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フランスのオリビエ・ブザンスノーは、昨年十二月の世論調査で四か月連続、サルコジ大統領の最強の対立候補に選ばれた、と『ニューズウィーク』(日本版)が報じた(本紙前号既報)。この記事の内容全般が的を射たものかどうかは別にして、LCRが無視できない政治勢力になってきたことは、まちがいない。 「LCR」でネット検索してみると、ウィキペディアのサイトに、フランスLCRに関するかなり正確な解説が出てくる。そこには、「反資本主義新党」(仮称)には一万人あまりが参加し、うちLCRは約三千五百人、と紹介されている。 このサイトから、一九六八年五月から二〇〇七年までの数多くの動画にアクセスすることもできる。その中には、フランス経団連への実力抗議行動や大統領選挙運動の映像もあり、ブザンスノーが活躍する姿を見ることができる。日本語しかわからないぼくにも、誠実でカッコイイ戦闘的労働者活動家であることが感じとれる。 そこでふと思い起こしたのが、フランスに留学していた知人の話だった。二〇〇七年、彼がホームステイしていた家庭で大統領候補のテレビ演説を見ながら、「このオリビエという若者、なかなかいいこと言うじゃないか」とみんなで拍手をおくっていたという。それでも、家主たちは第一回投票で、社会党のロワイヤル候補に票を投じた。がっかりした知人は、社会党の政治的壁の厚さを痛感した、と語っていた。 一昨年の大統領選挙にかかわるLCR内の論争は、本紙にも載っていたので、よく知られている。EU憲法批准反対運動の推進力になった「全国コレクティブ」を基礎にした左派統一候補の擁立が追求されたが、共産党が事実上の独自候補を擁立。LCR多数派は、新自由主義との関係をあいまいにしたままの社会党との統一候補を拒否し、新自由主義との対決を政治的に貫徹する道を選択した。「LCR・一〇〇%左翼」の名でブザンスノーを候補にして大統領選を闘った結果、第一回投票で約四%の票を得たのである(共産党は約二%)。 『フランス社会運動の再生』(つげ書房新社)などに見られるように、フランスにおける労働組合運動を含む社会運動は、ここ約二十年にわたってめざましい発展をとげている。その先頭にはつねにLCRが立っている。社会運動や反戦運動などの大衆運動での大きな影響力と、四%という大統領選挙=全国選挙での政治的影響力の間には、大きな開きがある。この段差をどのようにして埋めていくかがLCRの一貫した課題だ、と聞いたこともある。 LCRは、トロツキズム潮流と一九六〇年代の青年の急進化を成功裡に融合させてきた。さらにいま、一九九〇年代以降の社会運動の前進を基礎にして、「反資本主義新党」への脱皮をとげつつある。LCRが立った政治的位置を引き受けようとするかぎり、他の選択肢はない。トロツキストの歴史的挑戦に、心からの連帯と期待を込めて注目していきたい。 (岩) |