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「後期高齢者医療制度」の狙いは団塊の世代(CB医療・介護情報ニュース)
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投稿者 gataro 日時 2008 年 6 月 01 日 15:10:23: KbIx4LOvH6Ccw
 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/16293.html

「後期高齢者医療制度」の狙いは団塊の世代


【特集・第13回】後期高齢者医療制度
大竹進さん(青森県保険医協会副会長)

 今年4月に始まった「後期高齢者医療制度」。国民の反発が強まり、政府・与党が制度の見直しに着手する一方、野党が廃止法案を参院に共同提出するなど、早くも国政を揺るがす問題に発展している。大手マスコミは制度が始まってから盛んに報道しているが、施行前から「廃止して抜本的な見直しが必要」と一貫して主張し続けてきた人がいる。医師で青森県保険医協会副会長の大竹進さんだ。大竹さんに制度の問題点などを尋ねた。(山田利和)

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 −青森県保険医協会では昨年、県民を対象にしたフォーラムを開くなどして、以前から後期高齢者医療制度の問題点を訴えてきましたね。
 制度は2006年6月の通常国会で野党の反対を押し切り、与党が強行採決して成立した経緯があります。75歳以上の人と65−74歳で障害認定を受けている人を別建ての医療保険にするという先進諸国では例がないものでありながら、内容が十分に知らされていませんでした。そういう状況で制度を始めていいのか、また、地域医療の充実につながるのかなどを県民全体で考えていく必要があると思い、「高齢者の医療を考える県民フォーラム」を開いたのです。

 −かなりの反響があったようですね。
 制度の対象者だけでなく、多くの県民が参加してくれました。「戦時、戦後の混乱を支えてきたにもかかわらず、国から“姥(うば)捨て山”に捨てられる感じがする」などの意見が出されましたが、まさしくその通りです。この間、所得税や住民税の減税、国民健康保険料や介護保険料の値上げ、医療費の窓口負担の引き上げなど、国民に負担を押し付ける政策が進められてきましたが、後期高齢者医療制度はその典型の一つと言えます。最近は、高齢者から医療や介護に対する不安や負担増への不満を聞くことが多くなっています。

 −制度について協会のホームページでも取り上げていますが、どのような問題があるのでしょうか。
 大別すると、70歳以上の負担増、終末期医療の見直し、医療から介護への強制的な移行、「総合的に診る医師」の4つを挙げることができます。

 −具体的には、どんな内容ですか。
 まず、70歳以上の負担増については、70歳から74歳までを「前期高齢者」として窓口負担を1割から2割に引き上げる方針ですが、一見大した値上げではないように思えても、実は負担が2倍になります。2倍もの値上げは医療分野以外では普通は考えられないのではないでしょうか。
 次に、終末期医療の見直しですが、後期高齢者医療の在り方に関する厚生労働省の部会で、「一般死とかのたぐいは在宅死が一番いい」という旨の発言がありました。生命の尊厳に対する畏敬(いけい)の念が全く感じられない議論です。厚労省は「看取りの場所」について、介護施設数を現在の2倍に整備し、在宅死が1.5倍に増えた場合でも、入院ベッド数は増やさない方針なので、30年には一年間で47万人の“終末期難民”が出ると予想されます。
 高齢者は若いころから保険料を払い続けてきました。そういう人たちに「医療費を使い過ぎだ」と、国は宣伝しています。制度には、終末期の医療費を削減するために在宅死を進めるという狙いが表れており、まさしく“姥捨て山制度”と言えます。経済的な理由で死に場所を強制することはあってはならないと思います。

 −医療ニーズよりも財政を優先しているのですね。
 そうです。3つ目に挙げた医療から介護への強制的な移行についても、それが顕著です。
 介護保険では、「介護認定」でサービスの間口を狭めることができ、サービスの利用限度額も介護度に応じて上限が設定されています。限度額の上限を超えたときは全額自己負担で、お金がない人は利用できません。介護保険料は年金から天引きされ、保険料を払っているにもかかわらず、手元に現金がないために介護サービスを利用できない人が徐々に増えています。
 医療費のコントロールは困難ですが、介護保険は費用を抑え込むことが可能なのです。ここに狙いがあると思います。実は、医療から介護への誘導は今回が初めてではないのです。その“トップバッター”が06年に導入されたリハビリの日数制限です。これ以降、介護優先で医療に制限が加えられました。加えて、医療の受け皿となる介護保険は崩壊寸前です。社会保障が機能不全を起こしています。

 −では、4つ目の「総合的に診る医師」ということには、どんな問題があるのですか。
 後期高齢者の慢性疾患を総合的・継続的に診る主治医のことです。これに関連して、制度では「後期高齢者診療料」が新設されました。これは「主病」の診療を行っている医療機関が算定する診療報酬です。「主病」とは聞き慣れない言葉ですが、複数の疾患の中から一つだけの主病名に限って診療報酬の算定を認めるというものです。「主病ルール」といいますが、高齢者は高血圧や糖尿病などのほかに変形性膝関節症などを合併することがよくあります。こういう高齢者の特性を無視して、複数の病名の中から「主病」を一つ決めるというのはおかしなことです。
 今までは傷病名が異なっていれば、複数の医療機関で診療報酬を算定することが可能でしたが、制度では「主治医」を1人に限定し、その医療機関だけが診療報酬を算定できる仕組みになりました。しかも、医学管理や検査、処置、画像診断の費用が包括され、月6000円と決められました。これでは、従来の老人医療費と比較するとマイナス27%の低水準になるなど、医療内容の軽視につながります。医療の質を確保できずに“粗診粗療”となって、患者にとってもいいことはありません。

 −先生は、保険料が未納の場合、「資格証」を発行するということも問題視されています。
 これまでの老人保健制度では、75歳以上の高齢者には資格証を発行しないことになっていました。高齢者の場合、医療を受けられないと、すぐに命にかかわる可能性があるからです。しかし、制度では保険料が未納の場合、医療機関の窓口で10割を負担しなければならない資格証が発行されるようになりました。09年4月には、後期高齢者の10人に1人に発行されるのではないかという試算もあります。
 そのような事態になれば、医療や介護サービスも受けられずに人生の最期を迎えなければならない高齢者が続出することになります。

 −解決策については、どのように考えていますか。
 高齢者や障害者を別建ての医療保険にすること自体が「医療崩壊」を表しています。とにかく医療の崩壊を防ぐには、医療費の総枠の拡大が欠かせません。
 神奈川県の開業医を中心に、重い窓口負担をゼロにする運動も始まっています。リハビリの日数制限の問題では、全国から約48万人の反対署名が集まるなど国民の反発が強まり、厚労省が不十分ながらも日数制限を見直したことがあります。「Power to the People!」です。国民が立ち上がれば、誤った制度は変更できるのです。
 制度は現在の後期高齢者にとっても大問題ですが、実は25年に後期高齢者となる団塊の世代をターゲットにしたものです。今後、爆発的に需要が高まる医療や介護について、そのための支出を今から抑え込む仕組みをつくったわけです。
 このような狙いと制度の問題点を把握し、「姥捨て山行きの電車」から降りて、高齢者に優しい安心できるシステム行きの電車に乗り換えなければなりません。制度を廃止し、高齢者医療について抜本的に見直すための活動を続けていきたいと考えています。


 

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