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11月25日12時1分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081125-00000058-mailo-hok
◇室蘭市調査で年間収入が9000万円減 「重要な移送・輸送ルート」
東日本フェリー(函館市)の室蘭―青森航路(青蘭航路)が30日、41年の歴史に幕を閉じる。ピーク時には5航路が就航し本州と道内を結ぶ物流の一大拠点だった室蘭港は、これによりフェリー航路ゼロとなる。航路の存在は物流だけでなく関連産業など波及効果も大きく、廃止は地元経済に深刻な影響を及ぼす。室蘭市は近隣自治体や経済界とともに、官民挙げて新たな船会社の誘致を模索しているが前途は極めて厳しい。
【新庄順一】
■必要性アピール
室蘭と本州を結ぶフェリー航路は、67(昭和42)年の青蘭航路が初。その後、大間(青森県)、八戸(同)、大洗(茨城県)、直江津(新潟県)、大畑(青森県)と相次いで開設(休止)され、90年から98年にかけては5航路体制が維持された。しかし、当時の東日本フェリーが会社更生法の適用を申請した03年前後を境に休止が相次ぎ、06年12月以降は青蘭が唯一の航路となっていた。
室蘭市港湾部によると、青蘭航路の年間の乗降車両数と人員数は、1日2便から1便体制となった98年が、それぞれ5万台、9万7000人とピークを記録した。その後は緩やかな減少傾向に入り、03〜07年は車両が4万2068〜3万8866台、旅客が7万6907〜7万1104人で推移している。また、貨物の年間取扱量は07年も279万トンを維持しており、市は「ヒト、モノの流れは一定程度確保している」として航路の必要性をアピールする。
■関連事業十数社
フェリーの就航をめぐっては、接岸の引き船や車止め作業、給油や給水、船内レストランと乗組員のための食料供給、船内やターミナルビルのゴミ収集・運搬など関連事業が多岐にわたり、十数社がかかわっている。このため、室蘭市は東日本フェリーに対し、年間5億3000万円の岸壁使用料を02年度から年間2億円減免し、今年度からは2年間、さらに1億円の支払いを猶予するなど支援を続けてきた。
市の調査によると、青蘭航路休止に伴う関連産業の年間収入の減少分は約9000万円に上る。さらに痛手はフェリー利用者の宿泊、観光や買い物など広範囲に及ぶ見通しだ。「フェリー航路誘致促進期成会」の会長を務める新宮正志市長は「フェリーは周辺農産物、観光客の重要な移送・輸送ルート。物流拠点港としての室蘭港のフェリーがなくなることは、地元経済、港湾振興に与える影響は大きい」と指摘。「フェリー空白」の早期解消を目指している。
11月25日朝刊
最終更新:11月25日12時1分