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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080312-00000072-san-pol
同意人事、衆院優位規定を
3月12日8時3分配信 産経新聞
日銀総裁人事が大詰めだ。武藤敏郎副総裁の昇格案を提示した福田康夫首相に対し、民主党は「財金分離」などを理由に認めない方針で、総裁空白の事態も懸念されている。
そうなった場合、「総裁代行」を置く手はあるが、いくらなんでも日本の中央銀行総裁ポストが決まらないというのは、世界経済の先行き不安が募るときに、国際的な迷惑をかけることにもなる。日本の地位が低下するのは必定だ。
「財金分離」は金融庁の発足で果たせたはずなのだが、民主党の理屈だと、今後、財務省出身者は日銀総裁になれないわけだ。どう見ても、政権を追い詰めようという「政略」的なにおいが強い。「衆参ねじれ」による国政の停滞が深刻化する中で、国会同意人事も与野党の衝突材料となってしまった。
国会の同意を得て、内閣、首相、大臣が任命する人事は35機関にのぼる。与党が衆参両院で多数を占めていた時期には、政府提案がそのまま通るのが常識だった。昨年11月には、労働保険審査会、運輸審議会、公害健康被害補償不服審査会の3委員について、民主党が官僚の天下りなどを理由に認めず、56年ぶりの不同意となった。
同意人事は憲法で定められているわけではなく、それぞれの法律による。日銀の場合も日銀法23条で両院の同意を得て内閣が任命すると規定されている。
憲法59条は、衆院可決、参院否決となった法案について衆院で3分の2の賛成があれば再議決できるとしている。首相指名、予算、条約は衆院優位が憲法で定められている。そうしたものよりも国会同意人事のほうが壁が高いというのはおかしくないか。
ここは、国会同意人事も衆院で再議決できるようにするか、あるいは衆院優位原則を適用するなどの法改正をはかるべきだ。首相を決めるよりも審議会委員のほうが難しいというのでは、バランスを欠く。35機関ごとの法改正でなくても、国会同意人事をひとくくりにして1本の法律で規定できるはずである。
首相指名選挙で衆院の議決が優先されるということは、政権をつくるのは衆院の意思による、つまり、政権選択は衆院の役割といっていい。となれば、行政トップである首相の判断による重要人事が、参院の反対で認められないというのは、憲法が想定する二院制の趣旨に沿わないともいえる。こういうことを繰り返していては参院無用論に弾みがつきかねない。
ここでも政治の責任において「ねじれ」克服ルールの確立が求められている。(客員編集委員 花岡信昭)