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オバマ経済対策の効果と副作用、揺れる市場の思惑 [東京 8日 ロイター]
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投稿者 XL 日時 2009 年 1 月 08 日 18:43:27: 5Sn8OMNzpaIBE
 

オバマ経済対策の効果と副作用、揺れる市場の思惑
2009年 01月 8日 14:24 JST

 [東京 8日 ロイター] マーケットがオバマ次期米大統領の打ち出す大規模な財政政策への期待感と、急激に落ち込む実体経済の厳しい現実との間で揺れている。一部で1兆ドルとも予想されているオバマ氏の打ち出す対策への期待感で年初から上がっていた株価だが、米国で実際に出てくる経済データは1929年の大恐慌を思い出させるような悪い数字ばかり。

 経済悪化は織り込まれており、短期的に株価の下げは限定的との見方が広がりを見せているものの、仮に効果が出ない場合には大規模な米国債発行のツケが残ると危機感を募らせる声も出ており、経験したことのない規模の財政出動とその副作用をめぐって思惑が交錯している。

 <日経平均は米株安・円高方向を嫌気>

 株式市場では日経平均が反落している。米国株の大幅下落やドル/円が94円台から92円台へと円高に振れたことなどが嫌気された。前日まで7連騰と急ピッチに上昇してきたため「短期テクニカル指標に過熱感が出てスピード調整の動きとなっている。年初から続いていた海外勢の買いが止まっているほか、ディーラーなども利益確定売りを先行させている。ただ、売りたたく材料も乏しく底堅さは維持している」(コスモ証券エクイティ部次長の中島肇氏)という。

 世界規模での景気悪化に対し、主要各国が積極的な財政出動を表明している。景気対策の効果は一時的との見方があるものの「カンフル剤が効いている間は、(株を)売りにくい」(外資系証券)との声もある。

 <予想外に強い株式市場の地合い>

 日興コーディアル証券シニア・ストラテジストの河田剛氏は「オバマ次期米大統領への期待が相場を支える構図に変化はなく、ここからの下値には限度がある」とみている。7日に発表された12月の米オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)報告は民間部門雇用者数が70万人近い減少となり雇用の悪さを印象付けるものだったが「今年前半の景気の悪さについては市場はわかっており、それほどの新鮮味はない。むしろ、週末の米雇用統計の悪さを先取りしたことで、雇用統計は冷静に受け止められる可能性もある」と指摘。

 さらに「米インテル(INTC.O: 株価, 企業情報, レポート)が11月に続いて業績予想を下方修正したことも、アジアを中心に世界的に波紋を広げそうではあるが、これらの悪材料で株価のトレンドが変わったわけではない」とみている。

 野村証券・エクイティ・マーケットアナリストの佐藤雅彦氏は「テクニカル的に過熱感があり米株安や円安の一服で短期筋や海外勢からの利益確定売りが出ている。ただ、個別材料株の一角がにぎわうなど何かを買おうという動きは継続しており、相場の地合いは依然として強いようだ」と述べ、下値がかなり堅くなってきているとの見方を示した。

 他方、カブドットコム証券・マーケットアナリストの山田勉氏は「オバマ・ラリーに根拠なしで、日経平均で9500円に近づくと売りたくなるという市場心理に変わりはない」と上値は重いと分析。「これから国内企業の業績見通しの下方修正が相次ぐと予想されるなか、1株利益(EPS)が500円を割ってくれば、今の水準では株価収益率が18倍─20倍にまで上昇し、日本株の割安感が薄れる。急伸するよりは、調整を繰り返しながらの相場の方が安心だ」と予想する。

 ただ、その一方で「物色の対象は広がっており、材料株や低位株など、個人だけでなく投信、年金など幅広い投資家層が買い始めているようだ」と急落のリスクはかなり低下していると述べた。

 <オバマ経済対策の副作用を懸念する声>

 こうした株式市場の見方とは別に、オバマ氏の政策が効果を出さなかった場合には「経済の不振が解消されないまま、将来の財政負担やFRB(米連邦準備理事会)の資産悪化などから当局への信認が揺らぎ、ドル資産のトリプル安に陥るリスクもある」(東海東京証券・チーフエコノミスト、斎藤満氏)という懸念もくすぶっている。

 また、実際に足元の金融市場や経済情勢をみても「米クレジット市場で米企業のCP発行などによる資金調達は、簡単にできない状態が継続している」(外資系証券)と指摘され、米金融不安の火元である住宅市場では、最も注目される住宅価格に下げ止まりの兆しがみえず「下げ足を速めている状況では、米金融機関の不良債権は、さらに膨張するリスクに直面している」(邦銀関係者)との声も漏れる。

 別の邦銀関係者は「年初は米市場に引きずられて株価が上がっているが、どこかで大きなショックが来るのではないか、という警戒感を東京市場の参加者は抱えている。10年前のつらい経験を持っている参加者が多いからだ」と述べている。

 <前日NYでのドル売り、調整を指摘する声>

 外為市場では、足元の厳しい数字に目が向きがちだった。前日のドルは、7日の東京市場日中高値である94円前半から92.33円まで2円弱下落。12月米雇用統計の発表を週末に控え、年初から続いたユーロ安/ドル高が一巡して利益確定のドル売りが先行したことに加え、企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)子会社などが集計した12月ADP全米雇用報告で、民間部門雇用者数が69万3000人減と予想の47万3000人減から大きく悪化したことなどが背景となった。米カンザスシティー地区連銀のホーニグ総裁が講演で、労働市場悪化の可能性に言及したことを指摘する声もあった。

 ある外為市場関係者は「海外の短期筋が、週初からドルをロングにしていたので、その調整が出ているのではないか」と話していた。ただ、その関係者は「一部で懸念されているドルの急落がすぐに起きる感じではない」とも述べている。

 マーケットでは、オバマ式経済対策の規模が空前の規模になるだけに、巨額過ぎてその効果や副作用が織り込めていない色彩が強いようだ。先の邦銀関係者は「大恐慌以来の大きな落ち込みが世界規模で始める前に、心理的に落ち着かせる効果をオバマ氏の経済対策はもたらしている」と語った。

 (ロイター日本語ニュース 田巻 一彦;編集 吉瀬邦彦)

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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-35761620090108
 

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