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http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20080314-OYT1T00999.htm
国会混迷 政治が経済をかき回すとは(3月15日付・読売社説)
政治の混迷によって、日本経済や国民生活が混乱するようなことがあってはならない。
今月19日に任期が切れる福井俊彦日銀総裁の後任人事が今もって決まらない。異様な事態である。人事をこれ以上、政争の具にしてはなるまい。
政府が提示した武藤敏郎副総裁の昇格案は、与党多数の衆院で可決された。だが、これに先立ち、参院で民主党など野党の多数で否決されており、「武藤総裁」案は白紙に戻っている。
政府は人事案を再提示するが、問題なのは、民主党の対応だ。
米国景気の後退懸念が広がり、ドルが急落した。円高・株安は国内景気にも深刻な影響を与えかねない状況にある。
世界の金融市場の安定へ、各国中央銀行の連携が必要な時だ。日銀総裁の空白は、許されない。
衆参両院が副総裁起用に同意した白川方明京大教授を総裁の代行とする案がある。だが、金融政策の司令塔としての重責は、「代行」では果たせまい。
武藤副総裁の昇格案について、民主党は「財務省の出身者」ということを主な理由に反対した。余りにも視野が狭すぎる。市場関係者や経済界の中からも、失望する声が出ている。
再提示される人事案に、民主党は今度こそ、参院第1党の責任ある対応をしなければならない。
ガソリン税の暫定税率を維持する税制関連法案に対する民主党の対応にも、疑問が多い。
民主党など野党の審議拒否で、参院の予算審議入りは大幅に遅れた。税制関連法案の審議も、来週以降に持ち越された。
3月末の暫定税率の期限切れが迫っている。
1月の衆参両院議長の斡旋(あっせん)で、税制法案は「年度内に一定の結論を得る」とし、法案を採決することで与野党が合意している。これを反故(ほご)にしてはならない。
そのためには、法案の修正協議が必要だ。福田首相は与党に修正案の作成を指示した。政府・与党は修正案をまとめ、民主党との協議で早期合意を図るべきだ。
道路特定財源の一般財源化を進めることや、暫定税率を維持する期間の短縮、59兆円にのぼる道路整備中期計画の見直しなどが、修正のテーマになるだろう。
民主党は、福田政権を追い込むためなら、ガソリン価格を短期間に変動させ、国民生活を混乱に陥れてもよいと考えているのだろうか。これでは政権をめざす政党とは言えまい。
(2008年3月15日01時48分 読売新聞)