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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu168.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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英語がろくにできなくても、ジャーナリストなれるのは日本だけだろう。
外国のジャーナリストで英語ができない人に会ったことがない。
2008年5月22日 木曜日
◆日本のメディアのテーマ 大野和基
http://www.globe-walkers.com/ohno/school/column053.html
ぼくがする取材は99%が英語である。資料も本も当然英語が圧倒的に多いので、自然と英米メディアの知人が多い。タイム誌、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ザ・タイムズ(ロンドン)、ニューヨーカーなど大手のメディアがほとんどであるが、いつも彼らに言われるのは、日本のメディアが発するテーマは、世界から見ると関心のないものばかりであるということだ。指摘されるたびにいやな気分になる。
日本以外では誰も知らない有名著者
実際、月刊誌、週刊誌などの目次を見ても、英語で世界に向けて、発表する価値があるものがどれほどあるか、いつも疑問に思うのはぼくだけだろうか。欧米のメディアが発する内容は世界的に関心を持たれ、本にしても、翻訳を待たず英語のまま世界中で読まれるが、日本の本は英語に訳されない限り、読まれることはまずない。だから、日本で超有名な著者でも日本を一歩出るとまったく無名である。せめてテーマからみて、おもしろいものであれば、英語でも出すべきだと思うが、翻訳となると今度はそれをする人がかなり限られる。ちなみに、英語がろくにできなくても、ジャーナリストという肩書きを持てる(自称だが)のも、日本だけだろう。他国のジャーナリストで英語ができない人に会ったことが、今だかつてない。
例えば、昨年交通事故で亡くなった、世界に名を馳せるデイビッド・ハルバースタムは、日本でも知らない人はいないくらい、超一流のジャーナリストであるが、日本国内で同レベルの知名度がある日本人でも、日本以外では誰も知らない。この差は認識した方がいい。ベストセラーになる本のテーマもそうである。英語に訳しても、まず世界的に関心を持たれそうなテーマがほとんどない。しかし、英語のベストセラーが日本でベストセラーになる例はいくらでもある。だから、ほとんど一方通行と言ってもいいだろう。
日本に関心がない欧米人
一部の人は別として、一般的に言うと欧米人は日本のことに関心がない。これは欧米人のジャーナリストが異口同音に言うことだ。ぼくの知人はぼくが日本人であるせいか、日本に関心はあるが、例えば、イギリスのインディペンダント紙の東京支局長デイビッド・マクニール氏は、「私自身は日本に関心があり、バイリンガルだが、イギリス本国にいるイギリス人は、日本で起きていることにまったく関心がない」と明言する。日本文学や、日本史、天皇制について、アメリカの大学で教えているアメリカ人の教授らに聞くと、同じ答えが返ってくる。オレゴン州立大学で日本歴史を教え、The People’s Emperor: Democracy & the Japanese Monarchyの著者である、ケネス・ルオフ教授は、以前電話インタビューしたときに、「アメリカ人は日本人や日本のことに関心がありません」と断言していた。村上春樹や芥川龍之介の英訳で活躍しているジェイ・ルービン氏も「アメリカ人は、基本的には日本に関心がないが、傑作には関心がある」と自信を持って言う。
日本で起きていることに関心がないから、日本のメディアが扱うテーマに関心がないのも筋が通っているが、日本のメディアは、もう少し世界が関心を持つようなテーマを扱った方がいいのではないか。これだけグローバリゼーションが進んでいる中で、日本のメディアが扱うテーマが圧倒的にドメスティックであるのはいかがなものか、と思う。すべて世界が関心を持つテーマにする必要はもちろんないが、そういうテーマがあまりにも少なすぎるのである。関心事に関して、日本とそれ以外の国の温度差が違いすぎる。
日本のニュースと世界のニュース
ごく最近、ロス疑惑の取材のために、ある編集部から電話がかかってきて、4時間後の飛行機でロサンゼルスに飛んだが、現地でつくづく感じたのは、アメリカ人は、ロス疑惑をO.J.シンプソン事件の日本版と言うものの、地元のメディアはこの事件を取材するというよりは、この取材のためにロサンゼルスまでやってきた、100人もの日本人記者たちの狂気ぶりを取材していた。よほど奇異に映るのだろうか。アメリカでもO.J.シンプソン裁判のときの狂気ぶりは、今でも脳裏に焼きついたままであるが、そのことを棚に上げて、日本人の狂気ぶりを報道していた。ちなみに、海外メディアは、この事件をそれほど報道していない。逆に世界で何が起きているか、本当に知りたければ、英語で読むしかない。日本語で入っている世界のニュースは少なすぎる。
かつて、大手の出版社が、日本の雑誌のタイム誌版をアメリカで出そうとしたことがあったが、最終的には経費がかかりすぎることと、テーマ的に見てアメリカ人が関心を持たないので、採算が取れないという結論に達して、結実しなかった。非常に残念であった。
例えば、編集部にバイリンガルの外国人編集者を入れるとか、月刊誌の3分の1は、世界が関心を持ちそうなテーマにするとか、半強制的にするのはどうだろう。お互いにシナジー効果が出てきそうな気がする。視野を広げるのは、読書だけでは無理であるから、環境を変えるのが一番だと思う。
◆今年1年を振り返って 大野和基
http://www.globe-walkers.com/ohno/school/column051.html
英語と日本語
ジャーナリズムの世界では、世界中どこに行っても最低英語ができて当たり前で、その部分は普通議論の対象にならないが、日本では今でも、母語である日本語が大切だと言って、英語を学習する前に日本語をしっかり学習せよ、と言っている。ぼくはこれに反論するつもりは毛頭ないが、英語や他の外国語をやると母語を客観的に見ることができるので、母語も上達するのである。相乗効果が出てくると言った方がいいだろう。「外国語を知らないものは、自国語についても何も知らない」というゲーテの名言があるが、その通りだと思う。ぼくが母語である日本語に関心を持ったのは、英語を学習してからだった。だから、英語を学習する前に母語をしっかり学習せよ、というのは正しいようで間違っている。同時にやればいいのである。日本文学を先に日本語で読み、次に英語で読むのもおもしろいものだ。翻訳の限界を知る最短距離である上に、英語をマスターする近道でもある。さらに、文学を原語で読むことがいかに重要かを知るきっかけにもなる。ただ、誤解を避けるために、やはり翻訳は重要であることも言っておく。
『クリエイティブ・クラスの世紀』の著者リチャード・フロリダ氏にインタビューしたときも「日本の大学は英語で教えるべきだ。そうしなければ優秀な頭脳が集まらない」と指摘していたが、これを、母語をおろそかにすることと勘違いする人がいるから始末に悪い。ぼくの教え子で、早稲田の国際教養学科に入った人がいるが、「授業がすべて英語で行われると思っていましたが、ある有名な教授でも最初の挨拶を英語でやるとあとは日本語で授業をやっています」といささか軽蔑するような笑いを浮かべていた。教授ともなれば、英語で普通に授業ができることがグローバル・スタンダードだと思うが、日本では英語で自分の専門の講義ができなくても教授になれるところが、日本を特異な国にしている。何回も言うが、英語で授業をやることと母語である日本語をおろそかにすることは別次元である。
今年は、アメリカや日本で、いろいろなパーティに出席する機会があったが、共通語は英語だ。バイリンガルのアメリカ人にも結構会った。大人になってから日本語をマスターしたアメリカ人にも複数会ったが、読み書きもみごとにマスターしている。そういう英語がネイティブである人も、英語の方が日本語よりもはるかに複雑だという。それだけ英語は難しいことはわかったとしても、世界共通語であるという厳然たる事実は変わらない。
日本が本質的に英語圏の人に相手にされていないことがわかっていても、個人レベルでみるとそのことを考えない方が対等に付き合える。相手も個人としてみてくれるので、切磋琢磨は欠かせない。漫画がアメリカだけではなく、世界を席巻していることは、嬉しいことだが、日本が世界に発信する情報はまだまだ少ないことも事実である。
(私のコメント)
日本のニュースショーを見ていて気になるのは、ニュースキャスターでも英語が出来ない事だ。NHKなどではアメリカの駐在経験のある人がキャスターになった時は通訳なしでインタビューが出来る人がいるが、今では通訳なしで外人のインタビューが出来るニュースキャスターはいない。
女性の場合は帰国子女などがアナウンサーとして採用されて活躍している人は大勢いるが、男の帰国子女でアナウンサーやニュースキャスターになった人がいないのはなぜなのだろうか。日本で有名な田原総一郎も英語が話せないし、久米宏も英語が出来なかった。
テレビ放送局のアナウンサーともなれば花形職業だから、2000人に1人といった激戦を選び抜かれた人が採用されるはずなのに、通訳なしでインタビューが出来るアナがいないのは不思議でならない。大野和基氏が指摘するように、日本では英語が出来なくてもジャーナリストになれる国だ。だからどうしても外国の情報に疎くなってしまう。
このように日本では英語が出来て当然の大学教授や花形ニュースキャスターでも英語が出来ないくらいだから、英語が出来る大学教授やニュースキャスターのほうが珍しいくらいだ。インタビューなどは英会話が出来れば通訳なしでも出来るのでしょうが、外人のゲストが出てくると決まって同時通訳が入る。
日本の学校では英語を教えている先生ですらまともな英語が出来ないのだから、生徒が英語が出来るわけがない。中学から大学まで10年間も英語を勉強してもほとんど話せないのは教育方法のせいだろうか。英会話学校も沢山あるし、大学の英文学部で勉強してもまともな英会話が出来ないのはなぜなのだろう。
ならば小学校から教えれば英語が出来るようになるのだろうか? とてもそのような訳には行かないだろう。英語の習得の為にアメリカやイギリスに留学しても小泉首相や安倍首相や福田首相を見ても英語がまともに出来ないのを見れば無駄である事がわかる。自分達ができないのにどうして小学校から教えれば英語が出来ると考えるのだろうか?
外務省のエリート官僚ですら英語が出来ずに、アメリカ大使館でも学生アルバイトを雇って情報収集をしている。大リーグで何年も活躍しているイチロー選手ですらいまだに英語は通訳まかせだ。選手同士の会話は出来るがインタビューは日本語になってしまう。このように英語は難しいのであり、英語はネイティブな人と互角に英語で話ができると言うのは不可能に近い。
逆もまた真なりで、テレビなどで活躍しているアメリカ人でも日本語が完璧に出来る人はいない。会話は出来ても読み書きは難しいようだ。語学の天才だった小泉八雲ですら日本語で書いたものは幼稚園児並みだ。ブログで外人が日本語で書いたブログも無くはないが、非常に少ない。日本語も英語もネイティブに出来ることは不可能に近い。
「日高義樹氏のワシントンレポート」を時々紹介しますが、日高氏の英語はとても流暢とはいえないし、アメリカのシンクタンクの首席研究員でも英会話はあのレベルなのだ。だからなんと意味が通ずる程度の英語が出来ればそれで満足すべきでそれが限界なのだろう。日本では英語が出来て当たり前の職業の人ですら英語が出来ないのだから、英語が出来ないからといって悩んでも仕方がない。
ましてや日本人ですら日本語会話が満足に出来ず、読み書きなどははがき一枚書くのも一日がかりの人はいくらでいる。ましてや外人が日本語をマスターするのは不可能に近い。日常会話は簡単だが読み書きは日本人ですら難しいのだから出来るわけがない。Benjamin Fulford 氏は例外的だが、日本人になるくらいの気構えでないと無理だろう。
ジャーナリズムの世界では英語は公用語のようになっていますが、ならば英語が出来ないと仕事にならないはずだ。しかし日本では英語が出来ないジャーナリストは沢山いると言うか、英語が出来るジャーナリストが珍しいくらいだ。アジアやアフリカのインテリ階級は欧米の大学に留学するから当然英語が出来る。しかし日本ではインテリ階級でも英語が出来ない人がほとんどであり、英語の著書を書いたり記事を書いたりする事は極めて希だ。
日本の外国語学はもっぱら翻訳の為の語学であり、外国語を文献を日本語に訳する事は盛んだ。それに対して日本語を外国語に訳して出す事は希であり、基本的に英語が母語である人が書いた文章でないと鑑賞に耐える英語にならない。だから国策的に日本を理解してもらう為には英米人の留学生を招いて日本語を英訳できる人を養成するしかないだろう。
文化的に見れば映画やアニメの世界では世界の巨匠が沢山いるのだから、文学でも世界に通用する作品が沢山あるはずなのですが、村上春樹などに限られてしまう。理系の分野なら英語翻訳ソフト任せの文章でも通用するのでしょうが、文学作品となるとカズオ・イシグロのようにまったく英国人として育たないと英語の小説は書けない。
だから日本語と英語はどちらが難しいかと聞かれれば、どちらも難しいとしか言えないだろう。外務省の役人は英語も満足に翻訳もできずに、サンフランシスコ講和条約でも、「裁判」と「判決」を誤訳している。国際条約の文章ですら間違えるくらいなのだから英語教育などは、語学的才能のある人を集中的に教育して養成しないと無理ではないかと思う。
しかし英語が出来ても日本語がお粗末だったり、英語以外になんにも分からない日本人ができても意味がない。外資系企業では英語が出来る社員が出世が早いそうですが、英語屋さんが経営者や技術者として優秀とは限らないから、そのような外資系企業は競争から脱落する。むしろ日本語を参入障壁として生かして外資に立ち向かうくらいの気概を持ったほうがいいのかもしれない。
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