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漫画ファンであることを公言する総理大臣を頂き、「落語系若旦那議員」、あるいは本当のお笑い議員が跋扈する「文化国家日本」の政治風景を見慣れている目には、彼の勝利演説なぞ、退屈至極に過ぎないかもしれません。
オバマの勝利演説は、準備はしていたでしょうけど、私の記憶違いで無ければ、原稿なしの演説です。そして和訳で表現するのが難しい格調の高い言葉遣いです。
あの演説を涙を流しながらじっと聞き入っていた聴衆を思い出すにつけ、今回の勝利、およびその演説は、「アメリカ民主主義の苦難の歴史のひとつの到達点」を示すものだと思います。この演説の中、オバマは、リンカーンの名言、キング牧師のWe shall overcome、公民権運動の歴史にすこしだけだけど言及したことが印象的です。
何人もの人がこの演説についてお書きになられているようなので、逐次のコメントは省略しますが、彼が、アメリカのCHANGEを何度も体験した106歳のおばあさんを紹介する中で言及した「セルマの請願行進」について一言。
セルマというアラバマ州の小さな町から80キロほど離れた州都モントゴメリーに向かう選挙権を求める請願行進は開始するや否や、警官隊によって蹴散らされます。
二度目の行進は、キング牧師がひとりで「象徴的」にしました。
やっと、三度目に、裁判所が行進の合法性の判決を下し、州都モントゴメリーまで野宿をしながら行進します。
はじめは三千人のデモ隊が、首都に着くと、二万五千人に膨れ上がっています。同年ジョンソン大統領はVoting Rights Act (選挙権行使妨害法)を認めました、1965年のことです。
今では、オバマはローリングストーズ、マドンナ以上の集客力がありますが、選挙活動を始めたころ、田舎の公民館で、せいぜい二百人ほどの聴衆を前に、彼の政治哲学、理想を披露してました。
私には、彼が言及したセルマの行進と、彼が歩んだ道がダブってなりません。
彼は今後「フツーの灰色の政治家」に変わるかもしれない。
しかし私はこのオバマの無印でブームを起こし党内予備選を勝ち、本戦で共和党候補を破り、第44代合衆国大統領になる。それだけで私にとっては、尊敬に値する政治家と思います。
蛇足ですが、オバマは、マッケインという、とてもフェアな候補者に恵まれたことを特記します。
オバマ勝利演説、日、英文
http://www.asahi.com/international/president/obama/TKY200811050346.html
http://www.asahi.com/international/president/obama/TKY200811060137.html
セルマの行進
http://freett.com/globalgospel/jpdiary/2007/03.32.2007.html