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http://mainichi.jp/select/world/news/20080904ddm007030060000c.html
08年米大統領選:共和党大会 「改革者」ペイリン氏、疑惑のデパート
◇職権乱用や長女の妊娠、再度身辺調査へ
【セントポール(米中西部ミネソタ州)大治朋子】「大胆な選択か、危険な賭けか」。3日の共和党全国大会で同党初の女性副大統領候補に指名されるアラスカ州知事、サラ・ペイリン氏(44)の起用の是非を巡り、議論が沸騰している。ワシントン政治と無縁の「女性改革者」としての期待が高まる一方で、未婚の長女(17)の妊娠騒動や職権乱用疑惑などが次々と表面化。11月本選に影響を与える可能性も指摘されている。
「私は普通のホッケーママ」。8月末、米中西部オハイオ州でペイリン氏が演説すると、会場に笑いがこぼれた。米国では都市郊外に住み、子育てに熱心で選挙にも関心の強い主婦層を「サッカーママ」と呼ぶ。5人の子供を育て知事職などをこなしてきた同氏は、長男(19)のアイスホッケーの試合に足を運ぶ「普通さ」をアピール、主婦層の心をつかもうとしている。
もう一つのセールスポイントは若手「女性改革者」としての新鮮味だ。テレビ局記者を経て、28歳で地元アラスカ州ワシラ市議に当選。96年に無駄遣いを徹底批判する「改革者」として市長に初当選し、06年のアラスカ州知事選で当選した。
「ペイリン知事の改革の使者としての信頼性は、(民主党大統領候補のバラク・)オバマ上院議員(47)に勝る」。米ウォールストリート・ジャーナル紙は社説で称賛した。共和党大統領候補に指名されるジョン・マケイン上院議員(72)はペイリン氏の起用で好調な滑り出しを遂げたかに見えた。
だがその後、長女の妊娠騒動に加え、市長時代に利益誘導型歳出項目(イヤマーク)の予算を確保するためロビイストを雇っていた疑いや、州知事として妹の元夫の州警察官を辞めさせようとした「職権乱用疑惑」などが浮上。ペイリン氏は伝統的価値観に厳格な保守派だけに、未成年で未婚の娘の妊娠は衝撃的だった。イヤマークはマケイン氏が廃止を公約しており、職権乱用疑惑とともに「改革者」としてのペイリン氏の信頼性に疑問を投げつけた。
マケイン陣営はさらなる火種を警戒し、同氏の身辺調査をやり直す事態に発展している。
毎日新聞 2008年9月4日 東京朝刊