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【言論弾圧に加担する司法ファシズムの脅威】「出版社社長に賠償責任」判決 「ついにここまできたか」
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http://www.j-cast.com/tv/2009/02/05035438.html
「出版社社長に賠償責任」判決 「ついにここまできたか」
2009/2/ 5
今週、別の記事で取り上げた週刊新潮の朝日新聞襲撃もの以外のお奨めは、朝日の「松本サリン事件 河野義行氏と元オウム信者 交流900日」。松本サリン事件でサリン噴霧車の製造にかかわって懲役10年の刑に服した藤永孝三元信者と、一時、犯人と疑われた河野さんとの心温まるドキュメンタリー。河野さんの妻はサリンによって植物人間にされ、昨2008年夏に、意識が戻らないまま亡くなってしまった。
妻を「殺した」人間を心から許せるのか。2人のくつろいだ写真を見ながら考えさせられる。
次は裁判の話題だ。大相撲元横綱の貴乃花親方=本名・花田光司=と妻景子さんが、週刊新潮の記事で名誉を傷付けられたとして新潮社や佐藤隆信社長らに3750万円の賠償を求めた訴訟で、東京地裁は2月4日、375万円の支払いと謝罪広告の掲載を命じた。ここまではいい。しかし、松本光一郎裁判長は「名誉棄損を防ぐ社内体制が整備されていない」として、社長個人の賠償責任も認める「異例の判断」を示したのだ。「しばしば名誉棄損が問題になる出版社の代表取締役は、有効な防止対策を講じるのが必須の任務だ」と指摘した。ついにここまできたかの感がある。
出版社の社長は、自社の週刊誌のやることに逐一介入して、名誉毀損やプライバシー侵害などしないよう見張れというのだ。近いうちに、名誉毀損裁判で、出版社社長が法廷に引っ張り出される日が来る。様々な規制法で編集部は萎縮し、部数減で会社側の顔色をうかがいながら雑誌をつくっている編集部を、さらに自主規制させ、萎縮させる重大で不当な判決である。これはいち新潮社だけのことではない。すべての出版社、こうしたことに鈍感な新聞社も、一致団結して異議を申し立てるべきだ。
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元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。
【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)ほか
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