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原爆症認定訴訟:国控訴 官房長官発言直後、原告団が怒り /北海道【毎日】
http://mainichi.jp/hokkaido/seikei/news/20081004ddlk01040185000c.html
◇「期待させ地獄に」
被爆から63年。原告が浸ったつかの間の喜びは、わずか10日余りだった。原爆症認定北海道訴訟の原告団と弁護団は3日、4人を原爆症と認めた札幌地裁判決を不服とした国の控訴を受け、札幌市内で会見した。河村建夫官房長官が「(原爆症の集団訴訟は)一挙に解決すべき時にきているのではないか」と発言した直後の控訴に、弁護団の竹中雅史弁護士は「期待を持たせておいて、原告をずどんと地獄に落とした。不誠実極まりない対応だ」と非難した。【芳賀竜也】
広島市の通信学校で兵役に就き、19歳で被爆した柳谷貞一さん(82)は判決で、肝硬変が原爆症と認定された。「本当にうれしかった。これからは原爆の語り部として一生懸命頑張っていこうと思っていたのに」と憤る。生まれ故郷の広島で5歳の時に被爆した藤井節子さん(68)=慢性甲状腺炎=も「原爆のことは思い出したくない中で頑張って裁判をやり、これで楽になれるかなと思った矢先だった。国は本当に許せません」と、ハンカチで涙をぬぐった。
竹中弁護士は「勘繰った言い方をすると、(河村官房長官の発言は)麻生内閣の人気取りのためのアドバルーンだったのかもしれない。内閣を解散できなくなったから引っ込めたのだろう。被爆者の救済を政局に使ったのだとしたらなおさら許せない」と批判する。原告団長の安井晃一さん(84)も「首相の意向を踏まえた官房長官の発言だと思っていたのに。またもや国に裏切られた」と怒りをあらわにした。
舞台は今後、札幌高裁へと移る。既に判決が出た仙台高裁では控訴から1年2カ月、大阪高裁では2年もかかった。北海道訴訟原告の平均年齢は78・4歳。弁護団によると、全国の集団訴訟で既に59人の原告が亡くなっているという。柳谷さんは「ますます健康に気をつけて裁判を闘っていく。原爆がいかに残酷なものかを世に訴えていきたい」と前を向いた。
毎日新聞 2008年10月4日 地方版