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http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=446
ロシア連邦では近年、人権活動家、独立系の組織、メディアの活動や批判的な意見の表明の余地が次第に狭められていると、本日アムネスティ・インターナショナルは述べた。 報告書「制限される自由:ロシア連邦における表現の自由」で、アムネスティ・インターナショナルは、自らの意見を表明し、権利のために立ち上がろうとする人びとに対し、、あいまいな法律が恣意的に適用され、嫌がらせが増加している状況について検証している。 「表現、集会及び結社の自由は、健全な市民社会の要となるものである。ロシアの国家権力は、いわゆる『西側の影響』に対抗する戦略の一環として、これらの権利を押さえつけようとしている。そのことによって、ロシア政府は、何人に対してもこれらの権利を保障するべき国内的及び国際的な責務に違反している」とアムネスティのヨーロッパ・中央アジア部長のニコラ・ダックワースは述べた。 国会議員選挙及び大統領選挙への前哨戦において、集会及び表現の自由に対する締め付けがとりわけ顕著になっている。反政府的なデモを暴力的に解散させる一方、政府系の集会はなんの妨害も受けないということがあった。デモや集会を見守る人権活動家やジャーナリストが法執行当局によって嫌がらせを受けている。 テレビを初め多くのメディアが政府によって統制されている地方においては、自由な報道はますます困難になっている。独自の報道をしようとするジャーナリストたちは、活動を邪魔されたり、脅されたり、ときに訴追をうける危険さえある。たとえば、ラジオの「エコー・モスクヴィ(モスクワの声)」放送局は、過激派的な見解を放送したとの容疑の捜査のために、放送原稿を検察当局に提出するよう繰り返し求められた。 また、アムネスティは、人権派のジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤの殺害を命じた者に対する捜査がいっこうに進展していないことに懸念を示した。 「表現の自由とは、なによりも、反対意見を表明する自由のことである。集会及び結社の自由を含むこの権利に対する絶え間ない攻撃は、社会全体を窒息させてしまう」とニコラ・ダックワース部長は述べた。 「表現の自由がなければ、他の基本的人権はたやすく侵害されてしまう。沈黙は、免責の一番の温床であり、法の支配を蝕む最も効果的な手段である」。 2006年に制定された、煩雑な報告義務を定めたNGOに関する法律は、当局にとって脅威とみなされる団体を攻撃するために使われている。今日、多数のNGOが権力によっておしつけられた事務手続の作業に謀殺されて、本来の事業に専念し、社会により大きな責任を果たすというNGO法の目的を遂行することができない状態に追いやられている。そのほかの法的な措置として、ロシア連邦の2002年制定の過激派対策法、租税法、刑法なども使われている。 そうしたことの結果、公正な選挙の推進と選挙監視員を訓練するNGOである「ゴロス(声)」は、サマラの支部の閉鎖を阻止するための法廷闘争に巻き込まれ、また、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの権利に関する活動家たちのNGO「レインボーハウス」が登録を拒否された。それ以前にも、チェチェン及びロシア連邦の他の地域における人権状況に関する情報を収集し発信していたロシア・チェチェン友好協会が、閉鎖させられている。 「NGOは、その専門知識と社会の各方面への働きかけをもって重要な役割を果たしている。社会全体の今日的な問題への取り組みに貢献する余地を与えるべきである」とダックワース部長は述べた。 アムネスティ・インターナショナルは、ロシア連邦当局に対して、表現の自由、集会及び結社の自由を守ること、及び以下のことを求める。 ・NGO法及び施行規則などの問題点を是正すること ・集会などを規制する法執行当局に集会の自由を尊重するように指示すること ・ジャーナリストが法執行官から恣意的な介入を受けずに自由に仕事ができるように保証すること ・すべての市民活動家、ジャーナリスト、野党政治家などに対する人権侵害の訴えについて、完全かつ迅速で公正な調査を行い、人権侵害に関与したと疑われる者をすべて公正な裁判の国際的な基準を満たす裁判にかけること 以上 編集上の注意: 2008年2月26日 |