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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080411-00000012-fsi-bus_all
■タイは売り控え、香港で買いだめトラブル
この1年間で70%近くという国際的なコメ価格の急騰で、アジア各地に混乱が広がっている。ベトナムやカンボジア、インドは国内価格の上昇や供給不足で不満が高まるのを恐れ、輸出の停止や削減を決定。タイも備蓄米の放出など対応を急いでいる。一方、タイやフィリピンなどでは、消費者のまとめ買いを避けるために小売店が販売量を制限し始めており、香港では住民が“買いだめ”に走って小競り合いになる場面もあった。高値を狙っての投機資金もコメ市場に流入しており「コメ騒動」は一段と深刻化しそうな雲行きだ。(河崎真澄)
≪投機資金流入も≫
AP通信によると、国連食糧農業機関(FAO)がコメの主要輸出銘柄からまとめた「全米価指数」は1998〜2000年を「100」として、昨年3月の130から今年3月に216まで約66%も上昇。コメの最大輸出国、タイの代表銘柄タイ・ホワイト・グレードBの場合は、今月初めに1トン=795ドルと昨年12月の2倍以上になった。
FAOでは中国、インドやベトナムなどの主要輸出国がコメ輸出を制限していることが価格急騰原因と指摘している。燃料費高騰で肥料や輸送、脱穀用燃料などのコストが上昇、米価に跳ね返ったほか、米国で小麦などに転作が進んでいることも供給減少の背景にある。相場のつり上げを狙った投機資金の流入が価格上昇に拍車を掛けており、米シカゴのコメ先物相場は史上最高値が続いている。
≪ベトナム輸出制限≫
こうした中で、タイでは価格上昇を見込んだ業者のコメ売り控えや、高値での輸出振り向けが国内の需給バランスを崩している。大手スーパーでは今月初めから相次いでコメの販売を顧客の1家族当たり3袋に制限し、供給不安も広がり始めた。タイ商業省は価格上昇や高値目当ての輸出拡大が続く場合、輸出規制を検討すると表明している。
またタイの一部では農家が「コメ泥棒」横行を警戒し、田んぼや倉庫の見回りを強化しているという。
タイに次ぐコメ輸出国ベトナムは今年初めに寒波に見舞われ、生産に大きな影響が出ている。だが、業者がより多くの利益を得ようとコメを輸出に振り向ける動きも広がり、今年1〜3月のコメ輸出量は約300万トンと昨年同期(約183万トン)を大きく上回った。このためベトナム当局は、国内の食糧確保のためコメの年間輸出量の上限を400万トンと決めて、新規のコメ輸出商談を停止させた。
タイやベトナムから年間約30万トンのコメを輸入している香港ではコメ小売価格が先月、約1週間で30%も上がり、スーパーで袋をまとめ買いする顧客どうしのトラブルなどが起きた。香港当局はタイの在香港総領事館から、コメの安定供給で確約を得たと発表するなど対応に追われている。
フィリピンでも各地で販売制限が広がり、コメを求める消費者が連日、小売店に長い行列を作っている。