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・・・植草氏を心から尊敬し応援したいと思います。副島隆彦記 2008.7.2
http://www.asyura2.com/08/hihyo8/msg/319.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 7 月 03 日 11:28:05: twUjz/PjYItws
 

http://www.snsi-j.jp/boyaki/diary.cgi

今日のぼやき

「953」 植草一秀(うえくさかずひで)氏のサイトを紹介し、彼に仕掛けられた痴漢冤罪の政治謀略と奮闘する植草氏を心から尊敬し応援したいと思います。副島隆彦記 2008.7.2


 副島隆彦です。 今日は、2008年7月2日です。

 以下に載せるには、私が尊敬する植草一秀(うえくさかずひで)氏のサイト「植草一秀の『知られざる真実』」 に、彼自身が精力的に書いている文章です。そのなかの最近の一文を、植草氏に断りなく私は勝手にここに転載します。 

 その理由は、この文章が、大変な名文であり、優れた中身だからです。私は、この文を10日ほど前に一読して、これは凄(すご)いと思った。これだけの文章は、普通の人間には書けない。鍛え抜かれた高度の頭脳 を持ち、かつ 激しい現実の現世の闘いを身をもって闘い、そして戦火を文字通り潜り抜けてきた人間だけが、その研ぎ澄まされた感覚と才能と経験を通して、さらさらと書くことのできる文章なのだということが分かります。私は、今では植草一秀氏を心の底から尊敬しています。

 痴漢冤罪(ちかんえんざい)という、恐ろしい政治権力からの攻撃、弾圧を受けて、しかも、それを2回も受けて、地獄の火に焼かれるほどの苦悩を味わいながら、そこから不屈の精神で、自力で這い上がり、そして、今、淡々とこれらの優れた文章をネット上に毎日のように書いて、私たちに読ませてくれる。植草氏のご家族のこれまでのご苦労までを思うと私は涙が止まらない。 

 植草一秀氏を、私は、文句なしで、一切の条件をつけずに、日本国の宝物であるから、彼の言うこと(書くこと)なら、今後、無条件で信じて、そして従おうと思います。 植草一秀氏が、今も彼に加えられている政治弾圧と、残酷な謀略を跳ね返して、もし、なんからの政治行動に打って出るときには、私は、お呼ばれがあれば、自分の身を挺(てい)して、植草氏を司令官とする陣営に参列する覚悟です。 このように明確な態度表明を今日、どうしてもしておこうと思いました。

 立派な立場にあった人間が、今の日本でおよそ考えられる限りの最低の恥辱(ちじょく)を受け、自分の身を業火(ごうか)に焼かれるほどの苦悩と難儀を味わった、そのあとでも、孤立無援の中から、植草一秀という人は、自ら立ち直り、これほどの落ち着いた、優れた文章を書いて、しかも倦(う)まず弛(たゆ)まず、前進している。

 彼こそは、日本国民の本当の指導者だ。厳しい試練(しれん、Ordeal オーディ−ル、宗教裁判 )を身をもって味わってその煉獄(れんごく)から生還した英雄であるから、そのことが検証されたのだ。私は、何があっても、この国にいざという時がきたら、彼からの要請があれば、彼の横にしっかりと軍略家として着くことに勝手に決めました。

 これは、私一個の勝手な決断ですから、私の弟子たちのそれぞれの生き方や判断とは、別です。私の弟子たちが主宰するこの「学問道場」サイトに対してはあとで、ご相談して主要な弟子たちと意見を交換しようと思います。 

 私は、今は、どうしてもこのように書いておきたいから書くのです。人生には時々、するべき潔(いさぎよ)い決断というのがある。私はそういうことをする人間だ。その時にはもう、あとさきあれこれ考えない。突撃する時は突撃する。

 だからといって、私がいますぐに何かができるということはありません。植草氏の痴漢冤罪(痴漢事件の無実の罪)の 政治謀略攻撃である裁判 (日本の政治警察の一部が暴走している) に何かの支援行動を行う、ということも出来ません。 私ができることは、やがて、すこしずつ状況が煮詰まってきて、日本国に危機が迫りくるだろうから、それに対して冷静沈着に対応して、本当に日本国と日本国民の為に闘えるだけの頭脳と体力を持つ人間たちが、結集して行動を起こすだろうから、その時のためにしっかりと備える、ということです。それ以上のことを私は言いません(書きません)。

植草一秀氏に対する、2004年の4月8日(品川駅)での謀略(第一回目)と、2006年9月13日(京急線の電車内)での謀略(第二回目)を仕掛けた、日本の政治警察の暴走した幹部たちを、将来、私たちが支持する勢力が政権を取るときには大きな真実を明らかにして、彼らを必ず刑務所送りにするべきだ。 この愚劣なる者たちに、本物の愛国者の言論人・知識人の闘い、というものを見せてやる。植草一秀の他に私も狙うというのであれば、そうしろ。  私は、私一個の決意としてこのように表明しておきます。 

 それでは、植草氏の文章を以下に載せます。皆さんも、植草氏のサイトに、彼の文章を読みに行ってください。

副島隆彦拝

(転載貼り付け始め)

植草一秀の『知られざる真実』
マスコミの伝えない政治・社会・株式の真実・真相・深層を植草一秀が斬る  から

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2008/week26/index.html

● 「政治的」テレビドラマと今後の政治日程 ( 2008.06.18 )

 6月3日記事および6月10日付記事に記述した フジテレビ月曜9時ドラマ『CHANGE』 について、「週刊ポスト」2008年6月27日号(小学館)が 「キムタク総理『CHANGE』は 飯島勲(いいじまいさお)元秘書官に操(あやつ)られている!?」 と題する記事を掲載した。

 この問題を早くから指摘してきたのは、まぐまぐメルマガ大賞政治部門1位の 「国際評論家 小野寺光一の「政治経済の真実」」 で、直近のメールマガジンでもこのことを指摘している。小野寺氏の情報は非常に早い。

 上記「週刊ポスト」記事は、 『CHANGE』のエンドロールに 「監修 飯島勲」 の名が示されることを指摘している。監修者には時事通信社 解説委員 の 田崎史郎氏が名を連ね、「政治指導」のクレジットで 渡辺喜美行革担当相の秘書・田中良幸氏 が協力していることも明らかにしている。

「放送法」第1章総則第1条(目的)には以下の規定がある。

第1条  この法律は、左に掲げる原則に従つて、放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健 全な発達を図ることを目的とする。

1.放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること。
2.放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること。
3.放送に携わる者の職責を明らかにすることによつて、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること。

また、第3条の2(国内放送の番組の編集等) に以下の規定がある。

第3条の2  放送事業者は、国内放送の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。

1.公安及び善良な風俗を害しないこと。

2.政治的に公平であること。

3.報道は事実をまげないですること。

4.意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。

 第1条の「放送の不偏不党」、および第3条の「政治的に公平であること」の規定に、『CHANGE』が抵触していないかどうか、検討が求められる。 小野寺氏が指摘してきたように、『CHANGE』 は飯島勲氏 の著書 『代議士秘書−永田町、笑っちゃうけどホントの話』(講談社文庫) をベースに制作されている可能性が極めて高い。「週刊ポスト」の上記指摘はこのことを明確に示している。

 小野寺氏は、第1回放送での、阿部寛(あべひろし)扮する199勝1敗の選挙プランナー韮澤勝利が、主演の木村拓哉 扮する 朝倉啓太(第3話で総理大臣に就任)に叫ぶ、

 「いいか 選挙は日本でできる唯一の戦争だ」

 の台詞が飯島勲氏の上述著書第二章78ページからの小章 「選挙は日本でできる唯一の戦争だ」末尾(82ページ)にある、
  
教訓 「選挙とは武器を使用しない、日本でできる唯一の戦争なり。

敵をあざむくにはまず見方をあざむく。これ権謀術数の第一歩と心得よ」 

と一致していると指摘した。6月3日付記事に記述したように、第4回放送での ダム建設をめぐる行政訴訟で 朝倉首相が 「国は控訴しないことを決定した」と述べるシーンが、小泉元首相がハンセン氏病訴訟で控訴断念を決する場面と重ね合わせられていることは明白だ。

  6月10日付記事に記述したように、第5回放送では、朝倉首相が日本の国益を最重視して、米国との通商摩擦を見事に切り抜けるストーリーが展開された。木村拓哉扮する朝倉啓太首相を小泉元首相のイメージに重ね合わせようと演出しているようだが、実際の小泉政権は日本の国益を放棄して、ひたすら米国の国益のために行動した疑いが濃厚である。

  視聴者が十分な政治経済の知識を持って、批判的検討を加えながらドラマを視聴するなら良いが、深く考えずに単なる娯楽番組と捉えてしまうと問題は重大だ。ドラマ放映が政治的に利用され、視聴者が政治的に誘導される危険性が極めて高い。

  日本の最大の構造問題は財務省を中核とする 「官僚主権構造」 にあると私は訴え続けている。「官僚主権構造」 の問題とは、@官僚機構が意思決定の実権を握っている、と同時に、A官僚機構が国民の幸福を追求せずに、自己の利益増大を追求していること、B政治がこの現状を「改革」しようとせずに「温存」していること、である。

  日本の真の改革は、「官僚主権構造」を打破して、根本から国民主権の構造を再構築することだ。「官僚主権構造」 は 「自民党一党支配構造」と不可分に結びついてきた。小泉政権は「改革」の看板を掲げたが、「官僚主権構造」 には指1本触れることすらできなかった。小泉政権の5年半に官僚機構の実質的な権力は増強されたと言って間違いない。

  官僚機構の中心に位置するのが 財務省である。また、政権は強大な権力を行使するために警察・検察・裁判所支配を強めてきた。これらの官僚機構の権限を強化し、その権力の上に自民党政権が位置することによって、強大な権力構造をさらに増強させてきたのだ。

  現在、自民党内部で 「官僚権力温存」と「官僚権力打破」の対立が存在するかのような演出が進められつつある。月9ドラマ『CHANGE』は、この対立図式で描かれる自民党内の二つの勢力のうち、「官僚権力打破」 を装う勢力にとっての推進力として活用されようとしているのだと考えられる。

   小泉元首相、中川秀直元自民党幹事長、小池百合子元環境相、そして小泉チルドレン、さらに旗揚げされた「脱藩(だっぱん)官僚の会」が連携する可能性がある。6月16日の朝日新聞は、「脱藩官僚の会」 が8月下旬の臨時国会召集前に設立総会を開く予定であると報じている。

  月9ドラマ『CHANGE』 は、通常の4月スタートでなく異例の5月12日スタートになったが、1クール=3ヵ月で最終回を迎えると、8月上旬が最終回になる。「脱藩官僚の会」設立総会開催に向けてドラマ最終回が準備されるとも読み取れる。

  「敵をあざむくにはまず味方をあざむく。これ権謀術数の第一歩と心得よ」 の言葉をもう一度、吟味する必要があるようだ。結論から言えば、自民党政権が 官僚支配構造 を破壊することは不可能である。自民党政治は官僚主権構造と不可分の関係にある。このことは、「改革」を標榜した小泉政権が官僚利権に対してまったくメスを入れられなかったことが明確に証明している。

  「官僚権力打破」を標榜すると予想される新しい政治勢力の旗揚げは、「まず味方をあざむく」ためのものである可能性が高い。自民党がいま本気で恐れているのは、次期総選挙での敗北=政権からの退場である。民主党の支持率が自民党を上回っている現状で解散総選挙が行われれば、政権交代が現実のものになる可能性が極めて高い。

 自民党が権力維持を目的に、再び壮大な三文芝居に打って出る可能性があると考える。 しかし、政権交代なくして真の日本の改革はあり得ない。「見せかけの改革」に国民は騙されてはならない。「脱藩官僚の会」がたとえば民主党と連携して「天下り根絶」、「官僚主権構造打破」を示すのなら、性格はまったく異なるものになるだろう。その場合には「真の改革」が実現する道も開けるだろう。

  現実には、これまで権力を掌握してきた自民党勢力が今後も引き続き権力を維持するために、味方をも欺きつつ、「改革」の演出を大規模に展開する可能性が高いのではないかと考える。民主党は手をこまぬいて事態を静観してはならない。既得権益を打破するには、権力の交代が不可欠である。民主党は野党共闘を視野に入れて政権奪取に向けての政策綱領(せいさくこうりょう)を提示するとともに、政界大再編の可能性を十分に考慮して政治的戦術を綿密に構築しなければならない。


(副島隆彦注記。以下も植草氏の文章です。上記の名文とほとんど同じ時期に書かれている。同趣旨の文章だ。こちらも、植草サイトからの文章です。日付が分からない。併せてお読み下さい。副島隆彦注記終わり)

植草一秀の『知られざる真実』 サイトから

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2008/week26/index.html

●  「敵を欺くにはまず味方を欺く」手法 に警戒すべし

 テレビ番組は最も効率の良い世論操作のツールである。全国ネット放送の視聴率1%は約100万人の国民が情報を受け取ることを意味するといわれている。1000人の聴衆を集めた演説を1000回行って達成される情報伝達がテレビ番組を使えば1%の視聴率で達成されてしまう。20%となれば2000万人だ。その効果は想像を絶する。テレビ番組は世論操作の最重要ツールである。

 小泉政権はテレビ、新聞、スポーツ紙、週刊誌、デジタルメディアのあらゆるメディアを世論操作に総動員し始めた政権と伝えられている。その後の政権も基本的にその手法を継承している。

 テレビ、新聞の日本の主要メディアは政治権力によるメディア・コントロールの主翼を担う存在である。本来メディアは社会の木鐸として政治権力と距離を保ち、独自の視点から現状を批判的に検証し、国民に伝達する役割を担うべきものだった。しかし、現実のマスメディアは権力機関の一端としての役割を積極的に担う存在に堕してしまっている。

 権力に対峙し、権力の不正を糾弾する真のジャーナリストはブラウン管から完全に排除されつつある。多くの言論人が経済的・社会的動機から率先して権力の走狗になり下がっている。政治権力は権力の走狗を自認する言論人を重用し、マスメディアにその起用を働きかける。

 NHK もその財務基盤を政治権力に握られているために、例外ではなくなっている。真実を洞察できるごく少数の国民はメディア・コントロールの実情をおぼろげながらも認識しているが、偏向した情報を一方的に受け取り続けるうちに、正常な感覚を失ってしまいがちになる。一種の洗脳状況が生まれてしまう。

 フジテレビ月曜9時ドラマ「CHANGE」が、政治的背景を背負って放送されているとの指摘がある。読者1万2000人を超すメールマガジンである、まぐまぐ大賞政治部門第1位の「国際評論家小野寺光一の「政治経済の真実」」は、このドラマについても示唆に富む論評を多く公表している。

 小野寺氏は、このドラマの第1回放送での、阿部寛扮する199勝1敗の選挙プランナー韮澤勝利が主演の木村拓哉扮する朝倉啓太(第3話で総理大臣に就任)に叫ぶ、

「いいか 選挙は日本でできる唯一の戦争だ」

の台詞が小泉元首相の元秘書官である飯島勲氏の著書「代議士秘書−永田町、笑っちゃうけどホントの話」(講談社文庫)第二章78ページからの小章「選挙は日本でできる唯一の戦争だ」末尾(82ページ)にある、
  
教訓「選挙とは武器を使用しない、日本でできる唯一の戦争なり。

敵をあざむくにはまず見方をあざむく。これ権謀術数の第一歩と心得よ」

 とピタリと符合すると指摘している。このドラマはドラマとしては極めて異例の5月12日にスタートしたが、ドラマのクライマックスを現実の政治日程に重ね合わせるための日程設定とも考えられる。小泉元首相、小池百合子氏、中川秀直氏などが小泉チルドレンを糾合して新派閥ないし新党を結成する可能性も否定できない。この流れの延長上に自民党総裁交代を実現させて、総選挙に向かう戦術が検討され始めているとも考えられる。

 昨日6月2日放送の第4話では、首相に就任したばかりの朝倉啓太首相がダム建設に伴うクラゲ大量発生による漁業被害に関する行政訴訟について、「いちいち全部謝罪して補償していればこの国は破産する」との反対論を押し切って、国に非があるなら補償するのは当然だとの理由から、「国は控訴しないことに決めた」と述べ、漁業補償を実行するストーリーが展開された。ドラマのなかでの内閣支持率は一段と上昇した。

 小泉政権が発足した直後の2001年5月23日、ハンセン氏病国家賠償訴訟について小泉首相は控訴断念の決定を示した。ドラマがこの事例を下敷きにしていることは明白である。小泉政権はこの問題で控訴断念したが、その後は障害者に多大な困難を強いる「障害者自立支援法」を障害者が命懸けで反対運動を展開したにもかかわらず成立させ、高齢者医療を実質的に切り捨てる「後期高齢者医療制度」を導入する法律を強行採決で成立させている。ハンセン氏病訴訟での控訴断念決定は当然だが、小泉政権の決定が支持率上昇を目的としていた疑いは濃厚だ。

上記著書のなかの言葉、

「敵をあざむくにはまず見方をあざむく。これ権謀術数の第一歩と心得よ」

に注目しなければならない。 現在、政治の舞台で論議の対象になっている「国家公務員制度改革」と「増税問題」。国家公務員制度改革基本法が成立する見通しになったことを、政府は強くアピールしている。しかし、その内容は評価できるものでない。政権支援番組と化しているテレビ朝日「サンデープロジェクト」は、渡辺喜美行革担当相をスタジオに招き、政府決定を絶賛するが、法律は極めて中途半端なものである。

 私は10年来、公務員の天下り制度根絶を主張してきた。1999年に上梓した拙著『日本の総決算』(講談社)でも、第5章「官僚主権構造」、第7章「平成ニューディール」に、第1種国家公務員制度の廃止と天下り禁止についての主張を詳述した。公務員に終身雇用を保証した上での天下り禁止の主張を『現代日本経済政策論』(岩波書店)、『ウエクサレポート』(市井文学)にも示してきた。

 日本の最大の構造問題が、財務省を中核とする「官僚主権構造」にあることを私は訴え続けてきた。「官僚主権構造」の問題は、@官僚機構が意思決定の実権を握っている、と同時に、A官僚機構が国民の幸福を追求せずに、自己の利益増大を追求していること、B政治がこの現状を「改革」しようとせずに「温存」していること、である。

 成立しようとしている新しい国家公務員制度は真に問題を解決するものでない。能力・実績主義が用いられるといっても、採用枠の区分、省庁別の採用は残存する。キャリアでない職員からの幹部登用が行われるにしても、それは例外的な運用にすぎない。

 各省庁による天下りあっせんを禁止して、内閣府人事局が官僚の再就職を一元管理することになっても、その人事局に各省庁から人員が送り込まれ、実質的にこれまで同様の天下りを実現することができる。これまで存在した2年間の再就職禁止規定が取り除かれれば、天下り制度は逆に制度的に補強されることになる。

 小泉政権以来の常套手段は、与党内に反対論を存在させ、政府決定がその反対を押し切って決定されたように装うことである。政権が与党内の強い反対を押し切って新制度を導入したとの演出を凝らす。政府御用の報道番組はその装いの上に「報道」の装飾をさらに重ね合わせる。

 自民党内でこれから「財政再建派=増税派」VS「上げ潮派=歳出削減派」の対立が演出されることになる。「上げ潮派」は消費税の増税よりも歳出削減、「小さな政府」を主張し、財務省とも対立する素振りを示すと考えられる。

 財政再建派は社会保障制度の安定性確保のための消費税増税を主張する。だが、総選挙を控えて与党が増税方針を最終的に決定する可能性はゼロである。最後は「歳出削減派」が勝利する。小泉元首相と中川秀直氏を中心とする新しい政治勢力が自民党を最終的に代表することになるだろう。麻生氏が担がれる可能性もある。同時に自民党は選挙に不利な増税も真剣に論じる政党であることをアピールする。

 すべては、総選挙での政権交代を回避するための戦術である。「上げ潮派=歳出削減派」は財務省と対峙する素振りを示すが、裏では確実に繋がっていると考えられる。歳出削減派の主張する「小さな政府」は「弱者を切り捨てる小さな政府」であって、「官僚利権を根絶する小さな政府」ではない。その明白な根拠は、日本政策投資銀行、国際協力銀行、国民生活金融公庫の制度改革に際して、「天下り禁止」が盛り込まれなかったことだ。私はこの問題が最も分かりやすいリトマス試験紙であると主張し続けた。

「上げ潮派」の主張する経済成長による財政収支改善と政府の無駄排除は私の持論である。この考え方を取り入れたことは評価できるが、本当に官僚利権を排除するのかどうかは疑わしい。

日銀人事で福田政権が最後まで財務省からの天下り維持に執着したことも、この実態を象徴している。今国会での日銀副総裁人事決定が見送られる可能性が高まっているが、日銀法には国会閉会中には内閣が日銀人事を決定できるとの規定があり、財務省利権を死守しようとする福田政権が、国会閉会中に国民の意思に反する人事を決定する暴挙に出るリスクがないとは言い切れない。

日本社会は権謀術数に依存する政治権力とそのメディア・コントロールによって破壊され尽くされようとしている。国家公務員制度改革を形にし、歳出削減を重視する装いをまとう政治主張に、多くの国民が欺かれてしまう危険が充満している。表層に見られる細かな事象から政治権力の権謀術数を洞察し、メディアが伝えない真相、深層を、一人でも多くの心ある国民に伝えなければならないと思う。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝

2008/07/02(Wed) No.01

 

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