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BPOの「ETV2001」改変事件「審議入り」決定について=放送を語る会(JCJ)
http://www.asyura2.com/08/hihyo8/msg/595.html
投稿者 ダイナモ 日時 2009 年 1 月 20 日 21:00:03: mY9T/8MdR98ug
 

http://jcj-daily.seesaa.net/article/112893690.html#more

 すでに報道されているように、NHKと民間放送連盟が設立した第三者機関「放送倫理・番組向上機構」(BPO)の放送倫理検証委員会が、1月9日の定例会議で、NHK「ETV2001」改変事件について「審議」に入ることを決定しました。
 昨年9月、NHK職員とOBの有志が、事件の真相究明を求めて、放送倫理検証委員会(以下「検証委員会」という)に申し入れを行い、続いて10月には、放送を語る会の呼びかけで、市民・各分野の研究者・ジャーナリストの方々を賛同者とした同様の要請を検証委員会に対して行いました。

 これは同月、当会が「NHK裁判は終わらない」というタイトルで開催した第19回「放送を語る集い」の会場で提案した行動でした。
今回の「審議入り」は、これらの要請・申し入れを踏まえ決定されたものです。報道では、同委員会の川端和治(よしはる)委員長が「改変経過がNHKの自立性に疑問を持たせ、放送倫理上問題があるという認識で一致した」と語ったと伝えられています。

 検証委員会の規程では、委員会で取り扱うケースとして、「審議」と「審理」を分けています。「審議」は、「放送倫理を高め、番組の質を向上させるため、取材、制作のあり方や番組内容などに関する問題について審議する」というもので、事例について調査し、見解を公表できるとしています。
「審理」は、「虚偽の疑いがある番組の放送について、放送倫理上問題があったか否かの審理を行なう」というもので、特別調査委員会を設置して集中的に調査することや、当該放送事業者に、検証委員会の「見解」「勧告」などの内容を放送するよう求めたり、再発防止策を提出させることができるなど、より強制力の強い措置が可能です。

 昨年10月の市民からの申し入れは、この強制力のある「審理」を求めるものでしたが、今回は「審理」までには至らず、「審議」の対象とする決定となりました。
しかしいま、事件発生から8年が経過し、この番組をめぐる裁判も昨年6月の最高裁判決で終結しました。未解明の事実が多く残されたまま事件の幕引きが行なわれようとしている現在、再びこの問題が公式に取り上げられ、放送事業者の第三者機関が調査し「見解」を公表する見通しが生まれたことは、大きな意義があるものと考えます。
 放送を語る会は、この決定を歓迎し、今後の検証委員会の審議によって、事件の放送倫理上の問題が解明されることを強く期待するものです。

 2007年1月、第二審の東京高裁判決は、番組、「ETV2001・戦争をどう裁くか・問われる戦時性暴力」の編集過程を、「NHK幹部が国会議員の発言を重く受け止め、その意図を忖度(そんたく)してできるだけ当たり障りのないような番組にするために改編した」と認定し、このような行為は「憲法で尊重され保障された編集の権限を濫用し、又は逸脱したものと言わざるを得ない」と批判しました。
これに対し、NHKの公式見解は「政治家の圧力はなかった、当該番組の編集は自主的なものだった」というもので、東京高裁の認定と真っ向から対立しています。このような重大な見解の違いは、到底そのままにして済ませられるものではありません。

 この番組の制作過程や、当時の現場制作担当者の証言は、多くの点で「政治家の意図を忖度した改変」という東京高裁の判断が妥当であったことを示しています。
たとえば、NHKの幹部が、「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」編さんの書籍の中の政治家の名前を示して「言ってきているのはこの人たち」と言ったという証言、また、政治家に対応し、その意向に接する国会担当の幹部が、安倍晋三官房副長官(当時)に当該番組の説明を行なった後、現場担当者に直接番組の改変を指示した経緯などは、その一例です。
 1本の個別の番組の内容について、放送前に政権政党の政治家に説明に行く、という異常な行動も、NHKコンプライアンス推進室は「日常の業務の範囲」であると説明しました。この点についても訂正されず、現在に至っています。
 また、上記のような政治家の圧力、介入に関して、勇気をもって告発し、また、法廷で
も証言した当時の現場制作者の主張が、NHKによって虚偽とされ、否定されたうえ、その職員を番組制作現場から外す、という、不当配転の疑いが濃い人事異動も行なわれました。この状態も回復されていません。

 公共的な放送機関であるNHKの倫理の核心は、政治権力からの自立です。以上のような当該番組の制作経過について、NHKが検証せず、反省もしていない現状は、NHKの放送が、豊かで、多面的で、自立したものであるための、重大な障害になるものです。
 政治家の圧力を受けて「自主規制」したことを事実上容認するような姿勢は、現場の倫理を低下させ、新たな自主規制を生む土壌となるからです。
 この番組のあと、日本軍「慰安婦」に関する番組や調査報道が、NHKでは全く放送されていない状況はその表れと言わなければなりません。

 私たちは、検証委員会が関係者のヒアリングを含む事実関係の調査を広く行ない、真相の究明のための審議を尽されるよう希望します。また、NHKに対しては、過去に公表した見解等にこだわらず、あらためて経過の検証を真摯に行い、問題があったことを認めて、説明責任を果たすことを要請します。
 その姿勢は、NHKに対して新たな批判、非難を生むよりは、公共的放送機関の勇気を示すものとして、NHKへの視聴者市民の信頼回復に大きく貢献するでしょう。
放送を語る会は、BPOへの申し入れに賛同した多くの市民、研究者、ジャーナリストの皆さんとともに、BPOの「見解」と今後のNHKの態度を、重大な関心を持って注視したいと考えています。

※BPO(Broadcasting Ethics & Program Improvement Organization の略称)

 

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