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「戦争は『社会安定』のための不可欠な条件」との説
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投稿者 日光仮面 日時 2009 年 1 月 07 日 22:02:39: OoLe8DavfKStc
 

(回答先: 「戦争」による、アメリカの経済恐慌からの脱出は可能か 投稿者 DOMOTO 日時 2009 年 1 月 04 日 21:52:52)

「これまでの全ての歴史は階級闘争の歴史である」これは共産党宣言第1章の書き出しである。

奴隷制社会や封建制社会は奴隷や農奴を含めた全人民の幸福のために運営された社会でなかったことは明らかであるが、資本主義社会も同様に支配と被支配、搾取と被搾取の階級社会であることを解き明かしたのがマルクスである。もっとも「プロレタリアはこの革命において鉄鎖のほかに失う何ものをも持たない。彼らが獲得するものは世界である。万国の労働者、団結せよ」によって成立したソ連などの共産主義社会もやはり階級社会であって鉄鎖ももっと頑丈であったというオチがあったが。

「市場経済も階級支配の道具である」との眼でこの社会を眺めていくと氷解する謎もある。「消費が減退すると不景気になって失業者が増えて」国民は不幸になる。だけど浪費を慎んでモノを有効に使う社会は、資源には限りあるわけで、構成員が豊かに暮らせる社会ではないだろうか。貧乏になった時の脱出方法は「額に汗して必死に働く」ことではないでしょうか。小泉元首相流だと、働く場所も奪われて、ただ「痛みに耐えろ」ということになる。

マルクス時代からは生産技術が大きく進歩し、現代では先進国においては「能力に応じて働き必要に応じて分配を受ける」共産主義社会、あるいは低開発国の奴隷的労働を考慮すると「パンとサーカスの社会」の物質的条件が出来上がっているが、市場経済の帝王はそんなことは許さない。お互いに浪費し合いながら過労死するほど働くことを求めるのである。

それを推し進めると「戦争システム」に行き着く。1966年、当時のマクナマラ国防次官の委嘱によりハドソン研究所が作成したと言われている「アイアンマウンテン報告書」では次のように述べられている。

「戦争システムは独立政体としての国家の存在に不可欠であるばかりでなく、政治機構の安定のためにも同様に欠かすことはできない。これなくして、いかなる政府もその『正当性』あるいは社会支配の権利への黙従を獲得することはできなかった。・・・戦争の可能性に備える社会の組織化は、最大の政治的安定要素である。・・・これによって社会は必要な階級区分を維持でき、国家という概念に内在する戦力の残余のおかげで市民の国家への従属を確保することが出来る。」(『マネーを生み出す怪物』P607)

戦争の代替物として「血のゲーム」、「宇宙エイリアンの侵略」、「環境汚染モデル」などが紹介されている。原著は1998年に書かれているので触れられていないが「対テロ戦争」は実際に戦争が行われている国家への従属を確保する手段であろう。  

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