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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080504-00000009-gen-ent
「運用に当たってどのような問題が生じているか集中的に点検する」――。補選敗退で福田首相が“姥捨て医療制度″に右往左往だ。6月の次回天引きまでに問題点をあぶり出すそうだが、後の祭り。この制度、貧乏な老人が金持ち老人の医療費を支えるムチャクチャな制度なのだ。
許せないのは、舛添厚労相の無責任発言だ。30日の会見で、75歳以上が加入していた国民健康保険などの保険料と、新制度の保険料とを比較した負担の増減について、「各自治体でどうなっているか、全体像をつかみたい」と言ってのけた。15日の閣僚懇談会で「7、8割の人は保険料が下がる」と発言したのは、根拠ナシの大ウソだったわけだ。実際、保険料負担が増している老人は多い。
深刻なのは、低・中所得者層の負担増だ。練馬区の池尻成二区議の調査によると、同区内の平均保険料は年10万円を超え、特に所得280万円以下の層で負担が急増。なかには負担が2倍となった年金生活者もいるという。
対照的に富裕層の保険料は優遇されている。
「新制度の保険料の上限は年間50万円。国保の負担上限56万円から6万円のダウンです。東京都の場合、所得が705万円を上回れば、いくら稼いでも保険料は据え置き。上限が60万円を超える『被用者保険』(社会保険)に加入していた高齢者なら、軽減幅はさらに増す。職域の差はありますが、ザッと20万円近い負担減となります」(厚労省関係者)
●石原都知事もウハウハ組
石原慎太郎都知事(75)も、恩恵を受けるひとりだ。06年の所得は3985万円。就任以降、著書の印税収入など知事報酬以外の所得が1億円を超える年もあった。
本人は「私も該当者のひとり。該当する方々が不満を抱えるのはむべなるかなという気がする」と調子のイイことを言っていたが、この金満家に貧乏老人の気持ちなぞ分かるはずがない。
「練馬区では、わずか3.6%の高額所得の老人が75歳以上の所得総計の6割を占めていますが、彼らの保険料負担は全体の30%以下です。新制度は逆進性の強い保険料負担となっており、高齢者に広がる『格差』をますます助長させるだけです」(前出の池尻区議)
この期に及んで福田は「骨格や考え方は必ずしも悪いわけではない」と言っていた。高齢者の気持ちが分からない老人首相は、モウロクしているとしか思えない。