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2008年07月27日
むのたけじの言葉
27日の朝日新聞書評欄に「新聞と戦争」(朝日新聞出版)という本の紹介があった。
07年4月から一年間朝日新聞の夕刊に連載された「満州事変以降の15年戦争の検証」を、一冊にまとめたものであるという。
「あの戦争は、マスメディアの協力なしには遂行できなかった・・・」で始まり、「ジャーナリストがジャーナリストでなくなっていったことにこそ、その最大の悲劇があった」という言葉で締めくくられているその書評は、最近読んだ、むのたけじの「戦争絶滅へ、人間復活へ」(岩波新書)を思い出させてくれた。
むのたけじとは、戦争に加担したジャーナリズムの責任をとって、終戦の日である1945年8月15日に朝日新聞を辞め、週刊新聞「たいまつ」を創刊した今年93歳の元朝日新聞記者のことである。
ノンフィクション・ライター黒岩比佐子氏が、むのたけじにインタビューを繰り返して綴ったこの本は、むのたけじの反戦への強烈な言葉がちりばめられている。
たとえば従軍記者として目撃した事実を語る次のような言葉は、およそ戦争と言うものを少しでも擁護するあらゆる議論を木っ端微塵に粉砕する。
・・・戦争のことを一番よく知っているのは、実際に戦場で戦った人たちです。ところが戦場へ行けばわかりますが、行ってしまえばもう「狂い」ですよ。相手を先に殺さなければこちらが殺されるという恐怖感。これが朝昼晩とずっと消えることがない。三日ぐらいそれが続くと、誰もが神経がくたくたになって、それから先は「どうにでもなれ」という思考停止の状態になってしまうんです。したがって、戦場からは反戦運動というものは絶対に出てきません・・・
本当にいやなことだけれども、戦場にいる男にとっては、セックスだけが「生きている」という実感になる・・・ものを奪う、火をつける、盗む、だます、強姦する・・・ということが、戦場における特権として・・・黙認されてきた。
・・・あえて言いますが、ほとんどの男は、とても自分の女房や子供たちに話せないようなことを、戦場でやって(きた・・・)
私はインドネシアの慰安所に行って、実際になかに入って、女性たちから話を聞きました・・・兵士が何人もズボンをずり下げて順番待ちをしている。女の側は、膣のなかが何人もの液体でごちゃごちゃになるので、三人終わると便所へ行って、ウーンと力んで射精されたのを出してまたすぐ戻ってくる。そうした事実があったということは、ここではっきり言っておきます・・・
負けた戦争を「勝った、勝った」といい続け、嘘ばかり書いていたのだから、ここできちんとけじめをつけて辞するべきだ、新しい新聞をつくる資格をもった人々に朝日新聞を委ねるべきだ、
そう訴えたむのたけじに、みんな黙っているだけで反論はしない。そして誰も辞めるものが出てこなった。
むのたけじは今でも正しく評価されることはない。
ここに日本の反戦の限界がある。欺瞞がある。
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