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【RPE】ドル崩壊〜世界は2度と元の姿に戻らない
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http://www.mag2.com/m/0000012950.htm
★ドル崩壊〜世界は2度と元の姿に戻らない
「現在の危機は、ドルを国際通貨とする時代の終えんを意味する」
(ジョージ・ソロス 08年1月23日 ダボス会議にて)
全世界のRPE読者の皆さまこんにちは!
いつもありがとうございます。
北野です。
最近は巷でも、「ドル崩壊」が語られるようになってきました。
まあ、RPEの読者さんは4年くらい前から知っていたことですが。
今回は世界がここ10年でどのように変化したのか、豊富な資料と
共にみていくことにしましょう。
▼ユーロは欧州の覇権奪取戦略だった
経済力でも軍事力でもダントツ世界NO1の覇権国家アメリカ。
「いみじく憎し」と考えている人たちがいました。
そう、元覇権国がひしめく欧州の人たち。
「どうすれば田舎者のヤンキーから覇権を取り戻せるかな?」
と考えた。
結論はすぐ出ました。
アメリカは世界最大の財政赤字国・経常赤字国・対外債務国で
ある。
しかし、いっこうに破産しない。
理由は二つある。
1、ドルは基軸通貨(世界通貨・国際通貨)である
2、ドルは還流している
(例、米国債・米国株・米国不動産投資・高金利による資金誘導
等々)
ITバブルがはじけた!不動産バブルがはじけた!
というのは、基本的に2番目の問題。
しかし、基軸通貨ドルをもつことがアメリカ最大の強みであると共
にアキレス腱でもある。
1999年、アメリカがITバブルで浮かれているころ。
欧州では共通通貨「ユーロ」が誕生。
かつて、フランス大統領顧問のジャック・アタリはいいました。
「通貨統合・政治の統一・東欧やトルコへの(EC)拡大。
これらが実現できれば、欧州は21世紀アメリカをしのぐ大国にな
れるだろう」
(つまり、統一欧州がアメリカにかわる覇権国になるであろう。)
▼ドル体制に反逆して殺されたフセイン
とはいえ、当時はユーロが基軸通貨になるなんて誰も考えない。
EU内のローカル通貨で終わる可能性が高かった。
それで、ズル賢いフランスのシラク大統領(当時)はどうしたか?
イラクのフセインを説得して、原油の決済通貨をドルからユーロ
にかえさせた。(2000年11月)
03年、アメリカはわけのわからない理由でイラクを攻撃。
フセイン政権を打倒しました。
昔からの読者さんは皆ご存知ですが、アメリカの公式開戦理由
は大ウソであること、アメリカ自身が認めています。
~~~~~~~
証拠もあります。
↓
<米上院報告書、イラク開戦前の機密情報を全面否定
【ワシントン=貞広貴志】米上院情報特別委員会は8日、イラク戦争の
開戦前に米政府が持っていたフセイン政権の大量破壊兵器計画や、
国際テロ組織アル・カーイダとの関係についての情報を検証した報告
書を発表した。>
(読売新聞) -06年 9月9日」
<報告書は「フセイン政権が(アル・カーイダ指導者)ウサマ・ビンラー
ディンと関係を築こうとした証拠はない」と断定、大量破壊兵器計画
についても、少なくとも1996年以降、存在しなかったと結論付けた。>
(同上)
イラク戦争の主な理由の一つはこれ。
↓
<「イラク開戦の動機は石油」=前FRB議長、回顧録で暴露
07年9月17日15時0分配信 時事通信
【ワシントン17日時事】18年間にわたって世界経済のかじ取りを担った
グリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長(81)が17日刊行
の回顧録で、2003年春の
米軍によるイラク開戦の動機は石油利権だったと暴露し、
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ブッシュ政権を慌てさせている。>
しかし、なんといってもメインは、フセインがドル体制に反逆したこと。
アメリカはフセイン政権を打倒し、イラク原油の決済通貨をユーロから
ドルに戻しています。
↓
<イラクの旧フセイン政権は00年11月に石油取引をドルからユーロ
に転換した。
国連の人道支援「石油と食料の交換」計画もユーロで実施された。
米国は03年のイラク戦争後、石油取引をドルに戻した経過がある>
(毎日新聞 06年4月17日)
▼イラン問題は「通貨問題」
イラクのフセイン政権が滅びた後、一番バッシングにあっているのが
イラン。
皆さん、「イラン問題は核問題」なんて思っていないでしょうね?
イランは核兵器開発計画を停止している。
これ、アメリカ自身が認めているのです。
証拠もあります。
↓
<<イラン核>米が機密報告の一部公表 「脅威」を下方修正
07年12月4日11時34分配信 毎日新聞
【ワシントン笠原敏彦】マコネル米国家情報長官は3日、イラン核開
発に関する最新の 機密報告書「国家情報評価」(NIE)の一部を公
表し、イランが03年秋に核兵器開発計画を停止させた
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
との分析結果を明らかにした。>
こういう情報が出てくるところ、アメリカ上層部の分裂の深刻さを感
じさせます。。
では、なぜアメリカはイランをいじめつづけるのか?
これ、イラクと同じ理由なのです。
↓
<イラン、原油のドル建て決済を中止=通信社
07年12月10日9時31分配信 ロイター
[テヘラン 8日 ロイター] イラン学生通信(ISNA)は8日、ノザリ
石油相の話として、同国が原油のドル建て決済を完全に中止した、
と伝えた。>
▼反逆の機会を待つ「親米」中東産油国
さて、「アメリカはイランをどうするんだろう?」と様子見しているのが、
いわゆる「親米」中東産油国。
もしアメリカがイランを見逃したら、「『湾岸共通通貨』をつくっちゃお
う」と考えている。
サウジアラビア・クウェート・アラブ首長国連邦・オマーン・カタール・
バーレーンがつくる、
「湾岸協力会議」
が「共通通貨」導入を画策している。
<GCC首脳会議声明、2010年の通貨統合目標維持へ=事務局長
07年12月4日18時29分配信 ロイター
[ドーハ 4日 ロイター] 湾岸協力会議(GCC)首脳会議の声
明では、2010年までに通貨統合を達成することへのコミットメント
が維持される見通し。
アブドルラハマン・ビン・ハマド・アティーヤ事務局長が4日明らかにし
た。
同事務局長は、声明の最終案には2010年の目標時期が盛り込ま
れているか、とのロイターの質問に対し「そうだ」と答えた。>
これが実現したらどうなるのでしょう。
アメリカは「ドルで石油を買えなくなる」。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
いや、正確にいうと、一度湾岸共通通貨を買って、それで石油を買う。
これが実現すると、ドルはどこまで下がるのでしょうか?
アメリカがソ連みたくならないことを祈るばかりです。
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RPE北野
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▼いまやユーロは基軸通貨
さて、シラクさんとフセインの野望は阻止されました。
しかし、フセインが作った「ドル離れ」の流れはとまらなかった。
それで、ユーロはどんどん上がり、いまやドルに並ぶ基軸通貨になり
つつあります。
↓
<<ユーロ>現金流通から5年 米ドルを超えた模様
06年12月30日19時46分配信 毎日新聞
【ロンドン藤好陽太郎】欧州単一通貨ユーロの市中での紙幣流通量
が今月、初めて米ドルを超えた模様だ。
ロシアや中東地域などユーロ圏外でも保有する動きが広がっている
ほか、ユーロ高でドル換算した額が膨らんだ。
旧ユーゴスラビア連邦のスロベニアも来月1日から新たにユーロに
加盟し、ユーロ圏は今後も拡大が予想される。
通貨として誕生してから丸8年、現金流通開始から5年。ユーロは国
際通貨としての存在感を強めつつある。>
この情報が出たのが06年末。
サブプライム問題顕在化は半年後。
なんでサブプライム問題が顕在化したかというと、住宅バブルがは
じけたから。
住宅バブルがはじけるってどういうことか。
つまり、住宅価格の上昇が止まった。
何で住宅価格の上昇が止まったのか?
アメリカ住宅・不動産市場への投資が止まったから。
なんでアメリカ不動産市場への投資が止まったの?
もうわかるでしょう。
ドル体制の崩壊と、サブプライム問題は、間接的につながっている
のです。
ちなみに昔からの読者さんは、
「ユーロの基軸通貨化によって、アメリカは没落する」
ということを、数年前から知っていました。
↓
<しかし、時の流れを止めることはできません。
かつてのスペイン、オランダ、大英帝国、ソ連が衰退したように、
アメリカも必然的に没落する運命にあるのです。(中略)
きっかけはやはり、アメリカの信用が徐々に失墜し、ユーロが
基軸通貨の地位を奪うことでしょう。>
(ボロボロになった覇権国家 (05年1月発売)261〜262p
まだ読んでない方は→ http://tinyurl.com/dypky )
▼大政奉還?
さて、アメリカで大統領選挙が盛り上がっています。
誰が勝っても、苦しい道を歩まなければならない。
道は大きく二つあります。
一つは、大政奉還。
わけがわかりませんね。
説明します。
つまり、ドル崩壊を容認するということです。
ドル体制が急に崩壊すると実はみんな困る。
今の世界経済は、
世界がつくり、アメリカが買う
という構造になっている。
ドル体制が崩壊すると、
世界がつくっても、アメリカは買えない
となる。
つまり、世界恐慌になる。
これを回避するためには、
1、世界経済がクラッシュしない程度に、ドルをゆるやかに下げて
いく
2、アメリカにかわる市場として、中国・インドを育てていく
3、世界経済の構造は、
世界がつくり、アメリカが買う
から
世界がつくり、中国・インドが買う
に移行する。
移行期はだいたい10年くらい見ておけばいいでしょう。
これで誰も困りません。
ただアメリカは、「ドル体制の崩壊と共に、ゆっくり没落していく」
つまり、「覇権を手放す」(大政奉還)ことに同意する必要があ
ります。
▼戦争?
もう一つの方法は、イラクのときと同じ。
つまり、反逆しているイランをぶちのめし、原油の決済通貨を
ドルに戻させる。
そして、湾岸協力会議の「共通通貨」導入の野望をストップさ
せる。
私は、アメリカがこっちにいく可能性も高いと思います。
共和党マッケインさんの中東政策はブッシュと同じですから。
オバマさんに負けそうなヒラリーさんも、イスラエルに気にい
られようと、「イラン攻撃」の可能性を公言している。
↓
<イランに大規模報復攻撃=イスラエルに核攻撃なら
−クリントン氏
5月6日1時0分配信 時事通信
【ワシントン5日時事】米大統領選民主党候補指名を目指す
クリントン上院議員は5日、CNNテレビとのインタビューで、イラ
ンがイスラエルに対して核攻撃を実行した場合、米国はイラン
に「大規模な報復」を加えると述べ、大統領に当選した際の対
イラン強硬姿勢を改めて鮮明にした。>
↑
核がないのに「核攻撃できるか?」と思うのですが。
アメリカ人は洗脳されているので、こんな単純なことにも気が
つかないのでしょう。
▼止められない流れ
とはいえ、長期的には「勝負あったな」といわざるをえません。
世界的ドル離れ=アメリカの衰退はとめられない。
ドル離れをプッシュしているのは、イランや中東だけではありません。
これはもう世界的流れ。
1、ロシア
まず、ロシアが原油をルーブルで売ることで反逆しています。
↓
<ルーブル建て原油取引開始 ロシア、影響力強化狙う
【モスクワ9日共同】モスクワの取引所、ロシア取引システム(RTS)で8日、
初のルーブル建てロシア原油の先物取引が始まった。
サウジアラビアに次ぐ世界第2位の産油国であるロシアは、自国通貨建て
の自国産原油市場を創設することで、国際原油市場での影響力強化を図
る狙いだ。>
(共同通信) - 06年6月9日」
メドベージェフ新大統領もプーチンの政策を継続する意志を示している。
↓
<「資源決済ルーブル建てで」
08年2月16日8時2分配信 産経新聞
プーチン・ロシア大統領の後継者、メドベージェフ第1副首相は15日、東
シベリア・クラスノヤルスクで演説し、「(石油、天然ガスなど)資源輸出の
決済をルーブル建てに移行させる必要がある」と述べた。
イタル・タス通信が伝えた。メドベージェフ氏は、豊富な資源輸出を通じて
ルーブルの地位を「地域基軸通貨」に高める考えを強調、「金融界では今、
基軸通貨の役割見直しが進んでいる。
ロシアはこれに乗じて国際金融センターの一つを目指す」と語った。
(モスクワ 遠藤良介)>
アメリカは核をもたないイランを止めることはできますよ。
しかし、民主主義国家連合のEUや地球を破壊しつくせる核を持つロシ
アの反逆を止めることはできないのです。
2、南米共同体
南米12カ国は04年、共同体設立で合意しました。
そして、将来共通通貨を導入することも。
3、東アフリカ共同体
東アフリカ共同体は、2010年までに市場統合、2015年までの共通
通貨導入を目指しています。
ユーロ・ルーブル・湾岸共通通貨・南米共通通貨・東アフリカ共通通
貨。
いくらアメリカでも、これらすべての動きを封じ込めることはできませ
ん。
アメリカはかつてのイギリスがそうであったように、覇権国家から地域
の一大国になる。
これは既に決定事項といえるでしょう。
ちなみにドルは今世紀半ばまでになくなっているかもしれません。
↓
<北米の統一通貨、ある時点で「可能」=カナダ中銀総裁
07年5月22日9時54分配信 ロイター
[シカゴ 21日 ロイター] カナダ銀行(中央銀行)のドッジ総
裁は21日、欧州がユーロを導入したように、ある時点で北米の通
貨を統一することが「可能」との見方を示した。>
北米統一通貨をAMEROといいます。
(おわり)
↓
↓世界情勢の裏側を
●資料つきで全部知りたい欲張りな方はこちら。
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●え”〜中ロ同盟が米幕府を滅ぼす???
仮想敵同士だった中国とロシア。
アメリカの執拗ないじめとカラー革命に激怒したプーチンは、ついに東の
ジャイアントパンダ(中共)と提携することを決意します。
日本人が知らないうちに(悪の?)薩長同盟は成立し、米幕府体制は崩
壊にむかいます。
素人目にもアメリカの覇権後退が明らかになってきました。
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★★オンライン書店ビーケーワン社会・政治・時事部門1位!
★★★大新聞からも絶賛の嵐!
例
●朝日新聞07年11月18日
「ロシアの揺さぶり策から、アメリカの世界戦略に改めて気づくことができ
る本だ」
●産経新聞07年11月27日
「混迷する世界情勢についてユニークな視座を提供する書物が登場した。」
●読売新聞07年12月17日
「「日本は、いわば米国の天領。米国がしっかりしているうちはいいが、
中国やロシアが台頭したらどうなるか・・・。」
憂国の情に根ざしたロシア発の言論活動を今後も続けていく構えだ。」
▼
「中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日-一極主義vs多極主義」(草思社)
(詳細は→ http://tinyurl.com/yro8r7 )
PS2 「あとがき」からお読みください。
【RPE】ドル崩壊〜世界は2度と元の姿に戻らない
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