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http://blogs.dion.ne.jp/spiraldragon/archives/6931306.html より全文転載。
「らくちんランプ」の管理人スパイラルドラゴンです。今日は、2008年3月15日です。
私のブログでは一貫して、地球温暖化対策と称して生産されている、穀物由来バイオ燃料を批判する記事をアップしていて、つい先日も「やっぱり頓挫した、バイオエタノール・アイランド構想 http://blogs.dion.ne.jp/spiraldragon/archives/6815627.html」をアップしましたが、世界各国のバイオ燃料の生産・流通現場の実態については、殆ど記述していませんでした。
今朝、バイオ燃料の生産・流通現場の実態をまとめたレポートをネット検索した所、ドンピシャリのレポートを発見することができました。
それは、見つけた 犬としあわせというブログの管理人tequilamamaさんがアップした、「NewsContents」のレポートです。http://fair-port.com/tama/No-153.html
tequilamamaさんのレポートを一読して、これは一刻も早く多くの方々に伝えるべき大切なレポートだと思いましたので、本文として全文転載します。
(以下転載)
■バイオ燃料が地球にやさしいというのは大ウソ■
UKインディペンデント紙 by Daniel Howden
世界的なエネルギー革命が進行中である。サンパウロを取り囲む無限に広がるサトウキビ畑の潜在力に注目しているのはブッシュだけではない。経済界はすでに沸き立っており、再生可能な代替エネルギーの発展に巨額の投資を行っている。
世界最大のエネルギー消費国であるアメリカ・テキサスの共和党員らは今年になってようやくエネルギー源を転換しなければならない「不都合な真実」を理解するに至った。そうして政府は2017年までに石油消費量の20%をエタノールに切り替えるという目標を設定した。
エタノール先進国のブラジルではすでにガソリン消費の40%を切り替えている。ブラジルでは1925年よりエタノールを燃料として使用してきており、73年のオイルショック後、当時の軍事独裁政権が輸入する化石燃料への依存を減らそうとエタノールの原料となる砂糖産業に補助金をつぎ込んだ。
だが代替エネルギーを主役とする環境革命には負の側面もある。実際、エタノール産業は途方もない規模で大気と水の汚染に影響を及ぼしており、熱帯雨林の破壊が深刻化しているのだ。
ブラジルの著名な環境問題の専門家ファビオ・フェルドマンは、ブラジルが世界に先駆けてバイオ燃料に切り替えたことが重大な副作用をもたらしてきたと考える。
「ブラジルにはヨーロッパの一国ほどの広さを持つサトウキビ農園があり、単一栽培が生態系を破壊してきている。サンパウロの大農園はまるでサトウキビの海である。収穫するときは畑を焼き払い、それが市街地に深刻な大気汚染をもたらしている」
確かにブラジルの環境問題は深刻だ。だが、本当の悪夢のシナリオを生み出す源はアメリカのエタノール業界にある。
熱帯雨林のブラジルでは畑でサトウキビを栽培してエタノールを精製できる。でもアメリカでは、その原料を多くの人々の食料や家畜の飼料にもなるトウモロコシに頼らなくてはならない。
米国のエコノミストでアースポリシー研究所所長のレスターRブラウンは次のように警鐘を鳴らす。
「クルマに乗り続けたい8億人のドライヴァーと、必死で生きようとしている20億人の最貧困層による穀物の奪い合いが、深刻な問題になりつつある」
結局、問題は、多くのアメリカ人が、そしてヨーロッパ人もそうだが、スイッチを切り替えるだけですむと思っているふしがあることだ。化石燃料からサトウキビやトウモロコシにカチッ。ライフスタイルは変えなくてもいい。
残念なことに、それだけでは不十分なのだ。ブッシュがこだわるレベルまでエタノールを生産するには、森林破壊やらトウモロコシ高騰による食糧問題など、さまざまな障害が生じることになる。
化石燃料からエタノールに切り替えるだけでなしに、燃料そのものの消費を大幅に削減しなければ、人類はジレンマから抜け出すことはできない。
(UKインディペンデント紙の記事より抜粋)
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■ブッシュご執心のエタノール政策は邪悪な発想■UKエコノミスト誌
今年3月末、ブッシュの不健全なエタノール熱に対して、あの病気療養中のカストロがベッドからむっくと起き上がり、批判記事を書いたのは確かに的を得ていた。
カストロは「食物を燃料に変えるという邪悪な発想」に警鐘を鳴らした。
米国は石油燃料への依存を減らすために、トウモロコシを原料にしたエタノールを生産している。そしてその結果、トウモロコシの価格が高騰している。
それにまたトウモロコシの生産に使われる土地を増やしていることから大豆など他の食物の生産が減少し、その価格も上がっている。つまりこういうことだ、
今では食物が米国の飢えたクルマの腹を満たすためのものになっている。
米国政府がエタノールの国内生産を助成する一方で輸入を規制していることから、生産量が年25%の割合で増えている。その結果、中西部のいたるところにエタノールの精製所がまるで雨後のタケノコのようにできている。
今や中西部はみずからのことを「エコなテキサス」(エコ燃料の産地)とみなすまでになっている。
では政府はなぜここまで寛大なのか。それはエタノール政策が広い支持を得られる唯一の代替エネルギーだからだ。
農家は新たな助成金のせいでこれを支持する。タカ派は中東の石油依存を断つきっかけになればと、これを支持する。また自動車業界は燃料を石油からエタノールに切り替えればクルマ自体を地球温暖化問題と切り離すことができると考え、これを支持する。
石油業界にしてもエタノールがガソリン添加剤であるうちはこれまで通りビジネスに支障はないと考え、これを支持する。
そして政治家は政策の実現に助成金を出すことで、こうした業界の有権者たちを喜ばすことができるため、この政策を大いに気に入る。一方、納税者はというと、そのコストを負わされているのが自分たちであることにまるで気づいていないふうなのだ。
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■作るほど儲かる国策「コーンラッシュ」あおりで穀物価格急騰 飢餓人口4億人増えるう予測も エタノール特需に沸く米国の最新事情■
ウオールストリートジャーナル 08 April 2007
ガソリン価格の高騰を受け、代替燃料としての「バイオエタノール」ブームがいま、世界中を席巻している。中でも原料のコーン(トウモロコシ)の世界最大の生産国・米国では、エタノール工場の新設が相次ぐなど、空前の「コーンラッシュ」。その一方、コーン価格の急騰で、世界の食料事情や飢餓問題に深刻な影響の兆しも。米中西部の一大産地、アイオワ州で、ブームの功罪を探った。
エタノールは夢の燃料か
石油の代替燃料として注目を浴びているのがトウモロコシなどを原料とするエタノール。現在米国内で114のエタノール工場が稼働し、80の工場が建設中だ。雇用を増やし、作物や農地の価格を押上げるエタノール工場は地域住民に歓迎されるかと思いきや、建設ラッシュが起きている中西部で反対の声が広まっている。 反対派によれば、エタノール工場は地下水を大量に消費し、安全性にも懸念があるうえ、大気汚染を悪化させ、不快な臭いを発生させるという。
今後10年でガソリン消費20%削減を目標とする米国政府にとって、エタノールは頼みの綱だが、増産するには問題点も多いようだ。
♯お知らせ♯
きままなブログを始めました。よりのんきでよりビジュアルな内容になっています。こちらもごひいきに。
http://tequilamama.blogspot.com/
(転載終わり)
バイオ燃料の生産は、廃油や穀物残渣等のゴミ由来原料から、化石燃料の追加を必要としない発酵プロセスで生産する程度に留めるべきです。
また先日、私が大嫌いな小池百合子衆院議員が、洞爺湖サミットの場で、日本政府が主導してバイオエタノールの開発中止で国際合意を目指すよう主張したそうですが、この件に関しては小池百合子衆院議員を支持します。
参照:小池元防衛相:バイオエタノール、日本主導で開発中止を
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080311k0000m010150000c.html
スパイラルドラゴン拝