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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080606-00000108-mai-pol
後期高齢者医療制度の修正問題で与党は6日、これまで国民健康保険などの保険料未納がない人は、10月から新制度の保険料を年金からの天引きでなく、本人や子の口座から引き落とせるよう改めることを決めた。収入基準などは今後詰めるため、対象者数は不明。また10月から負担が始まる勤め人の扶養家族だった人(約200万人)は、来年3月で切れる保険料の9割軽減措置を当面延長する。
これまで子の扶養を受けていた高齢者は保険料負担がゼロだったが、新制度では扶養の概念をなくし、個人個人に保険料を求めるのが基本。収入増の狙いだけでなく、個々人が社会的責任を果たし給付を受けるという、個人単位の社会保障を理念に掲げたものだ。子が親の保険料を肩代わり可能とする今回の案は、新制度の理念を後退させるものとなる。
日本の社会保障は、扶養に代表されるように、多少の負担の不公平には目をつぶって、家重視の「世帯単位」で設計されてきた。だが、女性の社会進出が進み、扶養される人との不公平感を抱く人が増える中、厚生労働省は「個人単位」にかじを切ろうとしてきた。
04年の年金改革では、扶養を受ける専業主婦に夫の厚生年金を分割する案を示した。将来、すべての人に負担を求める布石だった。結局「夫婦のきずなを断つ」という自民党保守派の反対で離婚時分割にとどまったが、後期高齢者医療制度は個人単位の社会保障を目指す第2弾だった。
修正案について与党は「徴収方法という実務の話」と矮小(わいしょう)化する。しかし、社会保障で誰に負担を求めるかは、家族のあり方、ひいては「国のかたち」にかかわる制度の根本的な問題で、それに目をそむけた場当たり的な修正案と言える。
【吉田啓志】