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(回答先: Re: 皆さんはホームレスをしたことがないのですか?幸せな人生を送っていらっしゃるんだなぁ! 投稿者 gataro 日時 2008 年 2 月 04 日 09:31:35)
gataroさん、こんにちは、横レスにて失礼します。
精霊は不滅さんには割り込みになりましたことをお詫びいたします。
さて、ホームレスについて想うとその度に胸が締めつけられるのを感じます。それは私に苦い経験があるからなのですが、心のシミとなったまま半世紀以上も経っても尚、なかなか拭うことができずにいます。
50年代の初めの頃、私が通っていた地方の県庁所在地にある小学校には性別・年齢共に不明の二人の “お乞食さん”が代わる代わるやって来て、いつも遠慮がちに校庭の片隅から学童等が戯れている様子を眺めていました。
別に自分達に悪さをするのでもない彼等をまるで汚らわしい存在として忌み嫌うかの如く、まだ幼かった私と仲間達は棒切れをもって先を争うかのように追いかけ、或いは石を投げて追い立てました。なぜそんなことをしたのか今でもよく分かりません。けれども、言い知れぬ後味の悪さが心に重く引っ掛かったのも事実です。二人ともけっして私達を威嚇することはありませんでしたし、決まって済まなそうな後ろ姿を残しながら校庭から出て行き、暫くするとまたやって来ました。
ところで、父は47年にシベリアから帰還し、間もなく結婚し私が生まれたのですが、二つの家族を抱え生活には難儀していた模様です。そんな苦労話を終ぞ訊くこともないまま、既に父は鬼籍に入ってしまっています。
敗戦で戦地から帰還して来た兵士達にとって戦後は殆ど一線のスタートでしたが、内地勤務の軍人・兵士達の場合はそれよりもかなり先行していて、その多くが戦後復興の波に乗ることが出来たのでした。しかし、そんな世情からも忘れ去れ、戦前も戦後も時代から置き去りにされたままの人達が存在したのです。
その後、彼等がどのように復活していったのか分かりませんし、本当に復活し得たのかも定かではありません。東京オリンピックを前にし経済が活況を呈し始めた60年を過ぎる頃には、地方都市の明け方ちかくの歓楽街をさまよい歩いている人達を見かけることは少なくなっていきました。
ここ東京に棲んでから河川敷に遊んだ折に何人かのホームレスの方と知り合いになりましたが、人々は一様に闊達でピュアな面と寡黙で歪んだ面とを持っていたことが印象的でした。私は現代のホームレスの実情について具に知っているわけではありません。けれども、 “無職”であることよりも“住所不定”がより問題視される日本社会では、当然の如く賃貸契約にあたっては保証人が必要とされますが、自治体がその任を引き受けることで問題の最初の段階は殆どクリアできるのではないかと想うのです。
また、会いましょう。