★阿修羅♪ > マスコミ・電通批評8 > 433.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
http://ameblo.jp/warm-heart/entry-10137300932.html から転載。 2008-09-09 18:46:49 センセーショナルな米本「解説」記事を批判した後、「朝の風」は、北京オリンピックの狂騒報道の陰で、8月15日の全国紙1面から一斉に「終戦記念日」の文字が消えていることをこう指摘する。 ============================================= 以下は「しんぶん赤旗記事情報・G-search」から検索、貼り付け。 朝の風/メディアの狂騒の陰で 芥川賞の楊逸「時が滲む朝」が何かと話題だが、「日本文学史上の事件」「時代が『日本文学』から『日本語文学』へと大きくカジを切る節目となるかもしれない」というのには驚いた。ある評論家は「日本人でしか日本文学は書けないという思いこみをくつがえした」とまでいいだしたが、ちょっと待て、といいたくなる。 楊逸は八七年に留学生として来日して以来の日本語生活。生活苦や迫害から脱するために選んだ日本語だが、強制された日本語のもとで文学の花を咲かせた朝鮮人作家は、先の評論家が「解説」まで書いた金史良ほか、戦時下に例は少なくない。現在だって、文学賞受賞者でいえばリービ英雄もいれば、研究・評論では、ドナルド・キーンだっている。直木賞の邱永漢も。 どうして、そういう事実を確かめて落ちついて報じないのか。センセーショナリズムはメディアの常とはいえ、まったく異常異様である。言語「大国主義」が頭をもたげてきているのか。 などと考えていたら、この八月十五日、スポーツ新聞化した北京オリンピック報道の陰で「朝日」「毎日」「読売」の一面から「終戦記念日」の文字が消えてしまっていた。メディアの狂騒にはもっと警戒が必要なようだ。(泰) ============================================= 芥川・直木賞:芥川賞に楊さん 「日本に受け入れられた」非母語で初受賞 第139回の芥川賞に決まった楊逸(ヤンイー)さん(44)と、直木賞に決まった井上荒野さん(47)。楊さんは母語ではない言葉で書き、井上さんは父の故郷、九州の言葉で書く。国籍も生い立ちも違う2人が、受賞会見で笑顔を輝かせた。 中国人として初の芥川賞に決まった楊逸さん。東京都中央区の自宅で受賞の知らせを聞き、近くの遊歩道で報道陣に囲まれた。 濃紺のワンピース姿。はにかんで「ありがとうございます」と言いながら登場した楊さんは「日本に溶け込み、受け入れられた気持ち」と満面の笑み。さらに「昔から書くことが好きです。伝えたい思いを客観的に表現するため小説という形を選びました。こういう形で評価されるともっと日本語を勉強したくなる」と流ちょうな日本語で話した。 「時が滲(にじ)む朝」は1988年から約20年間にわたる中国と日本を舞台に、中国人青年たちの夢と挫折を描いた約200枚の小説。大学進学、学問に情熱を注いだ寮生活、民主化運動、天安門事件、退学、その後の来日――など運命の変転を描く。 日本で育った子の「ふるさと」に思いをはせるなど、タイトル通り時の厚みを感じさせる力作だ。「ワンちゃん」(文学界新人賞、芥川賞候補)に続く2作目。 選考委員の高樹のぶ子さんは「作者の書きたいことがきちんとあり、国境を越えなければ書けないものを書いている。日本人の私たちと比べ、主人公の激動の20年が新鮮に感じられた。日本語として書かれた個人史文学として圧倒的な力と質量のある作品だった」と述べた。 楊さんは日本人男性と離婚後、都内で高2の長男と中1の長女の3人暮らし。学校や企業などで中国語講師をして生計を立てている。少女時代に父の蔵書の「史記」「三国志」などを耽読(たんどく)。来日後は森鴎外や筒井康隆、川上弘美氏らの作品を愛読している。大勢の報道陣に囲まれた楊さんは「書くことを仕事にできるのは何よりの喜びです。ずっと書き続けたい」と声を弾ませた。【斉藤希史子、内藤麻理子】 ◇直木賞は井上荒野さん「切羽へ」 九州の島舞台に恋描く 直木賞の井上荒野さんは、「地の群れ」などで知られる福岡県久留米市出身の作家、井上光晴(1926―92年)の長女。受賞作「切羽(きりは)へ」は、夫のいる養護教諭が島にやって来た同僚の教諭に恋をして揺れる心をつづる恋愛小説。舞台は、光晴が少年時代を過ごした長崎県西海市の旧炭鉱の島・崎戸をイメージしたとされる。作中人物たちは九州弁を話し、「大村鮨」など地元の食べ物も登場する。 荒野は本名。炭鉱の現場を指す「切羽」は妹の名でもある。父の虚言癖に言及した著書「ひどい感じ 父・井上光晴」もあるが、愛憎半ばする父をはぐくんだ九州が舞台の作で受賞を果たした。 九州と縁の深い直木賞作家の誕生を、関係者も喜ぶ。同人誌「佐賀文学」同人の西村しず代さん(78)=佐賀市=は光晴が文学精神を継承する場として77年、佐世保に開いた文学伝習所の1期生。「デビュー時から注目してきた。妹さんの名前にちなんだ作品での受賞に『おめでとうございます』と言いたい」と語った。 原爆や宗教弾圧など、長崎にこだわる芥川賞作家、青来有一さん(49)=長崎市=は「周縁の文学が注目される、いいきっかけになる。今後も地方にこだわり書き続けてほしい」とエールを送る。 選考委員の平岩弓枝さんは「決定は満票です。好感度が高い上質の作品。人物がよく書けていて、全般に大人のきちんとしたプロの文体で、しっかりした構成が評価された」と称賛した。【渡辺亮一、内藤麻理子】 ……………………………………………………………………………………………………… ■解説 ◇中国語生かした比喩独特 楊逸さんの芥川賞受賞は日本文学史上の事件といえる。時代が「日本文学」から「日本語文学」へ大きくカジを切る節目となるかもしれない。 それは、千数百年の歴史を持つ日本の文学史が新たなステージに入ったことを意味している。 日本文学振興会によると、外国籍の書き手の芥川賞受賞は▽李恢成(72年)▽李良枝(89年)▽柳美里(97年)▽玄月(00年)――の各氏に続いて5人目。しかし李さんらは在日韓国・朝鮮人として幼いころから日本語に親しんでおり、23歳でほとんど日本語を知らずに初めて来日し、日本語を学んだ楊さんとは事情が異なる。96年上半期候補のリービ英雄さん(米国)と同下半期候補のデビット・ゾペティさん(スイス)が同じケースだが、受賞に至らなかった。 受賞作は前作の「ワンちゃん」同様、登場人物の性格や心情などをはっきりと描き分け、情景を太い線で力強くデッサンする。何を書きたいかはっきりと読者に伝える熱気がある。 楊作品の“越境者の文学”としての魅力は、その独特な比喩(ひゆ)にもある。「田舎色の歯」「西北風を飲む暮らし」「空が魚の腹のように白くなって」など、中国の慣用句を直訳したような書き方が、従来の日本語にはない魅力を感じさせる。 助詞の使い方や描写の進め方も一見ぎこちなく、スムーズではないかもしれないが、抵抗感にゴツゴツした確かさがある。中国人も日本人も、相対化されている。楊さんはどちらの側にも立たない。 文芸評論家の川村湊さんは「世界的な快挙。日本文学が歴史を刻んだ証しだ。日本人でしか日本文学は書けないという思いこみをくつがえした。今後、異国籍の表現者が続々と現れるかもしれない」と期待する。【米本浩二】 ……………………………………………………………………………………………………… ■人物略歴 ◇井上荒野さん(いのうえ・あれの) 東京都生まれ。成蹊大卒。89年「わたしのヌレエフ」でフェミナ賞を受賞してデビュー。01年初に長編恋愛小説「もう切るわ」。04年「潤一」で島清恋愛文学賞。他に「ベーコン」など。東京都三鷹市在住。
gataro-cloneの投稿
メディアの狂騒の陰で(大事なことがこっそり消える)【しんぶん赤旗・朝の風】
テーマ:マスゴミ
エントリー末尾に少々長くなるが、毎日新聞7月16日付記事を転載しておいた。「しんぶん赤旗」のコラム「朝の風」が、芥川賞を受賞した楊逸(ヤンイー)さんの「時が滲(にじ)む朝」を取り上げた毎日新聞記事のセンセーショナリズムを批判しているからだ。「朝の風」が批判するのは名指しは避けてはいるが、評論家、米本浩二氏の書いた「解説」だ。
2008.09.02 日刊紙 9頁 一般 (全504字)
以下は「毎日新聞記事情報・G-search」から検索、貼り付け。
2008.07.16 西部朝刊 25頁 社会面 (全2,395字)
▲このページのTOPへ HOME > マスコミ・電通批評8掲示板
フォローアップ: