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http://www.okinawatimes.co.jp/day/200806051300_01.html
新案でも全国2位/低所得者ほど重く
【東京】厚生労働省は四日、後期高齢者医療制度の導入に伴い、市町村運営の国民健康保険(国保)から移行した一千万人強の保険料の変化について、全国調査の結果(速報値)を公表した。都道府県別で保険料が増える世帯数の割合は、沖縄は64%と全国平均31%を大幅に上回り全国最高。自民、公明両党がまとめた負担軽減案を実施した場合でも39%(同平均25%)に達し全国二位だった。
沖縄の割合が高い要因について厚労省は「県内四十一市町村の国保保険料が赤字覚悟で低く設定し、不足分を一般予算から繰り延べていた。(同制度導入で)全県単位で運営すると保険料が全国並みに上昇したため」と説明した。
負担増となった全国の世帯割合を所得別に比べると、年金収入が年百七十七万円未満の「低所得」で39%、百七十七万円―二百九十二万円未満の「中所得」で25%、二百九十二万円以上の「高所得」で22%と、所得が低い世帯ほど保険料負担が増えたと推計。
同省は「所得の低い層は負担減、高い層は負担増の傾向にある」としてきたが実態は異なり、説明が覆った形だ。同省は「三種類ある国保保険料の算定方式のうち、約八割の自治体が採用する一種類の方式で説明してきた」と釈明した。
実態調査は五月中旬、全国の千八百三十市区町村で実施。四形態の世帯類型と三形態の収入区分を組み合わせた十二のモデル世帯の保険料変化に関し自治体の報告を基に推計した。
国保保険料の算定方式の違いで比べると、東京二十三区など大都市部に多い「均等割」と「所得割」を合算した方式の自治体で、負担増となった世帯が49%と顕著に多い。うち世帯の所得別では低所得の78%、中所得の50%で負担増となったのに対し、高所得の負担増は15%にとどまった。
[ことば]
国民健康保険料の算定方式 市区町村が運営する国民健康保険(国保)の保険料(税)算定には、加入者全員に掛かる「均等割」と所得額による「所得割」を合算する方式と、これに世帯に対する「世帯割」を加えた方式、さらに持ち家などに掛かる「資産割」を加える方式の3種類がある。資産割も含めて合算する方式は、小規模な自治体を中心に全市区町村の4分の3超が採用している。
◇ ◇ ◇
弱者直撃 ひずみ露呈/県、軽減措置要望へ
「弱者切り捨ての構図が裏付けられた」。後期高齢者医療制度について、厚生労働省が四日に公表した保険料の調査結果は、「低所得者ほど負担が軽くなる」としてきた国の説明を自ら否定する結果となった。特に県内は、制度導入で負担が増えた世帯の割合が全国でも断トツに高い。県内の関係者は「制度のひずみが強く現れた」と指摘した。
県医務国保課は「県内は国保保険料が低い一方、後期高齢者医療保険料が高く設定されているのが原因では」と分析する。
二〇〇五年度、県内の国保保険料は年間一人当たり五万四千七百円で全国最低(全国平均同八万三百五十円)。理由は、七十四歳以下の一人当たり医療費が年間十八万二千七百円(全国四十五位)と低く、加えて国保会計の赤字を市町村の一般会計からの繰り入れで補ってきたからだ。
しかし、七十五歳以上の医療費は同年度、年間一人当たり九十一万八千八百円(同七位)と跳ね上がる。後期高齢者医療保険料は年間一人当たり六万千八百五円と、他都道府県で同じ所得の保険料と比較すると全国七番目。県内は「両者の保険料の差が最も現れた形」(同課)となり、医療の必要性が特に高い被保険者だけで構成する後期高齢者医療制度の問題が浮き出た。
同課は「九州知事会などを通して、国の責任において保険料軽減の財源措置などを要望していきたい」と述べた。
後期高齢者医療制度に反対してきた県社会保障推進協議会の新垣安男会長は「保険料は二年後さらに上がる可能性があり、与党がいくら負担軽減案を示しても、ごまかしにしかならない」と憤る。
県医師会の宮城信雄会長は「バランスの面では当初から不安だったが、それが的中した。低所得者の負担を窓口負担も含めて一割以内に抑えるなど、思い切った改善が必要だろう」と語った。