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昔からの諺に、「盗人にも三分の理」というのがあるが、最近、このような屁理屈を振り回して、自分の価値観を疑おうとしない人が増えているような気がする。
Ｋも大きな事は言えない口ではあるが、それでも、迷った時には「感情に走らず、理に走るようにしている。」
多様化する価値観の中、不十分で未熟な自分の価値観が、別の価値観と対立したら、まずは相手の「理」を聞いてみる。
その上で、相手の「価値観・思想」ではなく「理」に正当性があるのなら、自分の「理」との比較において、相手が優ると思えば、Ｋはアッサリと引き下がる。
しかし、自分の価値観に拘泥し、相手の「理」には盲目的に拒否反応しか示そうとしない人が存在する。
「盗人にも三部の理」の諺のごとく、言葉遊びのような屁理屈は「言う気になれば、いくらでも作り出せる」ので、こうなると、永遠の平行線になってしまう。
たとえ、平行線であっても、互いが、それまでの議論を土台にして、その上に積み上がろうとする「解釈の深化」をしていくような議論であれば、それはそれなりに有意義である。
仮に、感情論に根ざした「自分の価値観に基づく意見」であったとしても、そのような「見方」があるという意見の提示であり、それが、相手の盲点になっていると推理される「今までの議論では出ていない視点」であれば、その視点を検討する必要性はある。
Ｋは迷った時は「理」に走るが、Ｋの理が、必ずしも「相手の感情論」より優れているということはない。
Ｋは自分の感情論を「頼りにならない感覚」と切り捨て気味であるが、他人の感覚は「超能力に近い正確さ」を有している可能性も否定はしない。
議論が双方の認識・知識が深まる方向で積み上がっていくという種類の物なら、平行線に見えようが、永遠の水掛け論に見えようが、そんなことは問題ではなく、「新しい視点が提示されている限りは有意義」だと考える。
しかし、新しい視点の提示のない、自分の感情論に根ざした「単にくどいだけの強弁」しかしない人がいる。
このような人には「道理」も「議論の意味」も「憲法の意味」も「公平の意味」も「自由の意味」も、さらには「日本語そのものの意味」も、すべて、自分の価値観によって「固定化」されてしまうのである。
これは、相手にとって見れば「何一つ理解できていない、驚異の馬鹿」であり「信じられないような、恥をまきちらして歩いている妖怪」のような存在に見えても仕方がないことになるのだが、相手は、何を書いても、「屁理屈にもならないような、自分の価値観の強弁を繰り返すだけ」で、こちらの言葉の意味を考えようともしなければ、そもそも、それを解釈するだけの知能もなく、まともな反論もできないのに、そのことに気付きもせず、論破された議論の下積みに埋もれたはずの視点の提示を再提出してくるという厚顔無恥の人外魔境」である。
さらに極めつけは、自分の自由は「他人の不幸」に優先されると主張し、自分の贔屓する人の自由は、他人の失業・餓死の危険性に優先すると「あきれかえって、頭に来るほど、繰り返し、繰り返し、繰り返し、強弁しながら」
そんなことで怒るのは「怒る方が悪い」くらいの「自分の価値観の強弁」をするのだ。
「いじめを認定するのは、いじめた方ではなく、いじめられた方」という大原則は有名だが、「自分の評価は自分がするのではなく、他人がするもの」ということは、以前にもＫは書いていが、そんなことはおかまいなしである。
このような手合いは「自分もしくは自分の好きな者が人に与えた被害は過小評価」しながら「自分の嫌いなものがした行為には厳しい」
簡単に言えば贔屓が激しく、公平性の欠片もない。
全ては、自分の価値観を基準にして、その場その場で、統一性のないご都合主義の「判断」をするのだろう。
気分次第で、「そんなことはたいしたことない」と「それは重要なことだ」が、変化するのだ。
それを、決め、判断するのが「自分がするのが妥当か？」というような常識も何も関係はない。
社会常識より「自分の価値観の方が優先される」と、自分で勝手に決め付けているのだから始末に負えない。
人類は、発生してから、色々なものに価値観の依存をしてきた。
権力の決めたこと・宗教観・賢人の言葉・思想・法律・社会的常識・・・
多分は、以前から、多少の存在はあったのだろうが、今後は、自分の価値観への盲信者は増大するのだろう。
たった、数十年くらいの人生経験によって形成された、自分の価値観を疑おうとしない「自分信者」である。
その存在の前では、社会的常識たる共通認識も、理論に裏付けられた確率論も、経験則に基づいた予測も、論理考証の上に成り立つ推論も、全く意味をなさなくなるのである。
全てに「個人が達した価値観が優先」され、その幼稚な考えを、人様に伝染させ、まき散らすのも「自由」なのだそうで、それに異を唱えれば「それが悪い」と主張して、憚らず、恥を知らないから、「幼稚で、みっともない、主張」を恥は思わず、知能が足らないから「その主張が、幼稚でみっともない」ということすら、分からないのである。
これ、人類史上最悪の病原体であり、広がる伝染性の汚染物質とも言えるべき存在である。
昨年はモンスターペアレント・モンスターファミリーとかが話題になったが、今年は、「モンスター馬鹿」が社会問題化するのではないだろうか？
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