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晴れぬ視界:ヨコスカ・米原子力空母配備/上 被爆経験…続く恐怖、後遺症 /神奈川【毎日】
http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20080921ddlk14040129000c.html
◇信用できぬ「安全」−−裏付けせぬ国や市
眼下の東京湾を米軍艦船が行き来する。米軍横須賀基地がある横須賀市中心部から南東約4キロ、高台の新興住宅地に建つ自宅で、主婦の村山恵子さん(69)が語る。「放射能は目に見えないから怖いんです」。6歳の時、長崎市で被害に遭った「入市被爆者」だ。
最近発覚した米軍艦船事故が村山さんの頭をよぎる。配備間近の原子力空母「ジョージ・ワシントン(GW)」内の火災、原潜「ヒューストン」の放射能漏れ。「米軍は何か起きても公表しないことがある。信用できません」と怒りをにじませる。
生家は爆心地から約1・5キロだった。長崎県島原市のおば宅にいて直撃は免れたが2日後、母弟と長崎へ。数日後から下痢続きの急性症状に襲われた。弟は体中からうみが出て15歳の若さで、母は子宮がんで25年後に他界。村山さん自身も背中にうみがたまり、病気がちになった。68年に夫の転勤で横須賀に移り住んだ後も、忘れたころに現れる皮膚のできものに「がんでは」とおびえる。
「放射能の恐怖と後遺症は延々と続くのです。悲しみと憎悪も」
その放射能を抱えるGWは、安全なのか。米海軍作成の「原子力軍艦の安全性に関するファクトシート」(06年)は、艦内の加圧水型原子炉に関し「4重の防護壁があるため、爆発しても放射能が短時間に放出されることはない」と言う。
昨年11月、原子力空母事故を想定した初の合同防災訓練に、米軍が応じた。ただ「放射性物質が漏れ、住民や環境に悪影響が出る事故は起きない」と言い張り、市民は参加できず、今年も同様だ。一方、市は「安心感確保のため」(蒲谷亮一市長)、市民参加の別訓練を10月下旬に行う。
県原爆被災者の会横須賀支部「なぎさ会」(258人)の楠本光雄事務局長(72)は「シートを信用し、受け入れを容認しているのに矛盾した対応だ」と批判する。
シートを盾に安全性を強調する国や市。GWに立ち入る権限がないのは事実だ。だが村山さんは言う。「裏付け調査もせずに、うのみにする姿勢はあまりにも安易だ」。不信や不安も重なり、悪夢がよみがえる。
◇ ◇
GWが25日、米海軍横須賀基地に国内で初めて配備される。放射能漏れ事故や米兵犯罪の恐れがもたらす不安、「仕方ない」というあきらめや無関心。たちはだかる軍事機密の壁。原子炉を積んだ巨大艦船と、軍都ヨコスカはどう向き合っていくのか。視界は晴れぬまま、その日が来る。
毎日新聞 2008年9月21日 地方版
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