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「問題は後期高齢者医療制度」
ということで、さっそく自民党と公明党は、見直しをする与党プロジェクトチームを立ち上げることになった。
一方の民主党は、「後期高齢者医療制度廃止法案」を提出の構え。
もっとも町村信孝官房長官のように、
「いろいろ批判はいただいているが、制度そのものは国民に堂々と説明できるものだ。民主党が主張する制度廃止は何の代替案もなく単に制度を廃止するのは次世代へのつけ回しにすぎない」(5月10日 札幌市内での講演)
として、抜本見直しの必要はないといっているひとも。
与党自民党にきいてみよう、
「山口補選をみてもわかるし、間近の世論調査でもわかるように、内閣支持率の低下もさることながら、政党支持率で自民党と民主党が逆転した。これは、あきらかに、老人切り捨て法案である後期高齢者医療制度が国民に理解されていないというか、反発をうけている。
厚生族を中心に、『説明不足、準備不足』をいう声もあるが、そんな事態ではない。堀内光雄元総務会長は10日に福田総理に見直しを進言した。タイミングは年金からの2回目の保険料が天引きされる6月13日までになんらかの具体策を提案しないとならない」(自民党国対関係者)
ということで、
「後期高齢者医療制度について改善する勉強を始めている。6月末ぐらいまでに研究し、正すべきところは正していかないといけない」(自民党の大島理森国会対策委員長)
「一回検討しようということに与党の間ではなっている。6月をめどに結論を出したい」(公明党の漆原良夫国対委員長)
どうやら与党の考えている見直し案は、野党の求めている制度そのものの廃止ではなくて、運用面での改善の模様。
「低所得者の保険料の低減。被扶養者の負担軽減で、法改正にはならない」(厚労省幹部)となりそうだ。
ところで、この悪評ぷんぷんの後期高齢者医療制度だが、アンチョコともいわれている一冊の本に注目があつまっている。
こちらもアマゾンから一冊注文したばかり。
その本はこれ、↓ ↓ ↓ ↓
高齢者の医療の確保に関する法律の解説
高齢者の医療の確保に関する法律の解説―付・高齢者の医療の確保に関する法律
この筆者が厚労省の役人である土佐和男氏・高齢者医療制度施行準備室室長補佐。後期高齢者医療制度のバイブルとされていて、自治体の担当者向けに書かれた解説書である。
この著作のなかで土佐氏はこう書いている。
「後期高齢者の診療報酬体系の必要性」
四月からの診療報酬(医療の値段)で、七十五歳以上だけ別建ての終末期医療の診療報酬体系を新設した理由を、「年齢別に見ると、一番医療費がかかっているのが後期高齢者」「この部分の医療費を適正化していかなければならない」。
特に終末期医療の問題を挙げ、延命を求めることが医療費膨張の原因でありと指摘している。
そして、「家族の感情から発生した医療費」を「抑制する仕組みを検討するのが終末期医療の評価の問題である」として、後期高齢者の新たな診療報酬体系の意図が、「延命治療」の制限にあると力説。
その部分を抜粋してみよう。
「後期高齢者が亡くなりそうになり、家族が1時間も、1分でも生かして要望として、いろいろな治療がされる。それが、かさむと500万円とか1000万円の金額になってしまう。家族の感情から発生した医療費をあまねく若人が支援金として負担しなければならないということになると、若人の負担の意欲が薄らぐ可能性がある。それを抑制する仕組みを検討するのが終末期医療制度の評価の問題である」
うん?なんだ?
後期高齢者医療制度の本当の狙いは、「延命治療」の制限
ということか?
年金からの天引きの理由については、
「確実に保険料を徴収し、財政安定を図る必要から、年金天引きを実施する必要がある」
「ミスター後期高齢」といわれている土佐和男氏の著作の内容だが、なんといってもおもしろいのは、土佐氏の経歴である。
昭和28年生まれ、中央大学法学部卒業、杉並区役所入庁、国民健康保険課長、高齢者施策課長を経て、厚労省にスカウト入省。現在、厚労省国民健康保険課課長補佐、老人医療企画室室長補佐、高齢者医療制度施行準備室室長補佐。
取材している現場の記者さんに解説してもらおう。
「日本を震撼させた後期高齢者医療制度が、厚労省のキャリア官僚からでなくて、こういっては失礼ですが、一介の課長補佐の土佐氏によってまとめられたとみることができますが、問題は、土佐氏でありませんよ。今、土佐氏が表沙汰にされていますが、その背後には、キャリア官僚と、医師会の思惑がある。むしろ、土佐氏は、正直にまとめただけです。いってみれば、厚労省の噛ませ犬の役割をさせられている」
というのだ。
「土佐さんは、中央大学を卒業後、東京都杉並区役所にはいります。ここで、国民健康保険課に配属される。課長時代の2003年6月に、若者からの保険料収納アップの方法として、コンビニエンスストアで保険料を納める制度を全国ではじめて導入しました。大変なアイデアマンです。これが、のちのちに中央官庁の厚労省に注目されることになります。
また、杉並区の経済活性化のために、NPO法人『ベンチャーネットワーク・ジャパン』を2000年10月に立ち上げています。土佐さんは初代理事長で、現在は名誉顧問です。
こうした土佐さんをスカウトしたのが、厚労省です。
2004年10月に杉並区役所を退職して厚労省の国民健康保険課の課長補佐に就任。杉並区役所から、中央官庁の厚労省への栄転ですから、まさに二階級昇進です」
さて、この土佐氏だが、現在、後期高齢者医療制度の戦犯としてやり玉にあげ られている。その要因のひとつが、土佐氏が今年の1月18日に、石川県で講演した内容にある。この講演内容は、石川県社会保障推進協議会の寺越博之氏によって、レポートされた。
そのレポート内容は以下に収録されている。
石川県後期高齢者医療広域連合主催「後期高齢者医療フォーラム」開催〜土佐和男氏 (厚労省国民健康保険課課長補佐)の講演の概要と問題点について(石川県社保協からの情報)
さて土佐氏だが、これは、どう考えても「厚労省の鉄砲玉」もしくは「厚労省のスケープゴート」にされているのでないか?
「世界に類のみない75歳以上を対象にした独立型の保険である後期高齢者医療制度は、小泉内閣の時代にできたものです。これを推進した中心人物は丹羽雄哉元厚相。そして医師会です。
医師会が2000年8月にまとめた『2015年医療のグランドデザイン』というのがあります。これは、インターネットでダウンロードできますので、ぜひ見て欲しいのですが、このなかで『高齢者医療制度の概要』というのがあって、いってみれば今回の制度の骨子がすでにまとめられています」
『2015年医療のグランドデザイン』は必見。http://www.med.or.jp/nichikara/gd/index.html
しかし、肝心の推進役だった全国各地の医師会は、いま、この制度に反旗を翻している。
後期高齢医療制度、まだまだ、狸もいれば、狐もいる模様。http://officematsunaga.livedoor.biz/archives/50642538.html
何のことはない、元々は医師会が作った計画書なのですね。