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http://www.nnn.co.jp/news/080415/20080415001.html から転載。
後期高齢者診療料 県西部医師会が拒否呼び掛け
七十五歳以上を対象に四月から始まった後期高齢者医療制度(長寿医療制度)で、外来の診療報酬に導入された「後期高齢者診療料」について、鳥取県西部医師会(魚谷純会長、四百九十六人)は「高齢者にとっても良い仕組みとは考えられない」と批判し、同診療料を算定しないよう呼び掛ける文書を十四日までに会員に送った。同制度に伴う外来診療の新しい仕組みに、医療現場から拒否反応が起きた格好だ。
後期高齢者診療料は、患者の選ぶ「高齢者担当医」が患者を総合的に診て、糖尿病や高血圧などの慢性疾患を継続的に管理する仕組み。複数疾患の場合、「主病」を診療する医療機関が患者の同意を得て算定できる。
同診療料は医学管理、検査、画像診断、処置を包括して月六千円の定額制。患者の同意を得て定額制をとるか、診療内容に応じた従来の出来高払いをとるか医療機関が選ぶ。
同診療料の仕組みに対し医療関係者の間で「算定できる医療機関が限定されるため、患者の“囲い込み”が起こりかねない」などの懸念が噴出し、全国各地の医師会で反発の動きもある。
県西部のある開業医も「複数の医療機関を受診している患者は、どの機関を担当医として選べばよいのか困るだろう」と懸念、患者と医師の信頼関係を損なうことを危惧(きぐ)する。
また、診療報酬の算定では「厳しい算定条件があり、医療機関には無言の圧力。患者に必要な検査や治療を提供できなくなる恐れがある」と、消極的な医療につながりかねないとの懸念も示す。
西部医師会は三月下旬の理事会で、後期高齢者診療料について「患者が医療機関に自由にアクセスするのを阻害する」−などの見解をまとめた。
魚谷会長は「私たちは現在でも高齢者の方々をきちんと総合的に診ていると自負している。高齢者にとってほんとうに良いことなのか疑念があり、この仕組みには慎重に対処する必要があると考えている」と話している。