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健康保険から給付される医療のうち、一定の金額までは医療保険の適用を免除して全額を患者の自己負担とする「保険免責制」の導入を、財務相の諮問機関「財政制度等審議会」(西室泰三会長)が検討している。仮に1000円の保険免責制が導入されると、患者の自己負担が現行の3割から4.1割に跳ね上がるため、日本医師会などが「公的医療保険が崩壊する」と反対している。
日医などによると、医療制度の改革が議題となった4月25日の財政審では、保険免責制の導入について、2009年度予算編成に向けた建議(意見書)の取りまとめに向けた議論の中で検討するという意向が示された。
外来一人当たりの医療費と患者負担は、06年には一般の医療費が平均で6413円、老人(現在は後期高齢者)が7230円。患者負担は、一般が3割で1920円、老人が1割で720円だった。
免責額が1000円の場合には、医療費が1000円までは保険が適用されず、全額が自己負担に。そして、1000円を超える部分について、その超過額の3割が患者負担となる。
仮に1000円の免責制が導入されると、06年時点の6413円の一般医療費のうち、1000円が免責となり、残りの医療費5413円の3割(1620円)が患者負担となる。このため、免責額の1000円と3割負担分の1620円の計2620円が患者負担となり、医療費全体の4.1割を占めることになる。
これを老人医療費に当てはめると、06年の負担額720円は1620円となり、現行1割の2倍以上の2.2割の負担となる。
日医は「保険免責制は、保険の給付範囲を狭め、医療の格差を助長する」と指摘。「国の財政や経済界には、メリットをもたらすかもしれないが、将来は、疾病の重篤化を招き、公的医療保険の崩壊につながる恐れもある」と反対している。
また、全国保険医団体連合会なども「保険免責制が導入されれば、受診頻度が高い患者ほど負担が重くなる。保険証1枚でかかれる公的医療を縮小させて、保険がきかない医療を拡大することだ。国民皆保険制度を根底から崩すものであり、絶対に認められない」と批判している。
2008/05/16 16:04 キャリアブレイン
「保険免責」1000円で医療費負担4割に(医療・介護情報CBニュース)
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/16065.html