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産科崩壊は続くよどこまでも。型にはめる天下り役人がいるからな。
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投稿者 memento mori 日時 2008 年 12 月 25 日 11:13:43: 1mvWlnKGcvCrw
 

MMJ2008 11月号から 
産科医療の崩壊 ブログ からコメント付き転載
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続・産科医療補償制度

   産科保障は医師の行政処分につながるのか

Inoue_sennsei         井上 清成 弁護士

 (MMJ November 2008 vol.4 No.11 p956-957)

訴訟誘発の恐れ以外の不安

 前号に引き続き、産科医療補償制度の不安な点を述べたい。前号では、訴訟その他の医療紛争を誘発する恐れがぬぐえないことを考えてみた。それ以外の大きな法的問題としては、産科無過失補償制度での補償金支払いをきっかけとして、行政処分の発動される恐れが強くなったことが挙げられる。
 しかし、産科無過失補償の導入を契機に、行政処分の拡大強化が図られるというのでは、本末転倒といわざるをえない。

2つのパブコメ募集

 2008年9月29日、厚生労働省は、産科医療補償制度に関連して、2つのパブリックコメントの募集を公示した。1つは、産科医療補償に加入していることを広告できるようにするための医療法関連の告示の改正である。そして、もう1つは、医療法施行規則の改正であるが、「医療の実績、結束等に関する事項」として産科医療補償制度に基づく「補償の有無」を、都連府県知事に届け出ることを義務づけるむのであった。
 広告解禁はそれ自体として、産科医療機関の参加を事実上とはいえ強制するものであり、芳しくない。しかし、そのこと以上に問題なのは、無過失補償制度の導入を契機に、厚労省や都連府県庁産科医療機関に対し「脳性まひ医療事故」関連の行政処分をしかねないことであろう。

医療法上の公的制度

 もともと産科医療補償制度は、純粋に民間の制度として議論が始まっている。網羅的な国家の補償制度とせすに、狭く限定された分娩事故に伴う脳性まひだけの補償制度として、それも民間の制度としてスタートしようとする点が、そもそも批判されてはいる。筆者の私見でも、狭く限定された民間制度ではなく、広く網羅的な国家制度として、公平な患者補償をすべきであると思う。しかし、ここでは無過失補償制度としての「そもそも論」はひとまず置く。

 産科医療補償制度には欠点が多い。しかし、純粋な民間の制度としてスタートする限りは、まずは試行してみて改善点を見直していくのも、一理ある考え方だと思う。確かに、たとえば死因究明制度に関する「医療安全調査委員会」創設の構想と比べれば、致命的な欠点はなかった。産科医療補償制度には、刑事事件としての警察への通知はないし、医師法21条の問題はないし、医師の黙秘権侵害の問題もない。そして、厚労雀などによる行政処分の拡大強化という欠点もないはずであった。

 ところが、突然、広告解禁と補償有無届け出という医療法関連事項の改正が新たに加えられようとしている。医療法上の改正には診療報酬上の配慮もあるらしい。ただ、重要なのは、診療報酬うんぬんの問題ではなく、産科医療補償制度が中途半端に医療法上の公的制度として位置づけられかねないということである。
 医療法上の公的制度として位置づけることができるとしたら、脳性麻痺発生と補償支出をきっかけとして、行政庁による調査も行われて行政処分が可能になってしまいかねない。もし現実にそのような事態が起きるとしたら、産科医療補償制度に加入した産科医療機関や医師としては、それでよいのであろうか。

      

隠れた行政処分権限の拡大

 医療法上の公的制度化は、産科医療補償制度によって現に補償がなされた場合に、それが都道府県・厚労省に医療事故情報として情報が入り、行政処分の発動の契機となりかねない。もしそうだとすると、これは新たな医療事故情報収集制度の創設であり、医療安全調査委員会設置と同様の動きであろう。ところが、産科医療補償制度においては、それが純粋に民間の制度と思われていたため、医療安全調査委員会創設のような公開の十分な議論が尽くされていない。
 もしこのまま制度がスタートすれば、後になって「隠れた行政処分権限の拡大強化」という疑念が湧き起こりかねないと思う。したがって、産科医療補償制度が開姶されてしまう前に、早急に制度の詳細を点検し直して、公開の十分な議論をすべきである。

   

  

医療法施行規則の一部を改正する省令案の概要

        厚労省医政局総務課

  

1 改正の趣旨
 産科医療補償制度の創設に伴い、医療を受ける者が病院、診療所又は助産所(以下「病院等」という)の選択を適切に行うことを支援するため、産科医療補償制度への加入状況について、医療機能情報提供制度に係る病院等の管理者の都道府県知事への報告事項に加えるものである。

  
 
2 改正の概要

(1)産科医療補償制度の概要
 産科医療補償制度は、あらかじめ病院等と妊産婦との問で取り交わした補償契約に基づき、病院等が通常の妊娠・分娩にもかかわらず脳性麻痺となった者に対し補償金を支払うものである。
 
(2)医療機能情報提供制度の概要
 医療機能情報提供制度は、病院等の管理者に対し、医療を受ける者が病院等の選択を適切に行うために必要な情報として厚生労働省令で定める事項を当該病院等の所在地の昂道府県知事に届け出るとともに、病院等においても閲覧に供することを義務づけ、また、同条第5項の規定により、都道府県知事に対し、病院等から報告のあった事項を公表することを義務づけるものである。
 
(3)改正の内容の概要
 医療法第6条の3第1項の規定により、病院等の管理者が当該病院等の所在地の都道府県知事に報告しなければならない事項のうち、医療の実績、結束等に関する事項として、「財団法人日本医療機能評価機構が定める産科医療補償制度標準補償約款と同一の産科医療補償約款に基づく補償の有無」を加えるものである。

  
 
3 施行日
 平成21年1月1日から制度施行  

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