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http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200901101508
【Technobahn 2009/1/10 15:08】2010年の飛行を最後に全機退役が予定されているスペースシャトルに関して、米議会勢力を中心に退役時期の延期論が強まっていることに対してNASAのグリフィン長官は8日、会見に応じてシャトルの運用を2010年以降も継続させた場合の年間運用コストは年2回のフライトで30億ドル(約2700億円)に及ぶこと、更に、死亡事故が起きる可能性があるとの見解を示した。 NASAのグリフィン長官は、その上で「(議会勢力が望んでいるシャトルの退役次期延長論は)単に米国の威信を維持するための地政学的な発想に過ぎない」と述べてシャトルの退役次期は経済的にも安全面のどちらに関しても合理的な考え方ではないとも述べた。 死亡事故が起きる確率に関しては具体的には「最新のリスク分析ではシャトルで死亡事故が起きる確率は80分の1となっており、(2015年まで年2回のペースで)合計10回のフライトを行った場合、その内、1つのフライトで乗員の生命は8分の1の確率で喪失するという計算になるなるだろう」とする確率計算を示した。 NASAはシャトルシステムの運航開始時には死亡事故発生確率は10000分の1であり理論上、シャトルが退役するまでに死亡事故が起きる確率はほとんどゼロだとしていたが、実際には1986年1月28日がチャレンジャーが10回目の打上げで爆発を起こして乗員7名全員が死亡。更に2003年2月1日には大気圏再突入の途中で崩壊を起し28回目のフライトで喪失するという死亡事故を起こしていた。 今回、グリフィン長官が示した80分の1という死亡事故確率は、チャレンジャー爆発事故後およびコロンビア喪失事故後のどちらの安全性評価値をも大幅に下回るものともなる。 シャトルは2010年の飛行を最後に全機退役することが決まったが、シャトル後継の次期友人宇宙船の初飛行は今のところ2015年となっており、約5年間に渡って米国が独自の有人宇宙船を確保することができなくなるという国家戦略上の問題や、さらに、シャトル関連の雇用の喪失などが、懸念視された結果、上下院議員の間からは次期有人宇宙船が完成するまでシャトルの運用を継続すべき、との声が上がっていた。 |