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メディア・コントロールの闇
「神州の泉」様、「晴天とら日和」様、「カナダde日本語」様、貴重なメッセージを誠にありがとうございました。山口正洋氏のねつ造記事掲載問題に関するマスメディアの対応は、客観的に捉えても適正なものとは思えません。
山口氏をアルファブロガーと認知し、その存在や活動を肯定的に評価して紙面に紹介するとともに、福島中央テレビのアナウンサーによって山口氏のブログ記事が盗用されたことを大きく報道した報道機関が、山口氏が極めて悪質なねつ造記事をブログに掲載した濃厚な疑いが表面化したことに対して、適正に報道する責務を負っているというのが私の主張の骨子です。
賛同記事を掲載くださり、心から感謝申し上げます。マスメディアは情報を一般社会に公表するか否かの選択権を有します。読者が知るべき情報を不当に隠ぺいすることは、読者の知る権利を侵すものです。同時に、虚偽の情報を流布して人権を侵害することのないよう、報道に際して十分な裏付けを取ることも求められます。
私が6月8日付記事に河野義行氏の著書を紹介したのは、マスメディアの体質、報道被害の特質において、私が蒙った報道被害と共通する部分が存在すると感じたからでした。私が巻き込まれている問題を考察する場合、私が小泉政権を一貫して批判し、2003年のりそな銀行救済を含む一連の経済政策を糾弾してきたことを踏まえれば、一般的な報道被害とは異なる特異な背景を検討しなければ、問題の全容を解明することはできないと考えています。河野氏の著書を紹介させていただいたのは、報道被害のひとつの側面を理解していただくことが目的でした。
4月16日に東京高裁が不当判決を示した際に、私は刑事弁護団による記者会見で次のようなコメントを発表しました。以下に引用します
「控訴審での本日の判決は不当であり、強い憤りを感じます。公判においては私の無実を証明する目撃者が決定的な証言をしてくれました。これに対して検察側目撃者の証言には重大な誤りが含まれていることが明らかになり、根本的な疑いが多数あることから、その証言はまったく信用することができません。繊維鑑定の結果も私の無実を証明するものになっております。弁護団は控訴審において私の無実を立証したうえで十分な審理を求めましたが、東京高等裁判所はすべての証拠調べ請求を却下し、本日の判決を下しました。
私は事件発生当初から、私の知るすべてのことを供述し、無実の真実を主張し続けてきました。無辜(むこ)の人間に罪を着せることは許されることではありません。私は直ちに上告し、無実の真相を明らかにするために、闘い抜いて参る覚悟です。
メディア報道においては、第一審での弁護側目撃者の私の無実を証明する決定的な証言、弁護団の完璧な無実の立証、控訴審での弁護団のさらに詳細な無実の立証がまったく報道されておりません。私の裁判、報道に対して、大きな力が加えられていると考えざるをえません。
「無罪推定」を大原則とする刑事裁判が現実には「有罪推定」の原則に立ってしまっている現状、警察捜査の不正、取り調べの可視化など、日本の警察、司法制度の問題点が論議の対象になっているなかで、私の裁判について客観的で公正な視点から、事実を正確に報道していただきたいと強く要望いたします。
私が罪を犯しているなら、正直に事実を認めて罪を償っております。無実の主張を貫くことが困難な状況のなかで、無実の主張を一貫して貫いているのは、人間としての尊厳を重視し、いかなる困難を伴うにせよ、無実の罪を認めることはできないと考えるからです。私はどのような迫害を受けようとも、無実の真相を明らかにするために闘い抜いて参ります。」
山口正洋氏が2006年9月13日夜に発生した事件翌日の9月14日にねつ造記事をブログに書き込み、翌15日朝には蒲田警察署で接見してきたとの事実無根の情報をブログに掲載した問題は、問題の悪質さもさることながら、そのタイミングや方法の特異性を考慮するときに、何らかの背景の有無を思料せざるを得ないと強く感じています。
山口氏が掲載した9月14日記事は、2004年事件で証人として法廷に立ったとの事実無根の情報を掲載し、ブログ読者に山口氏が私と極めて近しい関係にあるとの印象を植え付けています。また、各種週刊誌は、週刊誌編集人あるいは執筆記者が法廷で証言したことが真実だとすると、警察から得た情報をもとに事実無根の虚偽の情報を氾濫させ、テレビ番組はその内容の真偽を確かめることなく虚偽の情報を放送し、番組内では権力に近いコメンテーターが著しい人権侵害の内容を含むコメントを私に対して浴びせかけました。
ねつ造記事を掲載した山口氏を産経新聞は「新聞報道に携わる記者が啓蒙を受ける人気ブロガー」と絶賛し、毎日新聞は「動機はある種の正義感」との見出しで山口氏を「アルファブロガー」として大きく報道しました。朝日新聞は現在も週刊誌「AERA」に山口氏による連載記事を掲載しています。これらのマスメディアがそろって山口氏のねつ造記事掲載問題について適正な報道を展開しないことも極めて不自然です。
自由民主党の広報戦略、IT戦略を担当する世耕弘成議員などが中心となり、インターネット対策として、有名なブログやメールマガジンの作成者を集めた懇親会などが開かれてきたとも伝えられています。山口氏が有力政治ブログの執筆者としてマスメディアに紹介されてきた背景についても、十分な調査が求められると思います。
私が巻き込まれた事件を含めて、すべての問題の背景に「大きな力」が働いているように感じられます。ただ、具体的な事実関係を完全に確認できていませんので、私はこれまで、あらゆる可能性を排除しない一方で、憶測に基づく仮説を提示することを避けてきました。
公正な裁判は「推定無罪」の原則に立つべきで、私の刑事裁判における弁護側主張は、もちろん無実の真実に基づいて主張を展開したものではありますが、無罪判決を求める論理のなかで「無罪推定」の原則を援用してきてもいます。
すべての真相を白日の下に明らかにし、全容を解明することが容易でないことは、問題が政治権力と不可分に結びついていることからも明白です。しかし、私は必ず真相を明らかにしなければならないと考えています。真実は最後には必ず勝利しなければならないと考えるからです。
そのための第一歩として、草の根からの情報発信を開始しています。ありがたいことに、少なからぬ人々が、善意から真実を見極めようとの真摯な姿勢を示してくださり、温かい言葉をかけてくださっています。私は自分の考えを『知られざる真実−勾留地にて−』に集約して記述しましたが、その延長上での地道な、しかし不撓不屈の精神に基づく権力との闘いを今後も続けてまいる所存です。なにとぞ、今後とも変わらぬご理解とご支援を賜りたく思っております。
2008年6月17日 (火) メディア・コントロール
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