般財源化
2008年4月12日
政府・与党は道路特定財源の見直し方針を決めた。一般財源化で踏み込んだが、与野党協議のたたき台としては不十分だ。まずは特例法改正案を出し直して、特定財源制度廃止への証しを示せ。
政府・与党合意のポイントは福田康夫首相が表明している二〇〇九年度からの道路特定財源の一般財源化が盛り込まれたことだ。自民党道路族である古賀誠、二階俊博両氏ら執行部が渋るところを首相が押し切ったようだ。
ただ「必要と判断される道路は着実に整備する」との文言がしっかり書き込まれた。道路族への配慮からだが、骨抜きになった感は否めない。特定財源に充てられるガソリン税など暫定税率も維持する方針だ。
一般財源化の狙いは、国土交通省や道路族から特定財源という名の、使い勝手のいい「財布」を取り上げることで、無駄な支出をなくすことにあるはずだ。「着実に整備」が錦の御旗となっては、従来通り建設が続きかねない。
さらに懸念を抱くのは、意思決定の手続きだ。首相や与党幹部らが出席した会議で合意されたが、党議決定や閣議決定という手続きを経ていない。
自民党の事実上の最高意思決定機関は総務会だ。政府提出法案など重要案件はここで了承を得なければならず、しばしば大荒れの舞台となる。総務会が了承していない以上、一般財源化を党として認めたとの担保にはならないだろう。中堅若手の有志議員がこの点に疑問の声を上げたのも当然だ。
そもそもこの合意は重大な矛盾を抱えている。一般財源化するとしながら、特定財源を十年間維持するとした道路整備費財源特例法改正案はそのまま成立させるという。暫定税率維持を盛った租税特別措置法改正案もしかりだ。
これでは一般財源化は口約束だと疑われても仕方あるまい。二十九日以降の租特法改正案などの衆院再可決に向け、単に努力している姿を印象づけるポーズにすぎないとの疑念が消えない。
半世紀続いた特定財源との決別宣言となる法案撤回が不可欠だ。協議の接点はそこから生まれる。
一般財源化は、改革を叫び続けた小泉純一郎元首相も道路族の抵抗で実現できなかった「難事業」だ。首相に覚悟はあるのか。「いろいろ注文をつけて協議に応じないというのは、一般財源化したくないのかな」と野党を皮肉る前に、自ら退路を断つべきだ。