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2009.01.23 ブッシュの悪霊を振り払えぬNHK
オバマ氏は「テロとの戦い」と言わなかった
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-635.html
坂井定雄 (中東ジャーナリスト)
日本時間22日朝。7時のNHKニュースのトップ。
オバマ新大統領の初仕事の報道。“オバマ新大統領は、さっそく「テロとの戦いと経済対策」について政権幹部との検討を開始しました・・・”
NHKのオバマ就任報道はとても意欲的で、見続けたが、いつまでブッシュの「テロとの戦い」に取り付かれているのか。呆れた。東京のニュース・エディターが「変化」に鈍いのだろうか。
オバマ氏は就任演説で、ブッシュ政権の名前こそ出さなかったが、一貫して厳しく批判している。表現上でも「テロ」とか「テロとの戦い」「対テロ戦争」など、ブッシュのキャッチ用語を一回も使わず、具体的にイラクからの撤退と「アフガニスタンでの平和構築」と名称を挙げて述べている。
「我が国は暴力と憎悪の大規模なネットワークに対する戦争状態にある」(朝日新聞訳)と述べたが、それは現状認識であり、国民の恐怖と憎悪を煽るための言葉ではない。「テロ」「テロとの戦い」という用語こそ、ブッシュ政権がアメリカ国民と世界を、悲惨な戦争に引きずりこんでいった、最も重要なツールだったことを、オバマ氏はもちろん意識しているのだ。
その「変化」を理解できず、最初の仕事を“テロとの戦いと経済政策”とトップで報道するNHKに、“いつまでブッシュ政権の悪霊にとりつかれているんだ”と言いたいね。
ちなみにBBCは「Obama pledges “era of openness”」(オバマ、“開示の時代”を約束)の見出しで、オバマはまず政府の倫理と透明性の実施を指示した上、「補佐官たちと経済危機およびイラクとアフガニスタンでの戦争について討議した」と報道している。
ついでに朝日新聞22日の論説。全体として同感したが、ブッシュ政権時代に使い古した表現、あるいは筆者の認識を ぜひ厳密に検討し直してほしいところがある。
それは「ブッシュ政権が敵視してきた独裁政権などにも、手をさしのべる用意があると表明した。北朝鮮やイラン、キューバなどが念頭にあるのだろう。『握りこぶしを開くなら』という条件がついた。核開発やテロ支援をはじめ、国際社会のルールを無視し、地域の緊張をいたずらに高めるような姿勢を変えよということだ」という部分。
勝手に「念頭にあるのだろう」などと想像しない方がいい。イランやキューバがいつ、どこで、どんなテロ支援をやったのか。米国政府が国際テロ組織に指定しているパレスチナのハマスやレバノンのヒズボラ(政権参加政党)を、イランが支援しているからなのか。
オバマ氏は「今日、私たちは長らく我が国の政治の首をしめてきた、狭量な不満や口約束、非難や古びた教義を終わらせると宣言する」と就任演説で述べているじゃないか。
ブッシュのイラク戦争をはじめから支持した、読売や産経がはたして「古びた教義」を捨てるかどうかわからないが、せめてNHKや朝日は、しっかりアメリカの「変化」を受け止めてもらいたい、と思う。
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