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【日経BPがすでに抹消した問題記事を再録】 損賠訴訟 :立花隆氏らに賠償命令 堀江LD元社長勝訴
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http://mainichi.jp/select/today/news/20081004k0000m040099000c.html?inb=yt
損賠訴訟:立花隆氏らに賠償命令 堀江LD元社長勝訴
日経BP(東京都)が運営するウェブサイトに掲載された評論家、立花隆氏(68)の記事で名誉を傷付けられたとして元ライブドア社長の堀江貴文被告(35)=1、2審実刑、上告中=が、日経BPと立花氏に5000万円の賠償などを求めた訴訟で、東京地裁(笠井勝彦裁判長)は3日、200万円の支払いを命じた。
判決によると、立花氏は06年5月、サイトの連載コラムに「堀江被告の保釈・幕引きで闇に消えたライブドア事件」と題する記事を掲載し、堀江元社長と暴力団とのつながりを指摘した。笠井裁判長は「暴力団と密接な関係を持った事実は認められず、元社長が受けた精神的苦痛は見過ごせない」と指摘した。【銭場裕司】
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毎日新聞 2008年10月3日 21時42分(最終更新 10月4日 1時54分)
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● 官憲および司法に「名誉毀損」だと断罪された立花氏の記事がこれ
(日経BPサイトの掲載記事は抹消されていたので、ウェブ・アーカイブの記録を示す)
↓
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http://web.archive.org/web/20060615123714/http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/tachibana/media/060510_livedoor/
立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」:第72回
堀江被告の保釈・幕引きで闇に消えたライブドア事件
2006年5月10日
4月27日、ライブドア事件の堀江被告は、逮捕(1月23日)以来、3カ月ぶりに保釈となった。東京拘置所を出たところで、待ち受けていた報道陣に簡単に挨拶したあと、居宅のある六本木ヒルズの「レジデンシャルタワー」にまっすぐ帰り、そのまま外部に出てきていない。
この出所風景はTV報道で見た人も多いだろうが、現場にいた記者によると、実際の出所風景は、TV映像とかなりちがっていたという。
「びっくりしたのは、かなり遅い時間だったのに、堀江被告が出てくるのを待っていた人が沢山いたことです。関係者じゃなくて、一般の人です。それが、大声を出して「ホリエさーん、頑張って!」なんて声をかけるんです。それにこたえて堀江被告も手をふったりして、ホリエモンの人気のいまだ衰えずという感じでした」
●バブリーに膨らんだ堀江という虚像
実をいうと、先日、東大駒場でやっている私のゼミの学生と飲み会をやったときに、彼らの中にも少なからぬ堀江ファンがいまだにいることを知った。彼らは、堀江被告が何か悪いことをしたから捕まったとは思っていない。そうではなく、堀江被告が権力当局の忌憚にふれるようなことを仕出かしたが故に政治的に逮捕されたのだと思い込んでいるのだ。
具体的に堀江被告のした何が権力当局の忌憚にふれたのかについては、諸説がウズまいているようで、定説があるわけではないらしい。聞けば、そのような「堀江事件のウラ」をめぐる諸説は、ネットのあちこちのページにいやになるほどあるのだという。
たとえば、堀江被告が宇宙旅行に入れ込んで、組んだ相手がロシアの産軍複合体であったのが原因だという説がある。それがアメリカ政府とアメリカの産軍複合体に睨まれ、日本政府に堀江被告をつぶすよう指令が下ったなどという陰謀理論である。
それに対して私は、堀江被告はそれほど大きなタマ(米政府が本気でつぶしにかかるほどの人物)ではないと述べたが、学生たちは、納得したようには見えなかった。
今回の事件、わかった部分とわからない部分があって、全容が解明されたとは、とてもいいがたい状況にあるのは事実だが、今後どのような展開をとっても、堀江ファンが考えるような方向に行く(堀江無罪の方向に向かう、あるいは事件の大きな背景がバクロされて、堀江被告の大物ぶりが明らかになっていく)ことはないだろうと思っている。
いい意味でも悪い意味でも堀江被告は本質的にそれほどの大物ではない。
この事件の捜査過程で明らかになってきた諸事実が示すことは逆である。堀江という人物の小ささだ。堀江という人物に関する世間のこれまでのイメージがバブリーに膨らむだけ膨らんだ虚像そのものだったということだ。
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http://web.archive.org/web/20060618211004/www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/tachibana/media/060510_livedoor/index1.html
●堀江被告保釈の条件とは
まずは、事件の外形的な事実関係に戻る。堀江被告が保釈になったのは、2月13日の起訴と3月14日の追起訴によって、堀江被告の罪に問われるべき事実関係が定まり、あとは裁判過程に入ることになったからである。別のいい方をすると、この事件の捜査過程は終わったのである。
事件処理の検察側方針(つまり検察側のこの事件の見立て方)が定まり、それ以上の事件の真相追及が、少なくとも検察側からはなされないことになったのである。
検察側が現段階で描いている事件の構図がどれだけ客観的真実に近いものかについてはまだ何ともいえないが、とりあえず、検察側は幕を引いたのである。──堀江側の保釈申請に対して検察当局は、証拠隠滅の恐れがあるとして、保釈に反対(抗告)したが、裁判所はその恐れなしと裁定した。
証拠隠滅の恐れとは何かというと、この裁判では、すでに検察側に押収されている「物証」は隠滅のしようがないから、問題はもっぱら、「人証」の隠滅である。すなわちこれから検察側証人となることが明らかな人々に対して、堀江被告が心理的あるいは物質的に圧力をかけて、証言(これまでの自供)を翻えさせるような行為がありうるかどうかである。
よく知られているように、堀江被告にかけられている主たる嫌疑は、証券取引法違反の有価証券報告書の虚偽記載(粉飾決算)罪と偽計、風説の流布罪である。その事実関係は先に逮捕された宮内亮治被告、岡本文人被告など7人の共犯者がすでに全面自供したといわれている。彼らは、早々と容疑事実を認めてしまったので、先に保釈になっている。
それに対して、堀江被告は最後まで容疑事実を認めなかったため、なかなか保釈にならなかった。
同一事件で、容疑事実を認めた者と認めない者がいる場合、裁判前に安易に保釈してしまうと、口裏合わせをして、裁判を引っくり返そうとするなどの恐れがあるから、容疑事実を否認する側の被告がなかなか保釈にならないのは、そう珍しいことではない。
●「公判前整理手続き」制度で争う余地なし
今回、検察側は、堀江被告の保釈申請に対して、証拠隠滅の恐れを理由として、なかなか同意を与えなかった。しかし、裁判所は、保釈後、堀江被告が、他の被告と接触することを禁じた上で、保釈を許した。
堀江被告が釈放後、裁判所との約束を守って、本当に他の被告たちと接触しないかといったら、そんなことはないだろう。直接会うことは避けるかもしれないが、接触はするにきまっている。
堀江被告は保釈後に、他の被告の調書を読まされ、「あいつらこんなことまでしゃべってしまったのか」と、相当激怒していたといわれる。接触したら、相当激しいやりとりがかわされるだろうが、他の被告たちが、堀江被告を守るためにこれまで自供した内容を引っくり返すようなことがあるかといったら、おそらくないだろう。
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http://web.archive.org/web/20060618211016/www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/tachibana/media/060510_livedoor/index2.html
多数の共犯者が自供をひるがえさなかったら、堀江被告がいかに「自分は本当に知らなかった。何も指示したことはない」という主張を続けても、あの会社で堀江被告が知らないことがなされるわけはない(と容易に推定される)から、堀江被告が有罪となることはほぼまちがいない。
保釈の条件はもうひとつある。事前に検察・弁護双方が裁判官の前で裁判で争う事実(争点)を明確にして、その立証のためにお互いが提出する証拠を事前に明らかにした上で、立証計画書を提出し、基本的にそれ以外のことをしないという「公判前整理手続き」をすることが保釈の条件になっているのだ。この手続きが厳格に守られると、無駄な争いがなくなるので、裁判ははじまると、アッという間に終わるのだといわれている。
日本の裁判は、大きな事件になればなるほど、重箱のすみをほじくるような細かな争いを延々とつづけ、結審まで何年も何年もかかるのが普通だった。しかし、これからは、一般市民から選ばれた陪席裁判員が加わるので、一つひとつの事件の審理をあまりダラダラやるわけにいかない。「公判前整理手続き」制度を利用して、裁判はできるだけ早く片づける方向(アメリカの裁判ドラマのように進行していく)に向かうのだという。
容易に想像できることは、裁判で争われる事実関係はすでに調書と証拠でガチガチにおさえられていて、争う余地があるのは堀江被告の認識の問題くらいなのだろうということだ。
そしてそうなったら、堀江被告がいくら「知らなかった」といっても、「知っていたにちがいない」という推定に傾いてしまうことは明らかだろう。
●ライブドア錬金術崩壊の顛末
ここで、事件のアラ筋を一言でいうなら、次のようになるだろう。ライブドアは、本来その業としていたインターネット関連業務では、大した儲けを出していない企業であったにもかかわらず、堀江被告の一連の派手な言動によって、市場の人気を大きく勝ち得た。さらに株式の100分割など、常識外れの手法の導入によって、一時的な品薄状態を作りだすと、それによって株価がまた上がり、それで、市場の人気がまた高まるなどした。ライブドアの株価は企業としての実体を離れてどんどん上がっていくというバブル企業そのものとなっていった。
高株価になった株の大半は堀江被告が所有していたから、堀江被告はそれを担保に入れると、巨額の資金をいくらでも調達できた。そのようにして調達した資金で、プロ野球球団とか有名ラジオ・テレビ会社などを買収しようとすると、それがマスコミで大報道され、ライブドアの虚像をますます拡大していった。そしてそれがまたマーケットで大きく評価され、株価をさらに上げるというように、企業のバブル部分がさらに膨らんでいった。
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http://web.archive.org/web/20060613022252/www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/tachibana/media/060510_livedoor/index3.html
そのころライブドア側が何を考えていたかというと、大鹿靖明著『ヒルズ黙示録』(朝日新聞社)は、逮捕された取締役の1人、熊谷史人被告の述懐として、こんな言葉を記録している。
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「当社も含めてIT企業の時価総額が、実態以上に高すぎる状態が続いています。IT相場はたぶんこの1、2年で終わると思うので、株価が高いうちに資産調達をし、実体のある会社を取り込みたかったんです」
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彼らは、自分たちの企業がバブリーな虚業であることを誰よりもよく認識していたのである。だから、バブリーな株価が続いている間に、自社株を売って、リアルな実体がある会社を買おうとしていたのである。
ある時期から、ライブドアは、本業のIT業務を離れて、バブリーな株価を利用して調達したお金で企業を買収したり、それを売って儲けたりを繰り返す、金融業務中心の会社に変質していった。
それもまともな会社の売買ならまだよいが、ほとんど企業として実体がないような劣悪な会社の売買にまで手を出すようになった。しかもライブドアは、企業買収にもっぱら株式交換という手法を使い、実質的なキャッシュアウト、ゼロで多くの会社を手にいれている。
たとえ買収相手が劣悪な企業であっても、それがさも立派な可能性を秘めた会社であるかのように喧伝すれば、マーケットがそれをはやして、また株価をあげてくれることを知ったからである。
ネットが暴いたライブドアの虚業の実像
Nikaidou.com編『ライブドアとの闘いの日々』(スポーツサポートシステム)には、こんなあきれた例があることが出ている。
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「2004年2月、ライブドアは福岡の、電話加入権質入金融大手『マルフク(白井一成社長)』の100%子会社、『株式会社ABS』をこれも株式交換方式にて買収している。ABSは、2002年11月設立と歴史も短く、買収時の従業員は○名、売上もゼロという会社だ。(略)そんな実績の無いABSの株1株と、ライブドア株35株を株式交換して買収しているのだが、買収直前の同年2月21日に、突然資本金が1000万円から10億円に増えている。実態のない会社に、突然資本金が増えるというのは謎である」
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同書には、このような謎としかいえないような不思議な取引の実例が沢山紹介されている。そして、その不思議な取引の裏にあるのが、ウラ金融の世界の「暴力団のマネーロンダリング」であることが示唆されている。
ここに紹介した本の編者である“Nikaidou.com”というのは、このサイトで書いてきた昨年1年分をまとめた拙著『滅びゆく国家』の第1章「ライブドアショック」の「巨額の資金を動かしたライブドア堀江社長の『金脈と人脈』」の項(75ページ)で、ナゾの情報サイトとして匿名のまま紹介したWebサイトなのである。
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http://web.archive.org/web/20060613022305/www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/tachibana/media/060510_livedoor/index4.html
この本のオビには、次のようにある。
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「こいつら絶対におかしい!!」
「みんなは、だまされている!!」
誰よりも早くライブドアと堀江貴文の実体を指摘、ネット上で訴えていたNikaidou.com そのNikaidou.comが渾身の告発
ライブドアの知られざる虚業の実像
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この本によると、このサイトを作っていた人々は、かなり以前から、ライブドアの奇怪な取引の実態をあばき、そのおかしさを司法当局や金融当局に取締りを直接訴えていたのだという。
このサイトを通じての告発が、今回のライブドア事件のきっかけになったことは、この本の「あとがき」の次のくだりを読めば明らかだろう。
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「先日、ある会合で検察最高首脳と会談したが、その場で、『これからもご協力よろしくお願いします』と労を労われた。いつもは権力に立ち向かい、辛らつに批判する本サイトだが、お礼を言われると素直に嬉しかった。なんとなく報われた感じにもなったというのが正直なところだ」
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また、同じ「あとがき」の中に次のようなくだりがあり、この事件の背後関係がブラックの世界と密接につながっていたことがわかる。
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「実は本書執筆中の合間に、ある関西系の暴力団幹部に連絡が取れ、取材を行った。取材といっても軽く夕食を食べながらの話だ。目的は互いに分かっていたが、1時間ほどを雑談等で過ごし、最後にライブドア関連の話をした。本サイトの見立てはほぼ当たっており、やはり闇社会と密接な関係にあったと再確認できた。立場を超え話していただいたことに、この場をもって感謝申し上げる」
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●株式分割と貸し株を悪用した錬金術
結局、堀江被告はどのようなやり口で荒稼ぎをしていたのか。『ヒルズ黙示録』などには、読んでいてウンザリするほど詳しく、それでもよくわからないような説明が山のようにのっているが、それより、本書の次のような記述が簡単でわかりやすい。
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「まず、ライブドアの最大の株主は堀江である。その堀江の持ち株が、100分割の発表後株価が最も高騰したあたりで、『貸し株』をした。貸した先は、野口(沖縄で怪死をとげた元エイチ・エス証券副社長。ブラック社会とライブドアの接点にいたと考えられている)が運営する投資事業組合や、他のファンドである。投資事業組合やファンドは、市場でどんどん、堀江から借りた株を売る。堀江の貸し株はどんどん買われ、何も知らない連中が信用買いに走る。やがて信用買いはくずれ、株価は暴落する。暴落した後に、投資事業組合やファンドは、安価で買い戻し、堀江に借りた株を返す。そうすれば、株で利益を得ても、堀江本人が利益を得ていないので、ほとんど判明することはない」
「実際の株価のほうはというと、ライブドア株は2004年1月20日、分割後の最高値18020円をつけるも、同年2月25日には、2620円にまで下落する。価格だけでいえば、実に7分の1近くの暴落だ」
「仮に堀江が100億円分貸し株していれば、それだけでも、およそ600億円分の利益を得たことになる。これが株式分割と貸し株を悪用した錬金術だ。(略)ライブドアとその周辺では、まさに違法だらけのマネーゲームが毎日のように繰り広げられていたのだ」
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http://web.archive.org/web/20060613021930/www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/tachibana/media/060510_livedoor/index5.html
ここに名前の出てきた野口氏の怪死事件が、この事件の最大の謎の部分であることは、このページで前にも書いたとおりだ(第65回「異例ずくめのライブドア事件 なぜトップ逮捕を急いだのか」(http://web.archive.org/web/20060613021930/http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/tachibana/media/060124_taiho/)、第66回「小泉政権揺さぶるBLT問題 防衛庁・ライブドア・天皇制」(http://web.archive.org/web/20060613021930/http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/tachibana/media/060211_blt/)。いずれも「滅びゆく国家」所収)。
彼が死んでしまったが故にこの事件の背後に横たわる巨大な闇の世界とのつながりを追求する手だてが永久に失われてしまった。彼の遺体が残っていればまだしも、沖縄県警の大失態で遺体の解剖も行われず、そのまま火葬してしまったから、今さら追求のしようがないのである。
●陣頭指揮官の更迭で事件に幕引き
この事件の捜査過程で起きたもう一つの大失敗が、情報が事前に漏れてしまったために、ほとんどの情報交換を社内メールでやっていたライブドアに、強制捜査入り直前に5万通のメールを削除してしまうという大々的な証拠隠滅を許してしまったことだ。
『ライブドアとの闘いの日々』には、次のようにある。
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「家宅捜索令状を突きつけられた堀江はこんな一言を言ったとされる。
『ああ、カトウから聞いてましたよ』
(略)特捜の捜査情報を漏らした『加藤』とはいったい何者か?
その正体はライブドアの元役員。2005年12月に特捜部の聴取を受けて、すぐに堀江に話したのだというから呆れる。(略)とにかくライブドアではメールを大量に削除。一部修復不可能な状態になっていたという当局の発表が、それをしっかり裏付けている」
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捜査過程で起きたこの二つの大失敗によって、ライブドア事件は、さまざまな発展可能性を秘めていたにもかかわらず、その可能性の道がすべて閉ざされたまま終結を迎えたのである。このような終結を迎える直前、検察内部で、この事件の担当として陣頭指揮にあたっていた北島孝久特捜部副部長が突然担当を外れ、外に出てしまうという驚くべき事態が起きた。事件処理の最終方針をめぐって、検察内部で大きな衝突があったのだろうか。それとも失態の責任を取らされたのだろうか。
あとは裁判というプロセスが残ってはいるものの、そこから全くの新事実が飛び出してくる可能性は、ほとんどないといっていいだろう。
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立花 隆
評論家・ジャーナリスト。1940年5月28日長崎生まれ。1964年東大仏文科卒業。同年、文藝春秋社入社。1966年文藝春秋社退社、東大哲学科入学。フリーライターとして活動開始。1995-1998年東大先端研客員教授。1996-1998年東大教養学部非常勤講師。2005年10月から東大大学院総合文化研究科科学技術インタープリター養成プログラム特任教授。
著書は、「文明の逆説」「脳を鍛える」「宇宙からの帰還」「東大生はバカになったか」「脳死」「シベリア鎮魂歌—香月泰男の世界」「サル学の現在」「臨死体験」「田中角栄研究」「日本共産党研究」「思索紀行」ほか多数。講談社ノンフィクション賞、菊池寛賞、司馬遼太郎賞など受賞。
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