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■2008年10月17日(金) 午後7時30分〜8時43分 総合テレビ
世界同時食糧危機(1)
アメリカ頼みの“食”が破綻する
今年、世界各地で同時多発的に食糧危機が起きている。危機は貧困層だけでなく中間層まで広がっている。日本でも食品の値上げが相次ぎ、えさ代の高騰で畜産業などには深刻な影響が出ている。なぜこんなことになったのか。その実態と原因を見ていくと、戦後世界に広がった「アメリカ中心の食糧供給システム」が破綻の危機にあることに行き当たる。
戦後アメリカ中西部の穀倉地帯の農家たちは余剰穀物の輸出を強力に推し進めてきた。そうしたアメリカの国益の先兵として、穀物メジャーは政府に貿易障壁の撤廃を働きかける一方、日本をはじめ世界各地の国々に対し、安価なアメリカ産穀物を大量に消費する食生活や農業の普及を働きかけた。
一方各国では食の「アメリカ依存」を進めた結果、食糧自給率が低下。そのつけが今、一気に押し寄せているのだ。
食糧自給率を40パーセントにまで下げた日本、肉食の進行などで穀物輸入国に転落しつつある中国、世界でも食糧危機が最も深刻な中米エルサルバドルなど、食糧危機に直面している各国の現状、そして穀物メジャーやアメリカの農家の側の思惑などを多角的に取材。危機の本質を明らかにしていく。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/081017.html
■2008年10月19日(日) 午後9時〜9時59時 総合テレビ
世界同時食糧危機(2)食糧争奪戦
〜輸入大国・日本の苦闘〜
各国で必要な食糧を確保しようという動きが加速している。安定した価格で輸入できる国外産地の確保、そして遺伝子組み換え作物(GMO)の導入による生産力の拡充である。
しかし、いずれも壁は厚い。大手味噌メーカーのハナマルキは、アメリカで遺伝子組み換え(GM)大豆の作付けが急増する中、非GM大豆を求めて南米パラグアイなどで大豆を買い付けようとしているが、日本人が好む味の大豆はすぐには確保できず、中国東北部への進出を試みている。多くの日本企業が有望産地として注目するウクライナも、食糧確保を狙うリビア、サウジなどの国々が殺到している。また、穀物メジャーも巨額の資金を投じて支配の強化を図っている。
一方、遺伝子組み換え作物にも新たな課題が見え始めた。いち早くGMトウモロコシの導入を推進した南アフリカでは、農薬などが高くつく上に、気候に合わず収量が落ちてしまうという事態が多発、伝統農法に回帰する動きも出始めている。
コメを除く穀物のほとんどを輸入に頼り、遺伝子組み換え作物を拒否し続けながら、年間900万トンに上る食糧を廃棄している日本。取るべき道は何かを考える。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/081019.html
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