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<これはもう一種の社会現象>「蟹工船」がウケている/全国5紙すべてが取り上げた(どこへ行く、日本。)
http://www.asyura2.com/08/hihyo8/msg/239.html
投稿者 gataro 日時 2008 年 5 月 15 日 20:43:11: KbIx4LOvH6Ccw
 

http://ameblo.jp/warm-heart/entry-10097060424.html から転載。

2008-05-15 19:51:54
gataro-cloneの投稿

<これはもう一種の社会現象>「蟹工船」がウケている/全国5紙すべてが取り上げた
テーマ:格差問題


「蟹工船」を最初に取り上げたのは読売だった。そして朝日が続き、読売がプロレタリア文学作品をとりあげたのでもちょっくら驚いたのに、今度はとうとうあのウルトラ右翼紙とも言うべきかの産経までが「蟹工船」を取り上げたのだ。

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http://sankei.jp.msn.com/culture/books/080514/bks0805140802000-n1.htm

小林多喜二「蟹工船」突然のブーム ワーキングプアの“連帯感”(産経新聞)
2008.5.14 07:46


 小林多喜二の『蟹工船』(新潮文庫)が売れている。世界恐慌の起こった昭和4年に刊行されたプロレタリア文学を代表する作品だ。29年に文庫化され、これまでも年に約5000部が売れ続けるロングセラーだったが、今年に入って突然売れ始め、急遽(きゅうきょ)4月に7000部を増刷、それでも追いつかず、5万部を増刷した。ブームの背景には「ワーキングプア」と呼ばれる人々からの共感があるようだ。(桑原聡)

 ブームのきっかけとなったのは、毎日新聞に掲載された作家の高橋源一郎さんと雨宮処凛(かりん)さんの格差社会をめぐる対談(1月9日付朝刊)だった。雨宮さんが「『蟹工船』を読んで、今のフリーターと状況が似ていると思いました」と発言。これに高橋さんが「偶然ですが、僕が教えている大学のゼミでも最近読みました。そして意外なことに、学生の感想は『よく分かる』だった」と応じる、という内容。

 この対談後、東京・上野の大型書店が、平積みにしてポップやパネルを使って販促を仕掛けると、多いときで週に80冊も売れるヒットとなり、他の大型書店が次々と追随、ブームに火が付いた。

 下地もあった。「ワーキングプア」と『蟹工船』の労働者の類似性にいち早く着目した白樺文庫多喜二ライブラリーは一昨年11月、大学生や若年労働者をターゲットに『マンガ蟹工船』(東銀座出版社)を出版。増刷を重ね、発行部数は1万6000部に達した。

 同ライブラリーは、多喜二没後75周年の今年、多喜二の母校・小樽商科大学との共催で『蟹工船』読書エッセーコンテストを実施。25歳以下を対象とした部門では国内外から117編、ネットカフェからの応募部門で9編の応募があった。「『蟹工船』を読め。それは現代だ」(20歳男性)、「私たちの兄弟が、ここにいる」(34歳女性)といったように、『蟹工船』に現代の労働状況を重ねるエッセーが大半を占めた。


 同コンテストの審査員を務めた精神科医の香山リカさんは「低賃金や重労働にあえぐ若者の多くは『こうなったのは自分のせい』と思い込んでいる。自己責任論の高まりや非正規雇用を正当化する社会の仕組みが“おとなしいフリーター”たちを生んできた」と分析したうえで、『蟹工船』に関心が寄せられる理由をこう解説する。

 「『働いているのに生活できないのはおかしい』『人間扱いされているとは思えない』と気づき、社会に向けて自分たちの状況を発信し、待遇の改善を求める若者も増えつつある。この本を読むことで彼らは、いつの時代も不当な働き方を強いられる労働者がいることに痛みを感じつつ、時代を超えた連帯を実感しているのではないでしょうか」

                   ◇

【用語解説】『蟹工船』

 海軍の保護のもとオホーツク海で操業する「博光丸」で暴力的な強制によって酷使される出稼ぎ労働者たち。人間扱いされない閉鎖空間で、過労や病気で次々と倒れてゆく。やがて彼らは人間的な待遇を求めて団結、ストライキに踏み切る…。

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ここまで来ると毎日新聞と日経新聞も載せざるを得ないのかな!? 毎日と日経がどちらも5月14日付夕刊で取り上げた。ただし日経記事には電子版はない。

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http://mainichi.jp/enta/book/news/20080514dde018040019000c.html

プロレタリア文学:名作『蟹工船』異例の売れ行き(毎日新聞)

 ◇高橋源一郎さん雨宮処凛さんの本紙対談きっかけに

 日本のプロレタリア文学を代表する作家、小林多喜二(1903〜33年)の『蟹工船(かにこうせん)・党生活者』(新潮文庫)が、今のワーキングプア問題と絡んで異例の売れ行きを示している。今年、すでに例年の5倍を超す2万7000部を増刷した。格差社会の現実を映したような現象が、関係者の注目を集めている。【鈴木英生】

 きっかけは、今年1月9日に毎日新聞東京本社版朝刊文化面に掲載された作家の高橋源一郎さん=と雨宮処凛(かりん)さん=の対談。2人は「現代日本で多くの若者たちの置かれている状況が『蟹工船』の世界に通じている」と指摘。それを読んだ元フリーターの書店員が、ブームに火を付けた。

 『蟹工船』は元々、1929年に発表された。カムチャツカ沖でカニを捕り、缶詰に加工する船の労働者が、過酷な労働条件に怒り、ストライキで立ち上がる話だ。一昨年と昨年には漫画版が相次いで出版されるなど、多喜二没後75年の今年を前に流行の兆しがあった。

 対談で、雨宮さんは「『蟹工船』を読んで、今のフリーターと状況が似ていると思いました」「プロレタリア文学が今や等身大の文学になっている。蟹工船は法律の網をくぐった船で、そこで命が捨てられる」と若者たちの置かれている状況を代弁するように発言。高橋さんも「今で言う偽装請負なんだよね、あの船は」「僕は以前(略)この小説を歴史として読んだけれど、今の子は『これ、自分と同じだよ』となるんですね」と応えた。

 対談を知った東京・JR上野駅構内の書店、「BOOK EXPRSSディラ上野店」の店員、長谷川仁美さん(28)は2月に『蟹工船』を読み直し、「こんなに切実で、共感できる話だったんだ」と感じた。長谷川さんも、昨年まで3年間、フリーターだったという。

 そこで、長谷川さんは「この現状、もしや……『蟹工船』じゃないか?」などと書いたポップ(店頭ミニ広告)を作り、150冊仕入れた新潮文庫を店頭で平積みにしてみた。すると、それまで週にせいぜい1冊しか売れなかった同書が、毎週40冊以上売れ続け、多い週は100冊を超えた。平積みにしてから約2カ月半で、延べ約900冊が売れたという。

 この動きを見た新潮社も、手書き風に「若い労働者からの圧倒的な支持!」と書いたポップを数百枚印刷して全国の店に配ると、ブームが一挙に拡大した。そこで、3月に7000部、4月に2万部を増刷した。新潮社は今後、ポップをさらに1500枚印刷し、宣伝を強化する。

 新潮社では「こうした経緯で古典が爆発的に売れるケースは珍しい。内容が若い人たちの共感を呼んでいるうえ、03年の改版以来使っている、戦前の図柄を元にしたロシアフォルマリズム風の表紙も新しい読者に受けているようだ」と話している。

 ◇今の経済構造と類似−−文芸評論家、川村湊さんの話

 『蟹工船』の労働者は、形式上、本人の意思で船に乗っている。だが、そこを脱する機会がない。これは、若者をフリーターから抜け出させない今の経済構造と似ている。輸出用の缶詰を作る労働者が搾取される構図も、今の世界資本主義のあり方を先取りして表現した。現代の若い読者には、この物語のような決起への呼びかけに対する潜在的な欲求があるのかもしれない。

毎日新聞 2008年5月14日 東京夕刊

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ベストセラーの裏側 小林多喜二「蟹工船」(日経新聞)
平積み・店頭広告 仕掛ける

(2008年5月14日付夕刊5面・「エンジョイ読書」欄から転載)

 小林多喜二の『蟹工船』(新潮文庫『蟹工船・党生活者』・400円)が売れている。毎年5000部は増刷する作品だが、今年の増刷分はすでに5万7000部。80年近く前に書かれたプロレタリア文学の古典が、なぜ今読まれているのか。

 「偽装請負や所得格差が問題になるなか、労働者の苛酷な現実を描いた内容に注目が集まっている」(新潮社営業部の渡辺憲司課長)というのが出版社の説明だ。この作品には、資本家に虐げられて徹底的に搾取される労働者の姿が描かれている。「現代のフリーターに状況が似ている」と指摘した作家もいるように、「格差」が喧伝される今の時代のムードに合致している面はある。

 だがそれだけではない。書店と出版社の積極的な販促が売り上げに拍車をかけている。人気の発信源となったのは東京・上野駅構内にある大型書店。この本を平積みにし、パネルを設置する「仕掛け販売」を展開したところ、ランキングで7位に入る健闘を見せた。

 これを見て売れると踏んだ新潮社も本気になった。「現代の『ワーキングプア』にも重なる苛酷な労働環境を描いた名作が平成の『格差社会』に大復活!!」と記した店頭販促(POP)広告を作成。今月から全国の1500店に配布を始めた。

 ユニークなのは販促の定番である「帯」をあえて使っていないところ。初版本を再現した表紙は、朱色と黒のコントラストがおどろおどろしい。「この表紙が並ぶと異様な迫力が出る」(渡辺氏)。説明無用というわけだ。

 現代の読者は、多喜二が訴えた左翼思想よりも労働現場の悲惨な描写に目が行くだろう。時代が変われば読まれ方も変わる。作家は拷問で不慮の死を遂げたが、彼が残した小説は現代に生きる幸福な作品となった。

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