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票がカウントされないアメリカ
2008/11/06
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2008/11/post-a97a.html
2008年大統領選挙はバラク・オバマの勝利で終わった。全米の民主党支持者は、ブッシュ政権の犯罪追求も忘れてすでにお祭りムード一色だ。「今回の民主党大勝は米国民がブッシュ政権の8年間にノーを突きつけた」・・・大手ニュースメディアはそう繰り返す。ご冗談でしょう?まだブッシュ大統領もチェイニー副大統領も弾劾されていないのに。それどころかブッシュは、任期最後の総仕上げとして、支援してくれた業界のために、さらなる規制緩和法案を練り上げている最中だというのに。
なぜ米国民は2度にわたる不正な選挙でホワイトハウスを占拠した連中(ブッシュ陣営)を追放しようとしないのか?・・・その答えを考えている最中に、合衆国の選挙システムを象徴するニュースが舞い込んだ。マケインが過半数の票を獲得して勝利したと報道されていたジョージア州は、実際には期日前投票分を未だ集計していないという。ジョージア州の地元紙サバンナ・デイリー・ニュースの11月5日付報道によれば、同州の投票者登録人数は昨年末から50万人も増加して497万8,704人。そのうち集計されたのは333万9,278票で、開票率67%。残りは投票に来なかったということではないらしい。地元選挙管理委員の発表によれば、少なくともまだ10%は集計対象票が積み増しされるというのだ。
ロバート・ケネディJRと共に、米国の選挙不正をずっと追求しているジャーナリスト、グレッグ・パラストの最新レポートによれば、ジョージア州では選挙当日に黒人有権者に対する地元選挙管理委員会からの投票妨害があったということだ。ジョージア州はまた、悪名高き「写真付き身分証明書提示義務」が採用された土地だ。今回の選挙では、そうした投票所での妨害行為を予測した民主党側が、有権者に期日前投票をするよう推奨していた。若いオバマ支持層に対して、全米規模で新規の有権者登録キャンペーンを繰り広げたのも民主党側だ。そんなわけで、11月4日分の投票だけをカウントすれば、大量に追加されたはずのマイノリティ票が集計に含まれていないことが予測される。つまり、それがマケイン勝利という仮集計結果になっているかもしれないのだ。
全ての票が数えられる社会は来るのか
大統領選挙はオバマの勝利。マケインはいち早く敗北を受け入れた。それでオーケー・・・ということで良いのだろうか?アメリカは個人を尊重する国のはずなのに、なぜか選挙となると個別の票集計はいいかげんで、不法な妨害により投票できなかった人たち、郵送投票しても集計されなかった人たち、間違ったデータにより「あなたには選挙権がありませんよ」と選挙当日に宣告された人たちに対しては顧みられることがない。
結局のところアメリカは、普段はそうでないにせよ、決定的に重要な場面において個性や人権が軽視される社会のように思えてならない。政府は金融業界を救済するために7,000億ドル(75兆円)もの公的資金をつぎ込むが、貧困に苦しむ米国民3,730万人には何の融資もしない。腐敗した保険企業には850億ドル与えても、医療保険に加入できない米国民4,570万人には何の救済もしない。イラクは沈静化、アフガニスタンには増派などと戦況ばかりが大局的に報道されるが、ブッシュ政権の提示した戦争の大義という嘘を信じて死んでいった田舎出身の若い兵士たちや、理由もなく虐殺され、巻き添えに殺されたイラク国民たち・・・その1人1人に家族と名前があった人たちの棺から聞こえる無念の声や、墓前に集う人たちの声が、新大統領の演説のように全米にライブ放送されることは決してない。だいいちアメリカ国民は、いったい何人が戦死したのかすら正確には知ることがなく、今後何人が戦死するのかについてすら興味がないといった風情だ。
大統領選挙はアメリカン・アイドルと同じく、放送網にとっては視聴率が稼げる格好のネタだ。しかし、少数派の大統領候補たち・・・ボブ・バー候補(リバタリアン党)や、シンシア・マッキニー候補(全米緑の党)らにカメラが向けられることは全くなかった。バラク・オバマはイラク戦争に反対という立場と「変革」というキャッチフレーズでメディアの脚光を浴びた。メディアはジョン・マケインを評して一匹狼と報道し、アラスカ出身の少々無知な女性をフレッシュ候補として世界に伝えた。しかし、米外交政策に最も大胆な変革を唱え、たった1人で議員人生を戦い抜いた元アラスカ州上院議員が大統領討論会に参加することを、各放送局は全力で阻止したのだ。
そんなわけで、アメリカに真の改革はまだ来ない。しかしそれでも、黒人大統領が誕生したことは充分意義のあることだ。そして、マイク・グラベルという人物を抱えるアメリカという社会を、やはり羨ましく思うのである。
(以下のビデオは、10月8日にフランス・グレノーブル大学でゲストとして講義をするグラベル氏。)